またも児童公園での思い出。児童公園の1番奥にブランコがあった。
幼稚園前の幼いわたしはブランコにひとりで乗ることは禁止されていたのだが、その日は父親が一緒だった。
しかしわたしの父親はぶらんこの側のベンチにすわっているだけ、ブランコを押してくれたりはしない。
わたしは一生懸命ブランコを漕いだ。
キイッ、キイッ、キイッ・・・
すごい、すごい、楽しい〜!
そのとき、ふとわたしは考えた。このブランコの鎖から手を離して乗れるのかな?もしも手を離しても乗れたら、ブランコに乗ったままもっといろいろなことができるかも!
できるかな?やってみようかな?ブランコの板の上でうまくバランスを取ればなんだかできそうだ。
ブランコを漕いだまま手を離してみた。
それからは記憶がない。
父親の話によれば、いきなり顔面から地面に落ちていったらしい。救い起すと、額の真中にまるで大仏さまのように石がめり込んでいたそうな。
病院に担ぎ込まれて何針か縫った。いまでもそのときの傷が残っている。
どうしてこんなことになったのか親に尋ねられて、思ったことを正直に話したら、えらく怒られた。
ブランコを漕いでいて手を離したら落っこちるに決ってるでしょ、って言われても・・・やってみなきゃわからないやん、そんなこと。
そう言い返したかったが、現実におでこが痛いので黙っていた。