がんばれ!阪急電車のバイト君

毎日、電車に乗るのでマナーの悪さや親切にかける態度に腹の立つこともたびたびだが、その他にも、危ないことに無頓着な人や子供に思わず叫びたくなることもある。
実際におばあさんが線路に落ちて轢かれた現場や子供が戸袋に手を吸い込まれたのを目の前で見てしまったといういやな経験があるので、ホームの線路際に立っていたり、扉の近くに子供をひとりで立たせていたりするのを見ると「危ないでしょ!もっと離れて!」と服をひっつかんでひきずりたくなる心境だ。
駅員さんがいて、たまーに注意しているときもあるけれど、ほとんど見て見ぬ振りだし(危険だとおもっていないのかも?)、長いホームではほんのすこしの範囲しか手が回らない。

ところで阪急電車では乗降客の多い駅にアルバイト君(男子に決まっているらしい)をホームに何人か立たせている。ラッシュ時には扉からはみ出そうなサラリーマンの背中を押したり、発車のベルが鳴って扉がしまりかけのとき、乗ろうと必死に走ってくる人のために扉を開けてあげたり、また聞こえにくいアナウンスを大きな生の声で叫んでくれて、どの電車がどの駅まで先着だとか、どれが先発だとか教えてくれるのだ。どうもあのアルバイト君たちは鉄道ファンで、将来鉄道マンになりたい若者がやっているらしく、停車駅の案内など独特の節を付けて楽しそうに意気揚々とやっている。
さて、そのアルバイト君だが、先日、仕事帰りになかなか感心な青年をみかけたのだ。

いつものように電車が来るのを待っていると、どこかの私立の小学校の3・4年生とおぼしき男の子が2人、電車が来るから白線より下がってというアナウンスにも知らん顔でふらふら体をゆらして線路際に立ってしゃべっている。「あー!もう!あの子ら、さっさと線よりこっちへ来〜い!」とイライラして見ているおばさんが一人。私のことだ。もう、電車がすぐそこに来てしまって、まさに「アンタら!こっちおいで!」と首根っこつかんでひっぱろうかと思わず前進しそうになるところに「はい!そこ!線まで下がって!危ないよ!」と大きい声。件の子供たちも「えっ?」と声の方を一瞬見たが、まだ下がらず突っ立ったままだ。やっぱり私がと思ったところに「下がりなさいっていってるでしょ!早く!下がって!下がって!」再びアルバイト君の声だ。さっきより大きい。少年たちは仕方なく下がった。ほっとしたところに電車が入ってきたが、そこでまたさきほどのアルバイト君の声だ。「はい!電車に触らない!危ないよ!」見ると、また別の小学生が速度を落とした電車の車体に手を触れようとしているのだった。ホント、何考えてるんだ!お受験して私立に入ったのなら賢いはずでしょ!君たち!

そういえば以前見た、戸袋に手を吸い込まれた男の子もどこかの付属幼稚園に電車で通っているらしかったナ。すぐそばに母親がいたのに子供が両手を扉にぺったりついて外を見ているのに駅が近付いても離そうとしなかったのだ。母親に遠慮せず「危ないよ」と声をかけるべきだったかと今になって後悔しているが....。

まっ、それはおいといて、あの大きい声のアルバイト君、エライ!当たり前のことだけどなかなか注意しにくいものをガンガン言ってくれておせっかいおばさんはすっきりだ。ガンバレ!アルバイト君!
不注意な奴が事故に遭うのは勝手だけど、事故が起きるといろいろ迷惑ですからね。親は悲しむだろうし。危ないことは電車にかぎらずどこにでもあるから、あのアルバイト君のような人がもっとたくさんいて欲しいものです。(それ以前に皆さんもっと気をつけましょう。家でも学校でもちゃんと教育せねば!)

(1999.9.22)

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