天橋立の見学が終わり、いよいよ丹後半島一周のドライブだ。
まずは伊根湾一周の遊覧船に乗るべく、伊根を目指す。
途中でお昼となったが、田舎道で食事をするような店があまりない。
どうしようかと考えていると、母が「夜はまたいっぱい食べるんだから、お昼はあまりいっぱい食べんとこ。」と例によってヘンな論理を述べ、結局途中のスーパーで買ったサンドイッチとなった。
またか〜なんかお昼はロクなもん食べてない、なんかビンボー臭い旅。
でも店もないのでどうしようもない。
遊覧船乗り場は、平日ということもあり、たいして混んでもいなかった。
30分おきに船が出て、だいたい30人乗り、所要時間30分くらいで伊根の舟屋を海上から鑑賞する。
船に乗ると何故か船内でかっぱえびせんの小袋が売られていた。
船が出発すると、すぐ、カモメととんびが船を取り囲むようにして、飛んできた。
それも半端な数じゃなく、半端な近さじゃない。
顔のすぐ横に、手を伸ばせばととくような距離で飛んでいる。
そのとき何かがわたしの顔の横をかすめて行った。
船のデッキでわたしの横に立っていたおじさんが、手にしていたかっぱえびせんを空中に放り投げたのだ。
そしてそのえびせんを、見事カモメが空中キャッチ。
そのほかの乗客も次々にかっぱえびせんを放り投げるので、船の周りはえびせんを目掛けて飛び回るカモメたちでいっぱいだ。
とんびはえびせん争奪戦に出遅れていた。
舟屋や緑が美しい青島の景色を眺めるハズが、頭の横をかすめ飛ぶカモメのことがやたら気になり、とてもそれどころではなかった。
しかもそのカモメたちのすごいところは、船が行程の半ばまで進んだとき、一斉に船から離れてまた港に引き返して行ったことだ。
その頃には、既にわたしたちの船の乗客が持つえびせんも底を付き始め、しかも次の遊覧船がまた出発するわけで、当然次の船の乗客の方がたくさんのえびせんを持っている。
そのえびせんの多い遊覧船が出発するまでに港に戻っていくわけである。
か、賢い・・・。