オカヤド脱皮!

1998年12月23日夜、いつものようにオカヤドカリの様子を見ようとのぞき込んだ私は、異様なものが砂の中に埋もれていることに気がついた。

ハサミだ!そう、それはオカヤドカリの左側のハサミだった。ハサミだけがちぎれてそこにある!なんてことだ!一匹しかいない大事なヤドのハサミがちぎれているってことは、もう彼は(彼女かも知れない。未だ確認できてないもんで)..........。

ここんとこ全然元気がなくて、12月4日に砂にもぐったきり全く出てこなくなってしまっていた。もう、20日間何にも食べず、一体どうなってるんだろうと気をもむ毎日であった。掘り出してどうしているのか見たかったけど、もし、☆だったらすごくイヤだし......、それが怖くて掘り出すのは我慢していたのだ。

ちぎれたハサミに気付いた後は必死だった。ヤドカリがもぐった所の砂を掘ると貝殻のそばにもう片方のハサミ、足などがばらばらと見つかった。一生懸命ピンセットでつまんで集めた。が、集めながらふと、気が付いた。あれ?貝殻の中にハサミが見える。おやおや?

貝の中にちゃんとヤドカリがいるではないか!ちょっと白っぽいけど間違いなくうちのヤドだ。
そう!バラバラ死体と思ったのは脱皮殻だったのだ!

その瞬間から、もう、うれしくてうれしくて!(ちょっと踊ってしまった)

「ヤドが脱皮した!ヤドが脱皮したよ〜〜〜〜〜〜!」と騒ぐ私の声にダンナや子供たちも「どんなん、どんなん!」と寄ってきた。そして、バラバラの脱皮殻を見て、「えー、これ死んでんのちゃうの?」と信用しないのだった。

しかし、それも仕方がない。私も勘違いしたが、その脱皮殻は全然それらしくないのだ。
今までに見たことのあるセミやカブトのさなぎなんかの抜け殻とは違って、生きているヤドカリそっくりそのままのような外観で、中身が無いようには見えない。透き通ってないし、ふにゃふにゃでなくて堅いし、ただ、ちぎれて取れてしまったかのようなのだ。

おどろきとうれしさで動転しながら撮った写真が(←)これ。これには、写っていないけど、細い触覚の抜け殻もちゃんとあった。

ヤドカリは脱皮殻を食べると聞いていたので、記念撮影した後、また、もぐっているヤドのそばにもどした。
今日で、脱皮後約1週間、生きているとわかったので安心してヤドを砂から出してみることがてきた。白っぽかった体は、もう、あざやかな青紫に変わっている。持ち上げると、「おっとっと」と足をばたつかせる様子も元気そうだ。良かった!脱皮殻は足の先の方が2つとハサミの一部が少し残っていたが、後は無くなっているようだ。もぐったきりだったけど脱皮殻を食べていたのだろう。なんか、この勢いで冬越しもできるような気がしてきたぞー!

がんばれー!オカヤド!

(1998.12.29)


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