オカヤドカリは玩具じゃない!!

私のホームページのタイトルとも非常に紛らわしい『ハーミーズクラブ』という商品について早く何か書こうと思いつつ、今頃になってしまいました。この『ハーミーズクラブ』という文字を見ると私が真似したみたいで本当に困ったものです・・・。すっかり遅まきに徹してしまい、言いたい事はもうあちこちで書いてくださっているのですが、やはり一筆(というには長いですけど・・・)書く事にしました。

おもちゃのトミーより2004年7月に発売された「ハーミーズクラブ」は、オカヤドカリの飼育セットです。
小さいプラスチックの虫かご(いわゆる小プラケ)にビニール袋に入った少量の砂とやしの木のおもちゃ、ビニールに入ったヤドカリのエサ少々、2枚の貝皿、それにオカヤドカリ1匹がブリスターケースと呼ばれる小さいパックにスポンジ(その後、木屑に変更)と共に入れられ、虫かごに他のパーツと同じように入れられているものです。

トミーでは6月のはじめころ、すでに試験的に販売をしていたようですが本格的に発売したのは7月に入ってからです。
当ページのBBSにいろいろな情報が届き、その惨状はあまりにも悲惨。
その様子はBBSの過去ログをごらんになってください。

「あれはひどいよ」という話をさんざん聞いた後でも、実際に自分の目で見たときは愕然!あまりの様子に悲しいやら腹立たしいやら、もうなんともいえないたまらない気持ちになりました。

私が行った店では、やはりブリスターケースに入って縮こまったヤドカリがいました。そして「うちではおもちゃとして扱っています」「トミーからエサをやってはいけないと言われています」「小さいパックから出すと商品価値がなくなるからダメなんです」と店員が明言しています。こっちがいくらこんな扱いは生き物としての扱いじゃないと訴えても、まったく受け付ける様子も無い。
しかも、「何で生き物なのにえさをやってはいけないのか?」とたずねると答えがイケテマス。
「どんどん大きくなってケースに入らなくなるから」だそうな!!!!
そんな恐ろしいスピードで成長するお化けヤドカリご存知の方、ぜひご一報下さい。お待ちしてます。

ウワサ通り、生き物であるオカヤドカリを全く生き物として扱っていない。
販売会社がおもちゃの会社ならオカヤドカリもおもちゃになってしまうのですね。
ひどいところでは小さい透明パックに入れられたままスポンジもぬらさず、ヤドカリのミイラを製造している状態・・・。貝から出て死んでいるもの、虫がわいているものなども見たという方もおられます。
さらに売っている店員が「え?生きたヤドカリが入っているんですか?」とおどろいたというあまりにお粗末な店もある。

さて、私の話に戻りますが、そこの店員といくら問答しても埒が明かない。
あまりのことに即刻トミーに直接苦情電話をかけました。
すると、「トミーからはそんな指示(エサだめ、ブリスターから出すのだめ)をしていない。ブリスターケースは移動中のヤドカリの保護のためである。そのまま売る事も可能だとは言ってるがそのまま売るようにとは言っていない」とのこと。
さらに「現在ヤドカリをブリスターケースに入れるという方法を改良しているところだ」という話だったけれど、その後、改良品として出された商品はスポンジの代わりに木屑が入っているだけ。一体何を考えているのか。
「ヤドカリさん(なんと「さん」付け!)が一番快適な状態でいられるように考えています」とはよく言ったもんだ。

翌日、苦情係のお姉さんから電話がかかって来た。
何事かと思ったら「商品の交換はしなくてもよろしいですか?」
はぁ〜〜?何の事?どうやら昨日の苦情電話、購入したハーミーズクラブが死んでいたからブチ切れて電話してきたとでも思ったらしい。そんなことこれっぽっちも言ってないのに。
「私は買ってません」って言うとすご〜〜〜くおどろいた様子(電話の向こうだけど)。
買いもしないで文句言ってくるなんて!!!っていう雰囲気が漂いまくっておりました。

確かにすごくかわいそうで買って上げなきゃいけない気持ちにもなったけど、可愛そうに思わせて買わすってどういうこと?可愛そうじゃなくて、可愛いから買いたくなるようにするのが本当でしょう。
ロフトや東急ハンズでは、トミーからの指示ではなく、生き物を扱うに当たって独自で勉強され、オカヤドカリにとってなるべく快適な状態で販売する事をこころがけておられる店舗もあります。(当HPを参考にしてくださっているということも聞きました)
また、多くのオカヤドカリ愛好家の努力のおかげで少しずつ末端の店舗での状況は改善されつつあります。私たちオカヤドカリ愛好家がトミーの尻拭いをしている状態です。手伝いをするのは不本意だけど放ってはおけない・・・。弱っているヤドカリを見たら救済のために買ってしまう。トミーはますます繁盛するという寸法・・。オカヤドカリ愛好家は皆優しいのです。それをいいように使って、ますます腹が立ちます。
どんなに販売店が努力して改善したところで、トミー自身は何にも変わらないというのに。


細かい事は書きませんが、トミー側の関係者A氏(その時はトミーとはわからなかったけど)から発売前に私にコンタクトを取ってきた事があります。今から考えると、どうやらオカヤドカリに関しての情報を書いたページとして当HPが役に立つと認めていただいたらしく(なんてありがたいことでしょうね)、トミーのHP内にハーミーズクラブのページを立ち上げるにあたり、当ページを利用(黙ってやれば盗用)しようという考えだったようです。
(結局、私が協力できないと言ったためHPを盗用されることになりましたが、いろいろあって現在その部分は削除されています)

さて、そのA氏の話によればハーミーズクラブを企画した趣旨はすばらしいものです。
子供たちに生き物を飼う楽しみを与え、慈しみの心を持ってもらうことや、パートナーペットとして末永く飼育してもらいたいということ、さらに宿替えの不思議をカラフルな貝殻でさらに楽しんで体感して欲しいとのこと。
さらにさらに、店頭の担当者教育や、購入後のケアについてもお客様相談センターやHPにて行うと力強いお言葉。


これらが全て大嘘であることは実際にお店でハーミーズクラブの現物を見られた方ならわかりますね。

あのセットが生き物を大事にしようという慈しみの表れですか?
末永く生きて欲しいヤドカリを拷問してどうしますか。
反面教師で「こんなふうにしたらヤドカリが弱っておなかが空いて干からびて死んでしまうからダメなんだよ」と教えてくれるつもりなんでしょうか。
宿替え用のハデハデペイント貝はどれも大きすぎてアレに引っ越すまでに何度脱皮をしなければいけないのか。
そのためには何年元気で長生きさせる必要があるのか。あ、そうかトミーではポップコーンでどんどん大きくなるって思ってるからあの貝をセットしたんだ!そうかそうか。・・・全くバカげてる。
それに各店舗での店員の実態。 すばらしい「店頭の担当者教育」です。
これらのことについては、HPの盗用の件と同時に訴えましたが、こちらに関しては一言も回答はありませんでした。
HP盗用は罰せられるからあわてて削除したけれど、販売に関しては、悪いことしてないってわけです。

うちも男の子がいますから、トミーのおもちゃにはずいぶんお世話になりました。
プラレール、もう、いとこの子にあげちゃったけどたくさんありました。
(お金使ってるんだからこっちがお世話したのかもしれないけど)
それが今回のことでやはりトミーのものはもう絶対買わない!と言ってます。
もう6年生ですから、お店でハーミーズを見たときも「僕が文句言ってやる!」と頼もしい事を言ってくれました。
小学生にも嫌われましたね。子供に見捨てられたおもちゃ会社なんていくら儲けてても哀れです。自業自得。

発売から2ヶ月。もう夏も終わりです。BBSにはちらほら見かけたという情報もありますが、なんてったって『夏の風物詩』ですから、実際は売れ残りが息も絶え絶えに臨終の時を待っているのではないでしょうか。今はブームに乗って、もともと体色変化の多いものを「珍しい」とか「1000匹に1匹しかいない」とか謳って高い値段をつけたり、もしくはオークション形式にして売る販売業者が商売繁盛で忙しくてホクホクの状態のようです。
この商売の仕方にもほとほと嫌気がします。
確かにクワガタやカブト虫もちょっと珍しい色や形をしていると値段が急騰。マニアにはとても珍重がられますが、いったん成虫になったらもう脱皮しないでしょ。ちょっと変わったカーブの角はもう死ぬまでそのままです。でもオカヤドカリはたとえ今赤くても、白くても、大きくなるにつれ、すでに大きい個体も脱皮するにつれ色は変化します(もちろんあまり変化しないのもありますが)。貝殻はカタツムリのように自分で作るのではないので、きれいな貝殻に入ってるとか、変わった貝(もしくはキャップなど)に入ってるとかで価値を量るのはもっとおかしい。

さらに、オカヤドカリはクワガタやカブトのように飼育下で簡単に繁殖できるものではありません。
大学の研究室で試験的に行われた以外、繁殖させた例は皆無です。
それも知らない人がほとんどじゃないでしょうか。
 ペットはほっとけば繁殖すると思い込んでる人がほとんどじゃないですか?
犬や猫だって虚勢手術をわざわざするし、ハムスターは増やしたくなければわざとオス・メスを一緒に飼わないようにします。カブト虫をペアで飼えば夏が終わる頃には昆虫マットの中にごろごろ卵が見つかります。
だからオカヤドカリだって複数で飼えば、勝手に増えると思ってるでしょ。違います?
そういうこともトミーは知らない。もし、知っていても知らないふりしてる。
大事な事は全部隠して、「飼育は簡単!」とほざく。
あ〜、全くまったくまったくまったく!!!!!!

文科省・文化庁には個人的に何を言ってもまったく知らん顔です。
これがまた腹立たしい。新聞に投書してみたけど、不採用・・。文才が無かったか。
どなたかメディアにコネのある方いらっしゃいませんか?
テレビか新聞にとりあげてもらいたいのですけど。
どうかそういう方おられましたら、ご連絡お待ちしております!よろしくお願いします。

(また書き換え・つけたしがあるかも知れませんが、とりあえずアップしときます)
2004.9