私のアイドル!チューリップ
(注:チューリップのことをあまり知らない人にはチンプンカンプンの話です)


チューリップが大好きだった(わかっているとは思うが花の名前ではない。解散してしまったので一応過去形。ちなみに花のチューリップも好き)。歌は今でも大好きだ。

昨年、一時的に再結成して登場したときはホントに涙が出た。「あぁ、安部さん。前から細かったけどますますやせちゃってどうしたの?それに引き換え、姫野君(なぜかクン付けだ)ずいぶん貫禄でちゃって!」なんて、勝手にテレビにむかって話し掛けていた。

心の旅」が大ヒットしたのは私が小学5年生の頃だった。その頃かぐや姫の「神田川」もやはり大ヒットして、明星の付録の歌本に譜面付きで、ちょうど見開き左側が「神田川」、右側が「心の旅」となって載っていたことがあった。その後「夏色のおもいで」とか「銀の指環」がヒットしてチューリップは完全にアイドル・バンドとなりしょっちゅうテレビに出ていた。いつだかのレコード大賞大衆賞かなんか(そんなんある?)までもらっていた気がする。
しかし、この頃は、ファンであったのは確かだが、まだのめりこむほどではなかった。

チューリップが私のアイドル!となるのはそれより少し後、中学2年生のときだ。
偶然聞いたラジオで、チューリップはアリスとジョイント・コンサートをしていた。
前述の一連のヒット曲は全部姫野君(やっぱりクン付け)が唄っていたのだけれど、実は財津さんが唄う曲の方が多いのだとその時に知った。その頃、チューリップが出していたシングルは「風のメロディ」、アルバムは「MELODY]だった。(でも「MELODY]に「風のメロディ」ははいっていないのダ)

財津さんのおしゃべりが絶妙でわたしはずるずる引きずり込まれた。もちろん歌もとても気に入ってしまって、その後、私のお小遣いはほとんどチューリップに費やされることになった。自分の小遣いでまかなえないものは「今度の中間テストで平均○○点以上とったらLP買って!」と一応条件をつけてそれをクリアすれば買ってもらえることになっていた。しかし、条件は私がつけるのだから勝手なもんである。記憶では買ってもらえなかったことは一度も無い。うちの母もチューリップが気に入っていたようなので少々は免除してくれていたのかもしれない。

デビュー曲の「魔法の黄色い靴」までさかのぼって全部買い集め、「謎の財津和夫」(財津さんて変な人です)などの本も全部買った。実は、ファンクラブにも入っていた。(でも会員になると送られてくる背中にカタカナ紺字でチューリップと書いただけの白いTシャツはあんまり趣味がよろしくなかった。)

その後、メンバーのうち、ベースの吉田さんがやめ、ドラムの上田さんがやめチューリップはずいぶん雰囲気が変わった。すごく淋しかった。

好きな曲はやはり吉田さんと上田さんがいた頃のものが多い。

東大阪市に住んでいたので、コンサートが大阪や奈良であると必ず行った。実は、こっそり録音したことが2回ある。一度はGパンとおなかのあいだにテープレコーダーをはさみこんで持ち込んだ。もう一回はマンガ雑誌の中をテープレコーダーの形にくり抜き、そこに入れ込んで持ち込みに成功した。今なら小さくて性能のいいウォークマンがあるけれど、そのころのは結構かさばっていたはずなので、よくやったもんだと思う。(良い子の皆さん!真似しちゃダメよ)

しかし、コンサートをこっそり録音しても、あんまりいいことはなかった。録音が気になってコンサートに100%集中できないし、録音されたものは音が悪い。第一チューリップの歌声より自分の歌ったり叫んだりする声がたくさん録音されてしまうのだ。だから、それ以来録音するのはやめた。
コンサートには、トレーナーにフェルトでTULIPとアップリケしたのや(今思うとすごく恥ずかしい!)、チューリップ柄のワンピース(母が縫ってくれた。やっぱり今思うと恥ずかしい!)を着て行った。(前述のファンクラブのTシャツのことをあんまり偉そうに非難できる立場ではなかった.......。)

チューリップの中でも誰のファンかというのがその時々で違ってて、中学3年のときはギターの安部さんが大好きで、余程うるさく言っていたのか、クラブの後輩も私のことを「安部先輩!」と呼んでいたくらいだ。卒業記念のサイン帳にもみんなチューリップの絵や安部さんのことを書いてくれているのだった。ああ、なつかしいなぁ。

中学を卒業するときクラブで追いコンがあって、私がピアノを弾き、親友がギターを弾いて、2人で「青春の影」を唄った。それを聞いて感動した後輩がレコードを買いに行ったと後で聞いてすごくうれしかった。(でも、よくよく聞いてみると、マイクを使わなかったのでピアノの音が大きくて歌はもひとつはっきり聞こえなかったそうな。)その親友とはバンドを作ろうと盛り上がったものの実現せず、私たちが人前で唄った最初で最後の曲が「青春の影」となった。その親友が結婚するとき、披露宴で「青春の影」を唄わせてと言ってるのだけど、今だそのチャンスは来ない。(誰かいい人いませんか?) 

チューリップと同じ頃といえば、ニューミュージック花盛りでユーミン、オフコース、風、さだまさし、その他いっぱいすごい人たちがいる。サザンオールスターズが出てくるのはまだ少し後のことだ。(といってもサザンももうデビューして20年くらいのはずだから、今の中学生や高校生はまだ生まれてないのかと思うと全部リアルタイムで知っている自分がおそろしい。)

オフコースもサザンもかなり入れ込んでレコード時代のLPはほとんど持っている。(CDになってからなぜか買わなくなってしまった。) でも、やっぱり懐かしく思い出すのはチューリップなのだ。実は、このページのタイトル「私のアイドル」もチューリップの曲だ。

いろいろホームページを見ていると最初のページ(本来それをホームページって呼ぶんだよね)に「Welcome to my homepage!」なんてよく書いてあるけど(私もしかり)、これを見るたびにチューリップの「Welcome to my house」という曲を思い出してしまうのだった。チューリップが初めて英語ばっかりの歌詞で出したシングルなのだ。なかなかおしゃれないい曲でお気に入りの一つ。

再結成したチューリップのコンサートを衛星放送でやっていて、これが流涙モノで結構初期の曲を唄ってくれたのだ。ほとんど一緒に唄えることに驚いた。近頃のヒット曲は気に入ってもなかなか覚えられないのに、20年以上も前の歌は覚えているなんて!(やっぱり何でも若いうちにやっといた方が身につくんだろうな、語学とかサ)アコースティックギターだけで唄った「僕のお嫁さん」なんてホントに素敵だったー!

再結成というからどの頃のメンバーかと思ったら吉田さんがやめて宮城さんがはいった頃のメンバーだった。上田さんがいて、ものすごくうれしかった。上田さんはドラムはもちろんすごく上手だけど、歌も上手なのだ。数は少ないけど上田さんの唄っている歌はどれも好き、特に「走れ!ムーン号」がお気に入り。
この再結成チューリップの歌声は最近子育てですっかり疲れた私にやすらぎをあたえてくれた。


いつのまにかたくさん書いてしまった。チューリップおよびそれにまつわる思い出を書き出すときりがない。まだまだ、思い出はつきないけれど、長くなりすぎるので又の機会に。

(1998.10.28)


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