ヤドカリの話

我が家のシェルダー(またはヤドラン)我が家には、ヤドカリが2匹いる。家族の者はヤドランとカリン、あるいはシェルダーとパルシェンなど適当に好きに呼んでいる。

このヤドカリは、オカヤドカリといって日本のその辺の海辺の潮溜りにいるホンヤドカリと呼ばれるものとはチト違って陸で生活し、海水も必要としないので飼いやすいのだ。エサも人間の食べるものでO.Kなんである。

オカヤドカリは、もし日本産なら天然記念物に指定されており、採ってはいけないヤドカリなのだけれど、お祭りの夜店やペットショップで売っているのは大抵このオカヤドカリ。外国産のものが輸入され売られているらしい。ちなみに、うちのヤドランとカリンは、高速道路のサービスエリアでなぜか鈴虫と並べて売られていたものである。

実は、この夏休みに淡路島に家族旅行に行ったのだが、行きしなに寄った中国道の名塩サービスエリアで最初に見つけ、息子が欲しがったのだが、なにしろこれから旅行に行くのだから買うわけがない。おまけに、その時点ではそのヤドカリがオカヤドカリとは知らず、「今から海に行くねんからヤドカリは自分でつかまえたらいいやん。バケツ持ってきたし。」なーんて言ってたのである。

ところがどっこい、磯に行ってみるとサービスエリアで見たような食用のサザエのからほどの大きなヤドカリはいない。それにどれもが水中にいて海水ごとでなければ干からびて死んでしまいそうだ。なんだか違う。サービスエリアにいたのは乾いたジャリの上にいて、えさも鈴虫と同じくナスの切ったのが与えられていたのだ。子供には「ここにいるヤドカリはまだちっちゃいし、きっと子供のヤドカリやで。家に帰るまでに死んじゃうかも知れへんからかわいそうやし止めとこ。そのかわり帰りにまだヤドカリ売ってたら買おな。」と言い聞かせ、「いややー!自分で採ったの持って帰るー!」と激しく抵抗されながらもなんとか帰路についたのであった。

ちびのパルシェン帰りは行きとは違うパーキングエリアで休憩したのだが、やはりヤドカリは居た。息子が目敏く見つけてしまったので買わざるを得ない。サザエほどのとその5分の1くらいの小さいのと2匹で980円、税込みで1029円也。ケースに貼り付けてあった「ヤドカリの飼いかた」のメモをみて初めてそれがオカヤドカリというものであるとわかった。

帰ってきてよくよくみるとなんとも愛敬のあるひょうきんな顔!目がよく見えるらしくちょっと近づくとシュッと殻にひっこんでしまう。でも、またそお〜っとこちらの様子を見ながら出てきて害がなさそうならそのまま隠れずに触覚をちろちろ動かしながらその愛敬たっぷりの目でじっとこっちを見つめるのだ。

大きい方のヤドランはなんと体がブルー。息子は買うときにそれが気に入って決めたのだが、なかなかどうして素敵な色でわたしも気に入ってしまった。

家にある図鑑をみてもホンヤドカリについてはたくさん書いてあるのにオカヤドカリについては少ししか書いていない。インターネットなら山ほど情報があるだろうと思ったけれどこれが意外にもオカヤドカリに関するものは非常に少ないのである。日本語のサイトでは「YAMADA,Y. こんにちは in YOKOHAMA」     が私が探した限りでは唯一飼育方法など書かれたホームページである。(もっとオカヤドカリについて詳しい情報が得られるサイト知っている方、ぜひ教えて!)ヤドカリに興味のある方一度ご覧になってみては?(きっとヤドカリを飼いたくなるゾ!)

図書館で調べてもホンヤドカリについてはいっぱいあるのにオカヤドカリについてはあまりないのだ。なんでやろ??

まあ、情報は少ないながらも飼い方は難しくないので大丈夫。ケースに家の横から取ってきたジャリを洗って敷き、ジャムびんのふたをふたつ用意し、ひとつに水道水、もうひとつにエサをいれている。エサはごはんつぶ、りんご、キャベツ、ハンバーグのかけら、とうもろこし、蒸しイモ、だしじゃこ、わかめetc.etc........。何でも食べる。好き嫌いや日によって食べたくないものはあるようだがごはんつぶとだしじゃこのあたまはコンスタントに食べているようだ。

息子も愛敬のある顔にますます気に入ってよく遊んでいたのだが、ある時不用意にはさみの射程距離に指を出したからさあ大変!南方育ちを象徴するオカヤドカリの大きな左側のはさみで先っちょを挟まれてしまったのだ。

どんなにこじあけようとしても水につけても(すっぽんか、それは.....)ハサミは開かない。「痛いー!」と叫ぶ息子の指先が黒ーくにじんできた。血豆だ。なんて痛そうなんだ。そのうちやどかりが油断したすきに(ホンマか?!)引き離すことができたが人差し指のさきに直径5mmほどの血豆ができてしまった。もう1ヵ所表面を挟まれたところは皮がむけてしまっていた。おそるべし、ヤドカリ・パワー!

それ以来、息子はあれほど気に入っていたヤドランを嫌いになってしまった。これからヤドカリを飼ってみようと思っている皆さん、ヤドカリのハサミには十分気を付けよう。

オカヤドカリは南国育ちで寒さには弱いらしいのでこれから冬越しをさせるには一工夫いるらしい。息子の指をはさんだにっくきヤド君ではあるがせっかく飼いはじめたのだから長生きして欲しい。ペット用のホットカーペットのようなのがあって暖めてやるといいらしいのだが、なにかもっと安上がりな方法はないか思案中の今日このごろである

(1998.10.7)このつぶらな瞳!でも油断すると痛い目にあうのダ


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