オカヤド再び

去年(1998年)の8月にはじめてムラサキオカヤドカリと出会って1年、1匹はほどなく死んでしまい、もう1匹は2回の脱皮と冬越しを無事すませたものの、今年の7月31日に死んでしまった。空っぽの飼育ケースがなかなか片付けられないまま、もう飼うのはやめようと決心したり、やっぱりもう一度と思ったりとかなり悩んだが、結局、販売シーズンの終わりかけに再び5匹のオカヤドカリを迎えた。もう一度飼うことにしたのは職場近くの郵便局に行ったら、窓口の横にオカヤドカリがいたから。

それはたった1匹のうちのオカヤドが死んでしまってから2日後のことだった。いつも行く郵便局はとても込んでいるのでちょっと気分をかえて違う郵便局に行ったら、なんとムラサキオカヤドカリが水をじゃぶじゃぶに入れた飼育ケースに入れられて私を待っていたのだ。そしてその横にふるさと小包「ヤドカリの飼育セット」の振り込み用紙が置かれていた。

「あーこれがうわさに聞くゆうパックでやってくるヤドカリかー」と気が付いたが、水がたくさん入っていて、オカヤドたちはみんな橋の模型の上に避難しているのが気になって仕方がない。ついに窓口のお姉さんに「これ、お水じゃなくて砂を入れて飼うヤドカリなんですよ」と話しかけてしまった。小さい郵便局で、しかもお客さんは私ひとりだったので他の窓口にいたお姉さん(おばさん?)たちも寄ってきて、「ヤドカリ飼ってはるんですかー?」と話しが盛り上がりだしたのだった。

4人いたお姉さんたちはみんなオカヤドをかわいがっていて、まめにケースの掃除やヤドカリをシャワーで洗ってやったりしていたらしい。それと、「すぐに死んじゃうよーって聞いてたのに、もう2ヶ月も生きてる」なんて言うので、ちゃんと暖かくしてやれば冬も越せるし、脱皮もするし、何年も飼っている人だっているし....と私はついつい解説モードに入ってしまったのであった。その話を聞いて、ひとりのお姉さんが「じゃあ、秋になったら(ふるさと小包は8月いっぱいまでなので)私が引き取って飼おかなー、ヒーターと貝殻準備しなあかんねー」とうれしい事を言ってくれた。本当にちゃんと飼ってね、お姉さん(おばちゃん?)。

それにしても今まで長い間生きてきて、郵便局でヤドカリを見たのははじめてで、それが自分ちのヤドカリが死んでしまった2日後なんて、 なんか偶然すぎる気がして仕方が無かった。これはきっと私にヤドカリを飼いなさいということなんじゃないかと思いませんか?
ま、そういうわけで夏休みのお出かけが一通り終わったらふるさと小包を申し込もうと決心し、8月の終わりに新しいオカヤドカリたちがやってきたのだ。
小ケースに6匹のオカヤドカリが入っていて、1匹はすでに死亡。残る5匹も足がとれていたり、目に傷があったりと故障が多かったけど、まあ、ごそごそ動き回って元気はいいようだった。

オカヤドカリはさみしがりなのか、よく群れている。時には向かい合って触覚をちろちろ動かし、何か話でもしているようだ。死んじゃった前のにも仲間を作ってやるべきだったかと今になって後悔。ごめんね。新しい仲間たちが出来るだけ長生きできるようにがんばらなくっちゃ。オカヤドカリ見聞録に新しい仲間たちの話しもおいおい出てくることになると思うので (ホントか?)乞うご期待!

(1999.9.5)

雑記帳目次に戻るホームページに戻る