天理教大阪教区豊能支部ホームへ               おつとめ   天理教大阪教区豊能支部

『笛の吹き方』
「篠笛はどうも音が鳴らない」
「鳴るには鳴るがおつとめで長い時間 吹くことができない」
という声をよく聞きます。
そんなとき「練習が足らないからだ」というような叱咤を受けて、余計に篠笛から遠ざかることになった方もいるかも知れません。
しかし、そんなに練習しなくても音はなります。
・小学一年生ぐらの肺活量がある。
・力を入れずに上唇と下唇をくっつけることができる。
この二つの条件をクリアしていれば、そんなに力を入れなくても鳴るようになっています。

A.吹くコツ
1.笛を持たずに上唇と下唇を閉じます。
2.真ん中に爪楊枝をくわえます。
3.空気が漏れないように20cm先のロウソクの炎が揺れるぐらいの強さで吹いてみます。
  口の中全体に空気が張りつめている状態です。
  唇をとがらさないように。
4.爪楊枝を抜きその隙間から息を外に出します。
     
爪楊枝を抜いた時の穴が大きくならないよう、細く息を吹くのがコツです。

これだけで篠笛はなります。

B.歌口と唇の関係
1.Aで作った唇の形のまま、下唇の下側切れ目を歌口の手前端に乗せます。
2.唇と歌口の接触点は変えずに、笛を手前か奥かに徐々に回転させて、吹
  いた息が歌口に全部入るような角度を探してください。
3.そうしているうちに鳴ると思いますが、鳴らない時はピーと言いながら
  唇に力を入れて少し強く吹いてください。
  歌口のどの位置に唇を乗せるかは、人によって変わりますので、鳴る位置を
  探してみてください。
      
何度かやっていると音が鳴ります。
おそらく今までの力よりずいぶん弱く吹いても鳴ると思います。
#ただし、雅楽の龍笛とは吹き方がやや違います。

『指孔の押さえ方』
歌口






『音程・音階・音合わせについて』
篠笛には色々な長さ(音階)のものがありますが、おつとめに使うのは四本調子の笛です。
使う音は
二  三  五  六  七
A♯ C  D♯ F  G
です。
笛の二の音が三曲を含めての基準音になります。
笛の二の音はチューナーでいうところの、440Hz基準のA♯±0セント(箏の調子笛の鸞鏡)です。
文章で書けばこれだけのことですが、「基準音を出す」「基準音に合わせる」というのはそんなに容易いことではありません。
四本調子の笛で誰が吹いても二の音が「440Hz基準のA♯±0セント」になれば良いのですが、「口の形」「唇の乗せ方」「息の方向」や「笛そのものの高低」が影響し、合っていないことが多いです。
その上おつとめは三交代のため人による差も含まれてきますので、打ち合わせや練習もなく音程が合うことは希なことだといえるでしょう。

では「基準音A♯に合わせなければならないのか?」というと、そうではありません。
1.その日のおつとめで笛を担当される人(三人)が、同じ高さの音で吹く。
2.三曲がその音に合っている。(三曲に合わせる)
3.地方の人の音域に合っている。

ということが満たされていれば、基音がたとえB(盤渉)やF♯(下無)であったとしても問題ありません。
むしろ大事なのはおつとめで奏でられる旋律が調和していることであり、1〜3のことが各教会で仲良く話し合われていたら、これほどの一手一つはないのではないでしょうか。

実際、みかぐら歌(前真柱様)CDの笛の二の音は「440Hz基準のA♯±0セント」ではなく、「B -15セント」付近です。(基音を盤渉にされているということらしいです)
みかぐら歌CDで笛の旋律を憶え、基準音はその教会が決められた音で奏でるというのが良いと思います。

それから、音に対して無関心な人にこういう話をしますと「笛は吹きたくない」「地方は遠慮させてもらいたい」ということになりかねませんので、そこのところは「堅う柔らこう」が良いのではないでしょうか。
いつもおつとめで感じるのですが、地方の人が笛や三曲の音に合わない音程で歌われた時、最初は違和感がありますが、2,3下りと進むに連れその味わいが良い感じになってきます。
もしカラオケで伴奏の音程を無視して歌われたら最後まで違和感は消えないのですが、みかぐらうたはちゃんと合わせればそれ相応の、ずれていてもそれなりに聞こえるところに妙味があると思います。

『おつとめで留意すること』
1.音の先導
  すわりづとめ第一節、よろずよ八首、七下り目の各始めに地方が合図木を叩いた
  直後(歌い出す前)に二の乙音(オクターブ低い)を出し、歌い出しとともに甲音
  (通常)の二の音で吹奏しはじめます。
 
2.吹奏中は地方・三曲の音程に合わせながら吹きます。

3.すわりづとめ第三節、六下り目、十二下り目の各最後で地方が合図木を叩いた
  ら、吹奏を終わります。



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文責 坂井 理   


(琴)
『基準音』
笛の音程のところでも書いていますが、おつとめで旋律を奏でる「三曲・笛・地方」は基準音に合っていることが基本です。

基準音は「ビデオ琴の心得」「琴 練習譜」とも笛の二の音に十三の音を合わせるように書いてありますが、笛の音程は、笛が同じでも吹く人によって変わったり、人が同じでも時によっては変わりますので、基準音440Hz基準のA♯±0セント(鸞鏡)ということを理解されている人に音合わせをお願いするほうが良いでしょう。
また教会によって音に対する感性がまちまちですので、細かいことを気にしない人が多い場合は箏の調子笛(鸞鏡)を基準音にし、十三の音を合わされておくほうが良いでしょう。
チューナーで合わせる場合は440Hz基準のA♯±0セント(鸞鏡)に十三を合わせてください。

もし教会で旋律を担当される皆さんが、音に対してちゃんとした感覚をお持ちで、
・笛を吹かれる三人が同じ音程で吹いている
・地方は笛・三曲に音程を合わせて歌っている
場合などは、一番合わせやすい(笛三人の音程の平均)音で合わせておくことが望ましいです。
合わせやすいと書いていますのは、
たとえば
・地方のキーが低いのでそれに合わせて笛を吹いている
・笛の音程が少し高いけれども地方が合わせて歌っている
・三曲も笛や地方に合わせて音合わせしている
ような場合であれば、440Hz基準のA♯±0セントを基準音にしなくても、その音程での基準音(笛の二の音)に合わせば良いということです。

しかし、実状は「音程を合わせる」ということに無関心の人が多く、「座りづとめ・前半下り・後半下り」を「笛・三曲・地方」どれもが合っていることは少ないように感じます。
ですから、基準音について「どうしても合わせなければならない」ではなく、まずともどもに理解してわかった者から実践して、伝わっていくような雰囲気作りから始められたほうが良いと思います。


『調弦』

「絃名と音名」
一般的な絃名 10
お道の絃名 十三 十二 十一
邦楽音名 鸞鏡 断金 勝絶 下無 鸞鏡 盤渉 断金 勝絶 下無 鸞鏡 盤渉 断金 勝絶
洋楽音名 A♯ D♯ F♯ A♯ D♯ F♯ A♯ D♯

「ビデオ琴の心得」での調絃
1.四本調子 笛の二の音に十三を合わす
2.十二は憶えている音階に合わせたあと十三との和音で微調整
3.十一は   〃          十二  〃
4.十は十一との相関で合わす(十 十 十一と何度か弾きながら)
5.九は十三と同じ音
6.八は九との相関で合わす(八 八 九と何度か弾きながら)
7.七と十二、六と十一、五と十、四と九、三と八、二と七、一と六はオクターブ


「琴 練習譜」の調絃
十三と九 同音
九と十二 五度
九と十一 四度
十二と七 八度(オクターブ)
八は和音でとれないので九と七の関連で
八と十  四度
以下はオクターブ
  十一と六
  十と五
  九と四
  八と三
  七と二
  六と一
二絃を同時に弾いて、波のようなフレがなく、澄んだ音に合うところで定めます。


【箏の音階】
おつとめの箏は鸞鏡基音の平調子に合わせます。
「絃名と音名」の表に洋楽音名がありますが、平均律の音に合わすという意味ではありません。
たとえばピアノの音で合わした場合は、本来の箏の調弦と音が異なります。
箏は和音で弾いた時に唸り(不協和音)がないように合わしますので、ピアノとは音程が違う絃があります。
「ビデオ琴の心得」「琴 練習譜」でも二音同時に弾いて合わすように解説されていますが、二音間で唸りを無くすことが目的です。

チューナーで洋楽音名どおり(±0セント)にすべての絃を合わし十三から一までを順に弾いてみると、やさしさと言いますか日本文化のおしとやかさと言いますか…そういう音階ではないように感じられます。
(あくまで筆者の感覚ですから、表現はそれぞれということでお願いいたします)
また「ビデオ琴の心得」「琴 練習譜」のとおりに合わせると、やや上がりきらない音があるのに気づかれるかもしれません。
特に若い人は平均律の音階になじまれている人が多いのでやや違和感があるかも知れませんが、ちゃんと合った音階を何度も弾いて体に憶え込ませておくと良いでしょう。

もし、音階を憶えていない場合はチューナーで合わすことができます。(440Hz基準)
一般的な絃名 10
お道の絃名 十三 十二 十一
邦楽音名 鸞鏡 断金 勝絶 下無 鸞鏡 盤渉 断金 勝絶 下無 鸞鏡 盤渉 断金 勝絶
洋楽音名 A♯ D♯ F♯ A♯ D♯ F♯ A♯ D♯
セント -2 +2 -8 -10 -2 +2 -8 -10 -2 +2
上表 セントの行で数値を書いていない絃は ±0セントに合わせ、数値を書いてある絃はチューナーの針が表記のセントを指すように柱を動かして微調整してください。

チューナーの数値は目安ですので最後に唸りがないか
・十三と十二(鸞鏡と断金)柱を動かすのは十二
・十二と九(断金と鸞鏡)柱を動かすのは十二
・十一と九(勝絶と鸞鏡)柱を動かすのは十一
・十と八(下無と盤渉)
を和音で確認しましょう。
基準音に合わせた十三の音は変えないようにしてください。


注釈)本文中、琴と箏が出てきますが箏のことを表しています。
         本来は13本絃のものを箏と言います。
         以前、常用漢字に箏が含まれていなかったために、琴を代用して混同されたのではないかと思います。

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文責 坂井 理