スカウトを巻き込んで焼く

レポート その3

3週間後、自然乾燥させたスカウトの作品をいよいよ焼くときが来た。
まずは、数少ないノウハウに基づいて、アルミホイルに包ませる。
そして、セオリー通り(ほんとにセオリーかどうかは疑わしいが・・・)七輪にレンガをのせ、餅網を敷き、
その上にフライパンを置き、そしてアルミホイルにつつんだ作品を入れ、
さらにアルミホイルや別のフライパンでふたをかぶせて焼きに入った。

 

それでも、いくつかは、例の「ボン」という音がする。
何がいけないのか・・・・。結果がわかっているだけにつらい。
しかし、よくよく分析してみると、昇温に問題があるのではないか、いや、それ以外考えられない。
という結論に至った。(そう思い込むことにした。でないと次をやってみる気力が萎えてしまいそうになる)

 

その結論とも仮説ともわからない、妙な思い込みにより、ドライヤーによる送風方法を、
「晴れたらいいね」で紹介していた時間の5倍の時間をかけてじっくりと試してみた。

成功である

何はともあれ、細かいヒビはあるものの、形がある状態で焼き上げることに成功した。
実に、涙ものである。

 

ものは、どこから見てもガラクタだ。発掘現場から出てくれば遺跡と思えるかもしれないが、あれだって、
器としてはガラクタにしか見えない。
しかし、このガラクタは、手にとってしげしげと鑑賞する価値を十分に持っている。作った本人にはだけど。

 

見ているうちに、次の課題がいくつも見えてくる。
昇温のコツはわかった。熱量はどうだったか。焼き上がりの景色を見ていると
ムラがあり、十分でなかったことがわかる。炭のくべ方と量のコントロールが
まだ、わかっていない。重ねる方の上の七輪では無理があるのか・・・・
いくらでも課題が沸いてくる。陶芸は、不思議なアイテムだ。

ちなみに、スカウトに聞いてみた。
「陶芸は面白かったか。またやってみたいと思うか」
答えは、1人を除いて全員「もう、いい」だった。