盆に墓参りに行った。
墓地の横に池があり、その池は墓地のすぐそばなので、普段も魚釣りをする人がいなくて大きな魚がいつも悠々と泳いでいる。その池で、盆のまっ最中に釣りをしているお爺さんがいた。
年齢は70歳近くで、小太りで髪は真っ白、麦藁帽子を被り、手には太い釣竿を持っていた。(わ。盆なのに殺生している。)
盆のときは殺生をしてはいけない、子供のときも虫採りや魚採りをしてはいけないと言われていたのに、いい年の人がどういうわけでこの墓地の横の池で、堂々と釣りなんかしているのだろうか。
当然のことだが、墓参りに来た人たちはみんなじろじろと見ていた。時々お爺さんは竿を上げて釣り糸の位置を調節している。
何度目かに竿を上げたとき、釣り針の先にぶら下がってる大きなものが見えた。(え?タコ?)
まさかタコが釣れるなんてことはあるまい。
しかし、それはスーパーで売られている茹蛸のような大きさで、釣針の先にぶら下がっていた。よく見るとそれは生きたカエル(食用カエル)だった!!
(ってことは、このカエルは餌ってこと?!このおっさん、何を考えてるんや〜。)
足元には信じられない大きさの玉網も置いてあった。
巨大な魚が釣れたとき、竿だけでは魚を上げきれないので、そのときにこの玉網ですくうのであろう。
このお爺さんはこの大きな食用カエルを餌にするような巨大な魚、池のヌシでも釣る気なのだろうか。盆の暑さ以上に異常過ぎる出来事だった。