永遠の愛

 
「どんな愛でも3年で終る。」と友だちが言った。

それを聞いたときはショックだった。しかし反論できなかった。

どれほど好きになってもその気持ちは永遠には続かない。文字どおり身を焦がすほどの想いも今もなお続いているわけでもない、それがなによりの証拠。

どれほど想い、恋焦がれていてもその気持ちは褪せて、いつしか相手に失望し、また自分も相手を失望させていく。

その気持ちはまるで生き物のように成長して老衰し死んで行くのだ。

まさしく3年が寿命の生き物。

それがわかっていてもその生き物を人は心の中に飼わずにはいられない。

それが死ぬときには耐え難いほどの傷を残すというのに、性懲りもなくそれが永遠に続くことを願い、またはたとえひどい傷を負うことになってもそれがすぐに死に絶えてしまうことを祈ることもある。

わたしは・・・

そんなことはありえないとわかっていても、心の中では友だちの言葉を肯定しながらも実は、永遠に続く愛を待っているのだ。

本当は自分でも気付いていることをストレートに突きつけられたからショックを受けているだけ。

しかし矛盾しているのだがそれでもなお、まだ「永遠の愛」があるかもしれないという一縷の望みは捨てられない。

どこかに、一生涯愛し合える人がいるかも知れない、いつか巡り会えるかもしれないと思ってしまう。

とことんバカなやつです。

 

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