どこかにある動物達の世界。
この世界も長い冬がようやく終わり、暖かな春がやってきました。
そして、今年最初の桜が咲き始めました。
だれよりも早く咲いた桜を最初に見つけたのは、丘に住むうさぎでした。
うさぎの名はタカ。
彼女は暖かな日差しの当たる中、丘の上で春一番に咲いた桜の花を見付けました。
うれしくなった彼女は、森の仲間たちに教えに行きました。
タカから桜の話を聞いた仲間たちは
「なら皆で見に行こう」
と狐のリンのひと声で、皆は初桜を見に丘に登りました。
丘いっぱいに根を張っている桜たち。
その一本には確かに小さなピンク色の花がちらほらと咲いていました。
「もう少ししたら、ここは桜の花でいっぱいになるだろうね」
上を見上げながらタカは呟きました。
その光景を誰もが想像しているのか、しばし皆は何もいわずじっと立ちつくしていました。
「そろそろ何か食べようよー?お腹がすいた。」静かだった時の流れを変えたのは猫のシイでした。
花より団子な彼の言動は仲間たちに笑いを誘いました。
「じゃあ皆でお昼にしよう」
苦笑まじえながリンは言いました。
「それならここで少し早いお花見をしない?」
とタカは仲間たちに提案しました。
「そりゃあいいや、面白そう。やろう、やろう。」
楽しいことはなにより大好きと言い張る鶫鳥のツグミは空中で宙返りしてみせながら、真っ先に大賛成しました。
「賛成」
「さんせーい」
タカの提案はすぐに満場一致で受け入れられ実行に移されました。
それからその日は楽しい昼食、いえお花見になりました。
『また皆でお花見がしたいなぁ』
楽しかったお花見が終わった後、タカは思いました。
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その晩、タカは夢をみました。
満開に咲く桜の下、仲間たちと共に楽しくお花見をする光景を・・・
その夢はそう遠くない未来に現実となるのではないでしょうか。
きっと・・・
〜あとがきっぽいの〜
この話を書いていたら自分でもお花見に行きたくなってしまいました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
桜の祝福が貴方にも訪れますように