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伝統木造軸組の基本
書きかけです。
4 伝統木造は社寺・塔に見られるように、大断面の木を使うことを前提に完成されて来ました。
今の建物は小断面ですから伝統の継手をそのまま当てはめたら、おかしくなります。
日本で完成されて来た伝統継手のほとんどは
今の断面の木材ではその力を発揮出来ないでいます。

5 木造は接合から壊れる

5 -1 接合を破壊しない設計が必要。
構造計算で部材寸法を決めるのはダメ。
それだと、無理のかかる場所の材料はただ単に大きな材料を使うという発想になってしまう。
大きな材料を使ったところの接合部から破壊される。                                     
5 -2 継手はほぼ全て上から叩いて収める方法になっている
とということは、下からの力に弱い。
下からの力とは、風のこと。

6 建物は捻られた時、簡単に破壊される。
伝統の木造であれば、ただ、揺れているだけでは壊れない。
ただの揺れが、直線運動の時は問題ない。
それが回転運動に変わった時、建物は捻れて崩れ落ちる

6 -1 重心と中心が一致しない建物は、直線運動が回転運動に変化しやすい建物
歴史的な名建築で不形成な建物はない。

6 -2 建物かねじれると、継手が捩じれられる
捻る力に継手は弱い。
押す・引張る以外の捻る力で実験された継手は無い。

6 -3 床及び屋根の水平剛性は、捻れに抵抗する最も重要な構造要素の一つです。

7 伝統木造の神髄は屋根にあり、屋根が建物を支配する。(と教えられました。)
今の建築基準法に屋根の規定はありません。

8 木造は総持ち

9 木はつっぱり 鉄はひっぱり
鉄は使い方をまちがえると木を傷めます。

10 木造技術は全て検証済 (ウソも含まれる)
単なる思いつきやアイデアを工夫・改良と勘違いしないようにすること。

11 修理から学ぶ
100年もった家にはそれだけの工夫が、
50年もった家にはそれだけの事が、
20年しかもたない家にはそれだけの事しかされていません。
使われている継手も違います。

12 木の芯に墨は付けられません。
墨は木の表面に付けます。
力は主に木の表面で伝えます。
設計図は芯の寸法ばかりです。今の図面は、芯の寸法を大切にしすぎています

13 手の延長に道具があります。
道具の延長に機械がなければなりません。
技術の発達と道具の発達は車の両輪(だと思います。)

14 伝統木造は刃物の技術です。
前後運動の技です。
機械は回転刃です。

15 手作業では簡単なことが機械では難しい。
手作業で難しいことが機械では簡単。
加工に合わせて機械が開発されたのではなくて、
機械に合わせて作業性から加工が変えられた。
伝統木造に良く似た 伝統木造でない木造 それがプレカットの加工です。

16 ハイテクはローテクより進んでいますが、
ローテクには勝てません。(と思います。)

17 大工さんと設計者の間には違う文化が存在する(と感じています)。
大工さんは勾配(比)で考える。道具は尺がね。
設計・コンピューターは角度で考える。加工の道具(尺)はない。
仕事に合わせて道具は発達する。(伝統木造)
角度で勾配の尺がねは使えない。(今の木造)

18 伝統木造は大工さんの技術と文化の発達したもの。(学問として成立していない。)
今の在来木造はS造・RC造の延長にあるもの。
日本の伝統技術はほとんどが口伝です。(武道・茶道・華道など)
書き表さない。むしろ、禁止し、伝え学ぶ基本に授業はありません。