初めてのサビキ釣り
 

 

 

日  程      平成16年9月4日(土) 日帰り

費  用      入園料(1日) 500円×2人

           駐車料金 400円

           えさ代 500円×2つ

行  先      和歌山雑賀崎 親子つりパーク

メンバー      みいちゃん 吟遊詩人

            

 

 

すっかり魚釣りの虜になったみいちゃんとわたしは、次はアジ釣りに挑戦することにした。

貸し竿ではお金も使うし気を遣うというわけで、マイ竿を買おうということになり、会社帰りにふたりして幹線道路沿いにある釣り道具チェーン店に釣竿を見に行った。

店内に入ってびっくり。
あまりにもたくさんの竿や釣針、もろもろの備品(名前もわからない)が所狭しと並べられており、選ぶどころではない。

仕方ないのでカウンターにいた店員さんに選んでもらった。

「わたしたち、魚釣り初めてなんですけど、アジ釣りたいので、釣竿とか選んでもらえますか?」

店員さんはいい人だった。
バカ高い釣竿を勧めたりせず、店頭に置いていた特価品の釣竿をもってきた。安いけどカーボン製だし、ちゃんとリールも付いていた。
それからサビキ釣りの釣針。これは1本の糸に何本もの釣針が付いていて、一気に何匹も釣れるようになっているものだった。
う〜ん・・・サビキ釣りって強欲なわたし向きの釣りだね。
予備のサビキ釣りの針、普通の釣針、釣った魚を入れる携帯用のバケツなどを買っても合計でひとり3,500円ほどの支払いだった。

「安い・・・。」
「借りるのバカみたい・・・。」
3回魚釣りに行けば、元を取れるような安さだった。

 

前日の夜は例によって興奮してあまり眠れなかった。
今度の釣り場は和歌山なので、わたしがみいちゃんの家まで行き、そこからみいちゃんの車で行くことになっていた。
早起きしなければいけなかったから、結果的に睡眠不足だ。
1週間の疲労も蓄積したままである。

みいちゃんの家には6時半くらいに着いた。
荷物を積み替え、出発。
天気はいいあんばいに曇り。
それほど暑くもなく、雨でもない。ラッキーだ。
途中コンビニでおにぎりを買い、一路和歌山雑賀崎を目指す。

みいちゃんが運転し、わたしは助手席でナビゲーター。
みいちゃんの車にはナビも付いていたから、ちょっと迷っただけで(迷うなよ〜)ほどなく到着。

雑賀崎の港街の風景は、まるでイタリアのシチリアを思わせるものがありました。
(シチリアに行ったことはないが・・・)

今回の釣り場、「雑賀崎親子釣りパーク」は入り江の中にある設備の整った釣り場で、バーベキューコーナーまである。
インターネットであらかじめ調べていたので、今回はみいちゃんが持っているバーベキューコンロ持参である。
楽しみや〜。

雑賀崎親子釣りパーク

バーベキューの用意は車に残していたのに、今回もずい分の荷物だった。
駐車場から既に多くの人が釣りを始めている釣り場まで、エンコラエンコラ荷物を運ぶ。
ようやく釣竿を手にした時は既に8時半を過ぎていた。

しかし・・・まだここからが大変だった。
なぜなら、わたしは釣竿を買ってそのまま車に積みっぱなしで値札も付いているような状態、みいちゃんは包装を開けていたからわたしよりはマシだが、ただマシというだけで、ふたりとも釣竿、リール、浮き、針等のパーツを手にしたまま先に進まない。

ここでいつもならおじんキラーのわたしが近くのおじさんをたらしこんで(と言うのはちょっと言い方が悪いが)助けてもらうのだが、どういうわけか今回、隣にいたおじさんを射止めたのはみいちゃんだった。
さっさとおじさんに釣竿をセッティングしてもらい、わたしはと言えば、まだその時点でリールをさかさまに竿に付けていた。がぉ〜。

い、いかん・・・パッケージも開けていなかった分、出遅れたよ〜。
みいちゃんのセッティングを終えたおじさんを捕まえて、結局わたしの竿もセッティングしてもらった。
不足の備品があったのだが、おじさんがくれた。
魚釣りする人たちってみんないい人なのかも。(勝手な分析で終わらせる。)

そんなこんなで、準備だけで30分以上が過ぎ、そのうち曇っていた空が晴れてきて、信じられないような暑さになってきた。
帽子は被っていたがひさしがそれほどないものだから、暑さがモロである。
はじめは軍手をはめていたが暑いし、釣針に引っかかったりするのでいつの間にか脱ぎ捨てた。(というか、軍手は釣れたアジを掴むとき手が傷つかないようにするためにはめていたので、アジが釣れなければ、はっきり言えば要らん。)
顔からはダラダラと汗が流れ落ちる。
この前買った、サングラスを持ってきてよかった。サングラスなしじゃ、まぶしくてやってられないだろう。

それにしても釣れない。浮きが全然動かない。
雑賀崎の魚たち、死滅してるのかと思うほど、全く引きがなかった。
お昼近くになってようやくわたしの浮きに微かな反応が!

やった!!

「釣れたーーーっ!」

リールを巻き上げると針先に5センチくらいの魚がピチピチ跳ねていた。
さっきのおじさんが「鰯や〜!!」と叫んだ。

地面まであと10センチというところで、いきなりボチャン。さいなら〜。
鰯は逃亡して行きました。

く、く、くやし〜。

そこからまた静かな時間が続いた・・・。
ようやくみいちゃんの竿に反応が!!

みいちゃん魚をゲットぉ〜!!

しかしその魚も水面ギリギリまで抵抗した甲斐あって、逃亡して行きました。
魚の種類すらわかりません。

 

1時過ぎまでふたりして粘ったが、結局全く釣れず仕舞いだった。
仕方ないので、お昼にしようということになり、釣道具はそのままにバーベキューの用意を車に取りに行った。

バーベキューのエリアは有料で、場所を借りるだけなら600円。炭やら網やらの道具一式も込みなら2,000円くらい。
みいちゃんがバーベキューのコンロやら材料を用意をしてきてくれた。
わたしは炭を持って行った。

みいちゃんのバーベキューコンロに炭を入れ、新聞を入れて火を熾したが、全然炭に火が点かない。
おかしいな〜、炭には着火剤付きって書いてあるのに何故に点かんの??
みいちゃんが持ってきた着火剤の小袋を使っても、まだ火が点かない。
新聞を丸めて突っ込んだり、かれこれ40分は同じ作業を繰り返したが、全然炭に日がつかない。
お腹はペコペコ、炭に火が点かなければ、何も食べられない〜!!

だんだん腹が立ってきた。
こんなヘンな炭を買ってきた自分を呪い、着火剤を1つしか持ってこなかったみいちゃんを恨んだ。

精も根も尽き果て、仕方ないので管理事務所に火を熾す手段を求めて行くと、着火剤を2つくれた。
神様や・・・。
命の着火剤を使って火を熾す。
今度こそ、点いておくれ〜。

ボーボーボー!!
勢いよく火が、着火剤が燃え、そして消えた・・・。万事休す。

 

仕方なく、持ってきた炭は諦め、バーベキューの道具一式(炭も込み)を借りることにした。
ムカつくが・・・。
管理事務所に行くと、(またあなたですか。)という顔されたが知るもんかよ。
事情を説明して道具を借りようとすると、なんとあくまでも自分たちで炭は熾すらしい。
そんな〜!!火が熾せないから、わざわざお金を出して道具を借りるのに!!

炭だけ買った。関西人は無駄なお金は使いません。
炭の箱を持ってバーベキューコーナー向かって行くと、引き続きみいちゃんがコンロの前で背中を丸めて懸命に団扇であおいで火を熾しているのが見えた。

「ちょっと火が点いたみたいやったけど・・・」

炭は全然熾っている様子はなかったが、試しにマッチで触ってみると火が点いた。
どういう状態なのかいまいちわからないが、火が点いていることは確かだ。
買ってきた炭を入れ、新たにもらってきた着火剤を追加して懸命に交代であおいだ。

ゴーゴーゴー。

ようやく火が点いた。
炭熾しの作業を開始してから1時間以上が過ぎていた。
ふたりともヘトヘトになっていた。
火力はすぐに強くなり、みいちゃんが持ってきてくれたバーベキューはジュウジュウ焼けた。
最高に美味しい!!
みいちゃんはお肉も奮発してくれて霜降りを持ってきてくれた。
朝から疲労しまくっていたので、ジューシーなお肉の脂が胃袋に染み渡った。

ありがとう、みいちゃん!!

やっと網の上に並べることができたバーベキュー。

 

当初の計画では、朝から午前中でアジを50匹くらい釣り、お昼にバーベキューを食べた後に帰る予定が、何もかも予定通りに進まず、魚も一匹も釣れないのがムカつくので、午後からも釣りを続けることにした。
(午後と言ってもバーベキューを食べ終わったときは3時前くらいになっていた。)

午前中に釣っていた場所から移動して、バーベキューコーナーの場所でそのまま釣ることにした。
有料の場所なので他の釣り人がほとんどおらず、仕掛けを投げ入れるのも回りを気にせずに出来る。

しかしここでも海はあくまで静かだった。
魚たちはどこか遠いところに団体旅行に出かけていた。
まるっきりアミエビを海に撒いているだけだった。

5時近くなり、日が暮れ始め、ようやく陽射しがマシになってきたと思っていたらポツポツと雨が降り始めた。
ボウズのままのわたしたち。
ふと手元を見ると、手首から先がものすごい色だ。
ぎょえーーーー!!
日焼けしている!!

時計の跡がくっきり。
顔も同じ色です。

今まで釣りだの、炭熾しだのに夢中になっていて、全然気づかなかったが、異常に日焼けしていた。

「うわっ!すごい日焼けしている!!」

わたし手を見て、みいちゃんも驚いていた。
「顔もすごいよ〜。」

わたしは日焼けについての考えが甘過ぎた。
いつもの調子で日焼け止めを塗っていたが、汗で化粧が崩れるのが気持悪いのでファンデーションは付けていなかった。
頼みの綱の日焼け止めも、猛烈な暑さで汗で全部流れ落ちていた。
帽子には小さなつばがあるだけだった。
つまりスッピン状態で、ほぼ一日中、顔にガンガン日光を浴びていた。

みいちゃんはというと、みいちゃんは普段からアウトドアスポーツをやっているので、日焼け対策は万全だった。
手首までの長袖のシャツ、化粧崩れがものすごかったが、ばっちりファンデーションを顔に塗り固めていた。
だからあまり日焼けしていなかった。

わたしだけ、わたし一人だけが、手首から先はまるで焚き火に手を突っ込んだようになっていて、顔はというと発情したマントヒヒみたいに真っ赤だった。
何を言おうがどうしようが、もうなすすべもなかった。

 

その夜、インターネットで日焼けの応急処置について検索しまくり、ビニールに入れた氷で顔面を冷やし続けたが、今更もうあとの祭りである。

会社ではあまりの日焼けにみんなに仰天され、鼻の頭が異様に赤いので、風邪引きと間違えられた。

そしてさっき、とうとう鼻の頭の皮がむけた。
もう女として終わったな・・・。

 

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