98.10.10 滋賀県一周 200km
県別ルートP-25
JR木之本駅前・・・まだ元気や...
000 プロローグ
とうとう「ルート・エヌ」トライの日が来た パートナーは先月琵琶湖を一緒にまわったOKA
彼が滋賀県在住ということもあり 申請コースのなかで最長の 「滋賀県一周」を最初に挑戦することとなった
ペースと撮影ポイントは土地カンのあるOKAにある程度まかせて自転車の調整と長距離用の装備の追加に徹した
前日 草津市のOKA宅に泊まり 打ち合わせと明日の成功を誓って乾杯し眠った
朝4時 真っ暗 自転車を車に積み込み出発 OKAの勤める会社の駐車場に車を置き 自転車でJR石山駅に向かう
コンビニでおにぎりを1個買って食べる さあ出発や!
001 大津〜朽木 「最初の洗礼と朝市のオバチャン」
駅前で写真を撮り 駅で切符を買い証明とする 気合をいれて5時34分出発 駅前の通りを抜けるとすぐに湖岸道路に出た
このまえ琵琶湖一周で断念した区間や 琵琶湖のすぐそばを通っているときに日の出 朝焼けがとても綺麗や
写真を撮ろうと(走りながら)したが 建物に隠れて失敗した
このあとに控える登りに備えて 平坦な区間をスピードあげて時間を稼ぐ
早朝とはいえ釣り人で車が多く 釣具店の前は人だかりが出来るくらいだった
6時30分 琵琶湖大橋西詰を左折 湖岸から別れて山へと向かう
6時39分 コンビニでバナナとトマトジュースを買う レシートが通過証明になる
山に入ると店が無くなるので補給しておこうという考えや
徐々に勾配がきつくなり登りのカーブを繰り返して7時20分 「途中」交差点着
ここから国道367号線を北に進む 綴れ折りの登りカーブを繰り返し 花折トンネル着
自転車でトンネルを抜けるの程つらいものはない タオルで口をおおってひたすらこぐ 出たところの空気のうまいこと!
ここを乗り切れば 後は長いダウンヒル!!! これまでの苦労を帳消しにしてくれる爽快さ!!! ちょっと寒いけど・・・
ほとんどこぐことなく距離を稼ぐ そのあとも登りらしい登りもなく 8時40分 朽木着
OKAの計画通り朽木新本陣の日曜朝市で証拠写真のチェックをする
しかしいろいろ売っている さばの寿司・おはぎ・野菜・焼き物・ゆで卵・漬物・ケーキ(カステラみたいな)・・・
ここで早くも3度目の朝食
いなりずし
団子2本
かやくご飯(笹の葉に包んだおにぎり)
ここの朝市のオバチャンにチェックをしてもらおう!?と思いつき おはぎを買いにいきつつサインをねだる
おまけに記念写真まで撮らせてもらう悪行三昧!満足気に出発しようとする我らになんとオバチャンは団子を1本づつくれた!
なんとも楽しいスタートやった
002 朽木〜木之本 「トンネルと苦い思い出の湖北」
朝市ですっかり気を良くした我々は 一路山裾の近江今津を目指す
9時10分 朽木出発 この辺りは去年車で来たことがある 時間があったらここの温泉に入りたかった
ここから一気に下るのかと思っていたら 檜峠までの3キロずっと登り坂やった
カーブの向こうがまた登り・・・朝からほんまに疲れるで
峠を越えて今津町に入ると長いダウンヒル さっきまでの苦労を忘れていい気分で下る
10時 下り切り国道161号に帰ってくる
マキノ町までは平らな道が続く 10時25分 JRマキノ駅近くのコンビニで補給(野菜ジュース)
ここからまた峠越えが始まるはずや 海津の交差点から道はまた琵琶湖と別れ山に向かう
小さな峠を一つ越えると2キロ程の平坦な快適な一本道の向こうで161号は303号と分岐
我らが向かう303号には「奥琵琶トンネル」が口を開けて待っとった
ここから国道8号線までは 3つのトンネルとその前後のアップダウンがあった
どのトンネルも歩道がなく暗い しかも排気ガスでくらくらしながらの前進や
なんせ入り口に「歩行者・自転車に注意」と書いた看板が一つあるだけやで
その横をダンプが通っていくんや ほんまに小さく小さくなってトンネルをくぐった
11時20分 塩津で国道8号線に入る また琵琶湖が見えてきた
新しいキレイなトンネル(これはちゃんと歩道があった)を抜けると奥琵琶ドライブインに11時35分着
ここからは先月琵琶湖一周挑戦中に迷い込んだ高月町の山が見えなかなか感慨深い 奥琵琶湖を望みながら昼食
にしんソバ
わかさぎ天ぷら(ここでこんなもん食べれるって思って無かった)
12時出発 もう一つの難関「賎ヶ岳トンネル」を通る さっきの303号の3つのトンネル並の狭さに加えて8号の交通量のすごいトンネル
排気ガスに耐え必死でもがいて抜ける 先月このトンネルを避けようとして山で迷った事を思い出した・・・
あとは開けた一本道で8号線が直角に曲がったところ 突き当たりにJR木之本の駅があった
003 木之本〜彦根 「ひたすらまっすぐの8号線」
12時24分 JR木之本駅着
切符を買って辺りを見る 「木之本駅」のでっかい看板がある ここで写真を撮らない訳がない
前で客をまつタクシーの運チャンにシャッターを押してもらう
近くにいたオバチャンに
「どっからきたの?」 とき聞かれ
『大津 朽木を廻って信楽行って大津に帰るんやけど』 と答える
「へぇ〜〜〜〜〜〜!」 今日はオバチャンと縁がある日や
木之本からは国道8号線をひたすら南下する 単調でまっすぐな道で坂はあまりない
山道の多かった午前中の遅れを取り戻すためにひたすらこぐ
8号線が大きく東にカーブして高架を越えると長浜市街に入る
13時15分、長浜のコンビニにて補給 ここまでの走行距離119.9キロ 中間地点やった
ゼリー状エネルギードリンクとお茶を飲む ちょっと疲れが出てる気がした
さらに南下 新幹線のガードをくぐりしばらく進むと13時45分 米原駅東通過 近江鉄道に沿って進む
「鳥居本」という駅を通ったとき 次の駅に「彦根」と書いてあった もう彦根まで来たんや
期待に反して道は登りになりその先にトンネル 歩道は右にしかないのでそのまま車道を進む
トンネルを抜けるとそこには彦根の市街地がまるで別世界のように見えた
彦根の市街地は8号線から離れているので中を通らずにそのまま進んで
名神高速彦根インターでチェックをすることにした
004 彦根〜信楽 「限界とのたたかい、そしてメロンパン」
14時10分 インター前で写真撮影 彦根からは国道307号線を進むため琵琶湖から離れる
14時16分 コンビニで補給 ゼリードリンクを飲む 脚が痛い 腹はまだ減ってないみたいや
多賀町・甲良町・秦荘町・湖東町・愛東町とアップダウンを繰り返し進む
疲れと脚の痛みが気になりだした 景色も単調で「普通」の道を進んでいるので気が紛れない
休みたい しかし時間がない 疲れが加速度をつけて溜まっていく・・・
15時25分 八日市市のコンビニ着 空腹と疲れで両足がケイレンしていた
しばらく休めば直ると思ってトイレと食事を先に済ます
(フランクフルトとトマトジュースとお茶)
しかし脚のしびれは止まらない OKAに先に出発してもらう
冷却用スプレーでもあまり効かない 仕方無くゆっくり出発
すぐに道は登りになり 脚に負担がかかる 自転車を降りて押す
しばらく押していると脚のしびれが治まっているのに気付く
歩く筋肉を使っている間 こぐ筋肉を使わないからかもしれない
筋肉をだましだまし進んで 16時27分 水口(国道1号線高架下) 着
OKAは待ってくれてたが入れ替わりに出発してもらう
空腹が怖いので 持ってきたバナナチップを食べる 以外とうまいちょっと力が戻った気がした
貴生川駅を見ながら杣川を渡る 貴生川駅は目指す信楽までを結ぶ信楽高原鉄道の起点となる駅や
やっと信楽が見えてきた
川を越えるとまた道は登りはじめる 覚悟していたがこたえる おまけに家に帰る車が多く
路肩はヤブが生い茂り、狭いところを押して進む最悪なコンディション 追い打ちをかけて暗くなってきた
後半ほとんどOKAとは一緒に走ってない しかし
「いかにマイペースを守らないといけないか」 はこの時点で2人とも充分理解してた
人に併せる余裕がこれっぽっちもなくなっていたんや
以外に道は途中でダウンヒルに変っていて 信楽までほとんどこがずに進めた
意外なことに ここでOKAに追いついた 彼もさっきの登りで精魂つき果て下りでこぐ力も無かったという
「もうこれは時間内完走はムリやな」・・・そう思った
17時45分 信楽勅旨でいい匂いのするパン屋に入る とにかく腹ごしらえをしてゆっくり完走することにした
OKAに遅れて店に入る なぜか彼は「メロンパン」を持っている
『こんなときにそんな甘いもん買わんでも・・・』 と思ってパンを見る・・・
「平成10年10月10日記念 メロンパン110円が10円 お一人様3個まで」!!!
・・・自分も迷わずメロンパンを持ってレジに立っていた。
『オバチャン、ほんまに10円?』
「ほんまや。1個でええんか?3個まで10円やで!」
『・・・いや、1個でええ。』
外に出てパンをかじる 外はぱりっと 中はふんわり口に広がる甘い味!
「も一個買お!」
「あのオバチャンにチェックしてもらお!」
再び店に入りメロンパンとオバチャンのサインをもって出た。
005 信楽〜大津 「奇蹟のダウンヒル -栄光のゴール-」
「10円メロンパン」のパン屋を出発 チェックポイントの信楽駅を目指す 辺りは真っ暗 しかしメロンパン2個で元気100倍になり進む
18時10分頃(はっきり覚えて無い)信楽駅の大きなたぬきの前で写真撮影 これで全部のチェックポイントを廻ったことになる
さあ、あとはゴールを目指そう!
信楽を出ると307号線はフラットな快適な道や しかし街灯もなく真っ暗な中を慎重に進む
後ろから車がどんどん追い越して行く 路肩の溝に気をつけて走る
6時45分 国道422号線分岐 地図上ではカーブの連続する山道やから気合いを入れて進む
でも・・・・あれ?下り?・・・・ひょっとしていける?・・・・よっしゃ!!!
OKAが狂ったようにペダルをこぐ 延々下り 凄いスピードや
途中道幅が狭くなり視界も悪くなったがおかまいなしでこぎ続ける 暗闇のなか何が何だか分からん
時々通る車のライトがやけに眩しいだけ メーターも暗くて見えない いったいどれくらい走ったんやろう・・・
7時10分 瀬田川に出る 後は川をさかのぼればゴール 多くなった車にもまれながら北へと進む
もう止まれない ほんとに「ラスト・スパート」やった 出来るだけ早く 願わくば時間内にゴールしたい!
7時35分 出発時とまるで違い 人ごみのなかの石山駅着 切符を買ってチェック 出発時と同じ場所で写真を撮る
「おつかれさん。」OKAと言葉を交し 打ち上げの一杯を飲みに OKA宅へと帰り支度をする・・・まだ旅は終わっていないんや
006 エピローグ
かくしてこれまでで最長の挑戦が終わった 今回は「琵琶湖一周」とはまるで違った
あのときいい気になっていた我々は最初の山道で 体力の温存と時間配分の難しさを充分に思い知らされた
あと2つ年内に挑戦を予定しているが 慎重に取り組みたい
しかし 各地で触れた
「あったかさ」
「たのしさ」
は忘れないように『おもしろ速い』ツアーを目指すのは言うまでもない
data 走行データ
日程:1998年10月10日
天候:晴れ時々曇り
出発:滋賀県大津市JR石山駅前
到着:同上
走行距離: 227.10km
走行時間: 14時間01分
平均時速:16.2km/h(200kmの規定は16km/h以上)
mail-from-oka 走破後のokaからのメール
n-yukawaに誘われ不用意にルート・エヌに手を出し、自転車にもはまってしまった私・・T-OKA 32歳(当時)です。
今回のルート・エヌ初挑戦で得た教訓について若干語らせていただきたい。
1.パンツは5枚はけ!
n-yukawaは「ジェル・シート」なる装備をセットしていたがそれでもお尻の痛みは相当だったようだ。わたしは彼との
体重差+20kgでノーマルシートだったが、パンツを5枚重ねではいていたため、彼ほどお尻にダメージを受けなかった。
ただ今回、同サイズのパンツを重ねたため腹への締め付けが結構強かった。そのためお通じ(便)が思うにまかせず
苦労したことが反省点だ。次回はLLサイズのパンツを用意したい。
2.恐るべし!トゥー・ストラップ
あの、ペダルに付けて足を固定させる輪っか・・トゥー・ストラップと言うんでしょうか・・あやつののおかげで今回私は非常な屈辱
を味わされた。
今回、それを装備したn-yukawaは上り坂ですいすい私に差を付 けるではないか!私ははっきり言って腿の筋力には自信がある。
登山では、常に皆の先頭をきって歩き、また自転車でも前回の琵琶湖一周と同様に常に先頭をきってペースをリードしていくものと
考えていた。それがどうだあのすさまじい威力は!私は坂になると「お先にどうぞ・・」を連発していた。
これだけは、次回には絶対そろえたい装備だ。
3.平成11年11月11日は会社(学校)を休んででも、 信楽にメロンパンを買いに行くべし!
あえて説明する必要もあるまい。信楽唯一のパン屋「こうやま」のメロンパンは11円になっているはずである。そしてルート・エヌに
チャレンジする者はそこのおばちゃんにチェックをしてもらうが良い。チェック欄に書き切れんばかりのサインをしてくれるだろう。
最後に・・一年以内にこのTOY-VOXに登山の項目が増えるであろう。 なぜなら私がルート・エヌに引き込まれたように、n-yukawaを
私の好きな登山に引き込む計画を密かに組んでいるからである。
追記
1.平成11年11月11日に、残念ながらメロンパンを買いにいけなかった。ちなみに平成12年12月12日も平日や・・・
2.登山のページ「hike」が平成11年1月ごろ登場したのは、彼の思惑通りやが、彼の想像を遥かに越えた展開に持っていきたいもんや。
update 99.11/remixed 04.02