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1.トラスの定義

「トラス」とはどのようなものなのか?と問えば、そんなん「三角を利用した構造体」とちゃう?
てな答えが帰ってくるのではないかと思います。

私的にもうちょっと詳しく説明するなら
1. 三角形は強い(三角不変の原理)ことを利用して
2. 接合はピン接合で
3. 力は軸力にしかかからないので、部材か小さくてよい
(つまり偏芯ムは御法度です。これ、後で重要になります。覚えておいてね。)
という3つがポイントではないかと考えています。

それでは、皆さんが考える木造のトラスと言えば、どのような建物を思い浮かべますか?
私がまっ先に思い浮かぶのは、
木造の学校・洋館・古い教会・昔からの倉庫や工場。そして、雑誌で見かける最新の体育館や公共施設などになります。
←橋本健二建築設計事務所
 旧茨木市立小学校校舎
←潰れた映画館
 今は駐車場
今挙げた建物は、大きく2つに分けれます。 昔の建物と今の建物です。
これは、昔と今の違いてという時間だけのことではなくて、構造そのものが違うのです。

「みんなトラス構造とちゃうの?」と思われているでしょうから、せっかくこれを読まれているからには明確に、これらの建物の違いを知ってもらおうと思います。

「トラスは力を軸力に限定するのが原則ですから、軸力以外の力(曲げ)が部材にかかる事を想定していません。」
この事を頭において、ある木造トラスの図面を見て下さい。
図K-1
伝統的なトラスで
キングポスト
叉は
真束トラス
と呼ばれるもの
図T-1
2×4材を使った
外国からの輸入トラスの図です
ハウトラス
と呼び名がついています。
図K-1と図T-1について どこが違うか判りますか? 一つ一つ見ていきます。
K-1
T-1
1
母屋が記入されている 母屋が記入されていない
2
接合は木組・金物はボルトを使う ギャングネイルなどのプレート金物の利用
3
部材の大きさが部位によって違う 使う部材は2×4材
4
部材の芯が偏芯している 部材芯と三角は一致
5
キングポストトラス叉は真束トラス ハウトラス HOWETRUSS
まだまだありますが、これくらいで中身を見て行こうと思います