仮面ライダーショー

 
日曜日の昼下がり、買い物に出かけたわたしは駅前広場の人だかりに好奇心いっぱいで近づいた。

駅前の商店街の改装オープンイベントのひとつとして、駅前広場の特設ステージで仮面ライダーショーがまさに始まるところで、ステージの前には親子連れが席を陣取っている。

そのまわりをどうしてこんな人たちが・・・?っていうような、仮面ライダーとは現在ほとんど縁がないと思われるような人たち、例えば高校生、もっと大人の社会人(わたしもそのうちの1人)、年配の夫婦連れ等、さまざまな年代の人々が取り巻き、ちょっとした集会のような感じ。

ジャカジャカジャーン〜♪おどろおどろしい音楽が鳴り、悪の軍団が登場!

軍団といっても悪の親分、改造人間2人(一応、優劣アリ)、ヒラ2人のたった5人だけど、それぞれ自分の役どころはキッチリある。

ヒラですら音声マイクを身体に付けている、キェーとかシェーとかしか言わないのに・・・

悪の親分は地球征服の野望を延々と語る・・・

「おまえたちの好きにはさせないぞっ!」
そこに若々しい声が轟きわたり、仮面ライダーのテーマソングとともに仮面ライダークーガが登場!

仮面ライダーもウルトラマンと同じで年々のように代替りして今の仮面ライダーはクーガと言うらしい。

へー・・・変な名前・・・クーガっていうのは確か猫科の猛獣の名前だよなぁ。なんか悪の改造人間のほうの名前みたい。

しかし仮面ライダークーガは弱かった。

ヒラから順番に戦っていが、改造人間の大物の方にあっさりやられてしまい、最後には5人に取り囲まれてボコボコにされて捕虜になってしまった。

クーガが舞台横のテントの中に連行されると、悪の親分は続いて会場の中から3人の子供を選び、舞台上でヒラの選抜試験を始めた。

選抜試験は知能と、体力の試験。

知能試験はヒラたちには名前がなく、番号で呼ばれているので(かわいそう・・・個々には名前がなかったのね、新しい事実の発見)、親分が「番号!」と言うと、「1」「2」「3」と端から言えなければ合格できない。

子供たち(5、6歳くらい)は飲込みが早く、知能試験は簡単にクリアした。

続いてひとりづつヒラを相手に対戦して体力試験。
ヒラはめちゃくちゃ弱い〜だからみんな合格。

おもしろいのはこれらの説明をする悪の親分がどういうわけかベタベタの大阪弁で、仮面ライダークーガを相手にするのとは違いすごく優しいこと。

ヒラたちもステージが高くて上がれない子供たちを抱き上げている。

こんなに優しい人たちになら地球征服されいもいいよね〜

子供たち参加イベントは終わり、みんなお土産をもらって退場。つづいて囚われの仮面ライダークーガが引き出され、処刑されることに・・・

ヘロヘロにやられていても正義の味方はまだ、さわやかな声で正義のセリフを叫んでいる。

がんばれよ〜仮面ライダークーガ・・・でもどうする?この状態から逆転はあるのか?!

突然、クーガは言った。

「×××を倒すのには、みんなの力が必要なんだっ!!」

うわ〜っ!こいつ他力本願や〜!

するとなんということであろうか、会場の子供たちが一斉にクーガを応援し始めたではないか!
「がんばれ〜」
「がんばれ!クーガ!!」
「負けるなぁ〜クーガ!!」

お土産をもらった子供まで一生懸命クーガを応援している。

子供たちの声援の声が大きくなるにつれ、クーガは力を取り戻し、ついにはヒラを振りきり自由の身となった。そしてヒラ2人、小物の改造人間を次々に倒していった。

前回敗北した大物改造人間と対戦するに当たり、クーガはスペシャル変身を遂げた。
一旦テントに帰り、戻ってくるとコスチュームがレッドからブルーに変わっていた。

おお〜っ!わかりやすい〜!

強く変身した仮面ライダークーガにより悪の軍団は滅びた。

なんてわかりやすい筋立てなんだ。それに観客と一体になり盛り上がりもある。

所要時間は約30分、ずっと立って見ていたけど、全然退屈しなかった。

芝居はやっぱりこうじゃなきゃね。

 

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