out-door
MTB
98.11.07 淡路島一周 100km
オリジナルルート

000 プロローグ

時は11月。
98年ルート・エヌもあと一ヵ月弱となってしまった。
6月にエントリーしたものの、暑い季節を避けて涼しくなるのを
ずっと待ったあげく、キャンプやウインドサーフィンに遊んでしまった・・・
つまり「後がない」・・・。

一週間に2つのツアーを組んだことを後悔するのは、
この「2つ目」の真っ最中やった。

淡路島。
今年、明石海峡大橋開通により、関西からのアクセスも快適になり、
一周約150kmという手頃な距離もあって、「ルート・エヌ」の
格好のターゲットとして挑戦を決意した。(おおげさ)

・・・などと書いたが、周回ルートと言えば、
「湖」と「島」がシンプルと思ったのが一番の理由や。

11月7日早朝。自転車を積み込み出発。
今回は地元民ISIDAに地元情報をもらい、その友人YONEKURAを
大阪から連れていき交通費を半減させ、この2人にサポートを
お願いしつつのソロツアーや。

8時半、洲本港着。自転車を降ろし、駐車場に車を停める。
1日300円、2日600円・・・むっちゃ安い。
8時50分、洲本塩屋のローソンからスタート。

洲本温泉街を抜けるともうそこは海岸沿い。
潮風を受けながら走るのは始めてやったので、爽やかな気分でまるで「クルージング」。
サントピアマリーナをリゾート気分で通り過ぎた。出だし快調。

001 南淡エリア

また海岸線沿いに差しかかったところで片側通行。
自転車やし行けるやろ、と思って通りかかると、
赤旗を振り回され、ストップ。
自転車とて軽車両、通す訳にはいかんらしい。

9時10分、由良の交差点。道は山側に曲がり、登りになる。
由良中心部を迂回するバイパスなので高台をアップダウンして再び海側へ戻った。
突き当たりの学校の校庭で生徒が音楽にあわせて踊っていた。
また海岸沿い。造船場のヨコを通りすぎながら、
生石の分かれ道から道は山側に向かう。
勢いつけて登り始めよう!としたら、
止まっている車に呼び止められた。
『高速道路に乗るにはどう行けばいいんですか?』
洲本で道を間違えたらしい。
・・・三重ナンバーや。同郷。
「この県道をいけば時間はかかるけど大鳴門橋までいけますよ。」
これ以上ない位親切に教え、車は坂の上に消える・・・
気がつけば自分ひとりあわれ坂の下に残された。

長い上り坂の途中に、手書きの「ナゾのパラダイス立川水仙郷」の
看板があった・・・怪しい。
9時35分、立川水仙郷着。一帯演歌が流れる不思議な空間や。
(ここは後で聞いたが、いわゆる秘宝館らしいな)
ここでサポート隊と合流。写真を撮る。ここで呼び込みをしてる
おばちゃんにチェックしてもらい出発。
興味あるひとはここに来て確かめて頂戴。
(保証はしません。あしからず。)

ここを過ぎるとまた海に向かってきついカーブの下り。
スピードを出し過ぎると、外側に溝があるので危険。
下りきるとまた海岸沿いの一直線の道。
晴れて風も少ないのでめっちゃ心地よい。直線の途中におっきなサルの看板。
モンキーセンターに10時15分着。
売店、自動販売機があるのでここでの補給は外せない。
南淡エリアは店が少ないので、
こういったところでの休憩は必須や。

 カメラに向かって「ウキィ」とせずにはいられない 

再び海岸沿い。時々波が道路まで上がるので、しぶきを浴びないよう気をつけて走る。
天気良好。
う〜〜ん、まさにシーサイド・ラン。(笑)
10時40分、黒岩水仙郷通過。以前海岸沿い。
土生(はぶ)集落を過ぎると、道は登りになり、海岸から遠ざかる。
登りは延々続く。道端で牛が鳴いている。
どんどん登り、海がめっちゃ下に見える。
山側に回り込み、登り切ったところに自動販売機。
お茶を買って、バナナチップを食べながら一気に飲む。
バス停を見ると「大川」と書いてある。
しかしここ、何か臭う・・・。11時やった。

大川を出発。カーブを曲がったところに養豚場が!
・・・さっきの臭いはここからやった。
ここを過ぎると緩やかな下りが続いた。
農地の中をすすむ。良く見るとタマネギの収穫をしていた。
(産地やし、どっかでタマネギ食べとかなあかんな・・・)
道はフラットになり、阿万の集落に入ると道は急に細くなった。
突き当たりの角にスーパーがあったのでお茶を補給。

川を渡り、県道25号線に入る。
しばらく進むと、淡路青年の家の前でサポート隊と11時20分合流。
ここはむかし研修で1週間カンヅメになった所や。
門の前で記念(?)写真を撮って出発。
最初はここから海岸のほうへ回り、
「若人の広場」を目指そうと思ってたけど、
あまりにも見上げた山のてっぺんにありすぎで断念。
手前から県道なりに福良に向かうことにした。
ショートカットは大正解。山を横目に平地をすいすい走る。
あ〜よかった、と思うのも束の間、山に突き当たり、てっぺんに向かって
つづらおりの急な登り坂となった。
(おいおい、楽なほうでこれかいな!)
昼飯前にこの坂はキツかった。
必死で登ると向こうに目指す福良の港が見えた!
あとは福良まで下り坂を駆け抜けて行くだけや!

002 西淡エリア

11時55分、福良着。
サポート隊と合流して昼飯を食べる所を探す。
途中に「オニオンケーキ」なるものが売っている店を発見。
後で買いたいな・・・
商店街に一軒のグリルを発見!迷わず入る。
グリル「エイト」という名のその店は、
福良のレトロな商店街のなかで目立ってお洒落な店だった。
そこでシーフード鉄板焼き定食(日替り)を食べる。
喫茶店でピラフしかないか・・・
と思っていた我々にはうれしい誤算に狂喜したことは言うまでもない。
ここでも調子に乗ってチェックのサインをもらい、
おまけに店のなかで写真まで撮ってしまった!
「いつかもそんな写真を撮って、『送ります』と言ったきり送ってけえへんかった。」
とマスターは言うとったが、そんときの写真、もう送ったで。返事が楽しみや。

長居しすぎて12時50分ごろ、福良発。
いきなり登りで始まり、ほとんど登りや。
おまけに観光バスが多く、抜かれ際に排気ガスを思いっきり浴る。
登り切ると、そこから岬までは下り。
しかし両側海、下は高速道路、遮るものなし、すごい風!
一気に鳴門岬先端まで行く。13時30分着。

大鳴門橋を望む展望台に、待望の「顔を突っ込んで記念撮影」看板が!!!
歳を考えず、写真を撮りまくる。はた目には滑稽だったに違いない。
淡路牛乳の自動販売機があったので記念に・・・売り切れ。
・・・コーヒー牛乳でガマンした。

来た道を途中まで戻る。
さっきの下りは当然登りになる。おまけに風。
淡路島南ICの大鳴門橋記念館までえんえん登り。
しかし!そこから阿那賀まで気持ちの良い下り。
あとは北淡までフラットや!・・・と思ってた。

ここからの西淡エリアは、入り江に集落、
岬に向かってアップダウンが続いた。
峠でのロスタイムをここから先で稼ごうと思っていたから大誤算!
繰り返す登りに足が悲鳴をあげだした。

海から離れた西淡町津井のスーパーで休憩。トマトジュースを飲む。
時間は14時17分。
17時に洲本に着く計画が大きく遅れている。
『いったいいつになるのか?』的雰囲気が漂う。
70.7km、まだ半分も来ていないで・・・

14時35分、湊の交差点。
ここから県道31号線。
車の通行量が増える。走りにくくなった。
慶野松原を過ぎ、14時56分、五色浜着。
写真を撮るが、浜がない!!
砂浜をバックに看板にもたれ海を見ながら一人たたずむはずが・・・
くそう、先を急ごう。
相変らず岬〜入江の集落〜岬の連続。まったく足にくる。
五色町角川に道の駅風「緑の道しるべ」があり、サポート隊が待っていた。
15時8分、トイレを兼ねて休憩。お茶とチョコと飴を食べる。
85.63km、やっと半分や。

003 北淡エリア

都志・明神・江井と集落を通過するが、相変らず途中の岬には登りがあった。
ぐるっと街を回り込み、海につきあたった所にサポート隊がいた。
一宮町郡家(淡路高校一宮分校前)着。
16時、98.81km。
ここでサポート隊は、バナナを用意してくれていた!
2本たいらげ燃料補給!!
ここにきてのバナナは値千金!!!
元気が戻ってくる!!!!

サポート隊から時間的にもショートカットしたほうが?との提案。
時間的には無理にしても、
完走だけはしたい・・・でも遅くまで付きあってもらう訳には・・・
まず明石海峡大橋までは行きたいので、
そこでもう一度考える事にして、サポート隊と別れて出発。

16時13分、淡路城通過。
大きな駐車場の割に車が少なかった。ここで100kmだったが、
城を見てたので瞬間を見逃す。
『イヤッホ〜』などと叫んでやろうと思ったのに・・・。

ここからさきアップダウンはなくなり、
海岸線沿いをひたすらこぐ。
16時40分、富島港、111.35km。お茶と飴をとる。
寒くなってきたので上着を着る。
16時55分、北淡リサイクルセンター前、116.17km。
さっきのバナナパワーが切れてきたので携帯のバナナチップを食べる。

さっきからいくつも岬を越えるが、明石海峡大橋は見えない。
北淡 エリアは北へ行くほど人家が少なくなるので走っていてとっても寂しい。
トドメに17時、
「夕焼けこやけで日が暮れて〜」とアナウンスが流れる。寂し〜〜!
おまけに暗くなってきた。依然橋は見えない。

道が徐々に東に曲がってきた。
対岸の本州が次第にはっきりしてきた。
江崎灯台付近、カーブの向こうにとうとう明石海峡大橋発見!!!

004 東海岸エリア

17時17分、橋の真下「道の駅 岩屋」着。
122.43km。
サポート隊と合流。写真撮影。これで本州側と四国側両方制覇!!

日が暮れてきた。サポート隊と再び相談。
ここに自転車を置いてあとでピックアップするのも一案や・・・
しかし何かモヤモヤする・・・お願い!!もうちょっと走らせて!!
そう・・・大磯まで!!・・・
(我ながら往生際が悪い)
などと懇願して延長させて頂いた。感謝。

さっき通りがかりに「やきあなご」があって、いいにおいがした!
ここにも売っていたので皆で食べる。
手づかみでかぶりつく。おいしゅうございました。
さらに残っていたバナナ2本も食べる。
(すごい組み合わせやけどどっちもうまかった)
さあ、ここからは夜間走行や。

岩屋からは国道28号線を走る。
沿線の店の数はこれまでの西側と段違いやが、
集落を離れるとほんまに真っ暗や。
自分のライトと路肩の白線がたより。
途中標識に、「洲本31km」の文字。
うん? 31kmか・・・時速20kmで突っ走ると・・・1時間半やな・・・

18時10分、東浦町大磯のコンビニ着。サポート隊と合流。
「あと1時間半・・・7時半くらいやから最後まで走らせて!お願い!!」
(わがまま言ってすんませんでした)
ゼリードリンクを飲んで出発!

国道とはいえ真っ暗ななかを進む。
後ろから車がビュンビュン通る。
夜になるといつもながらに「何やってんやろ?」という気になる。
が、完走するため、ただひたすらこぐ。

18時42分、津名町佐野。旧道を通るつもりが間違ってバイパスに入る。
山側に登るみちを進む。トンネルや。今回初。新しく広いので問題なし。
軽くアップダウンして18時52分バイパス通過。
真直ぐ進んで18時58分、津名町志筑バスターミナル着、147km。
円形の変った建物で、トイレ休憩。
トイレはあったが電気がつかないのでとっても暗かった。
ここでサポート隊と合流。写真を撮る。
あとはゴールまでノーサポートのつもり。ほんまに感謝。

出発前にライトのバッテリーが切れる。
幸い電気屋があったので交換。
店のおばちゃんとまたもや話しこむ。
『へ〜一周してるの!』
『こっから洲本までは30分はかかるなぁ』
『気ぃつけてな!』

再び暗闇のなかへ。
海岸に戻り、しばらく進むと「洲本市」の標識!もうちょいや。

安乎町平安浦に酒屋が2軒向かいあわせであった。
一軒にはいり、
最後の休憩。ジュースを1本飲む。19時25分。

暗闇を走る。
あるのは車のヘッドライトと自分のライトが照らすほんのわずかな視界のみ・・・
海岸に沿ってカーブを一つ・二つ・・・!!
灯りが見える!!!
あれが洲本の灯りや!!!!
やっと帰ってきたで!!!!!

久しぶりの洲本の灯りは眩しいばかりやった。
ずっと一本道だったので市街地に入ったところでちょっと道に迷ったが、
川を渡り19時45分、
スタート地点ローソン洲本塩屋店着。
メーターは158.86kmを指していた。

走行データ 1998.11.7
天候 晴れ
使用車種  MTB1号
(GIANT '93 HARDLINE 8100)
走行距離  158.86km
所要時間   10時間57分
平均速度   時速14.5km
※バッジ100のボーダーは18km/h
200は16km/h

P.S.'98 あとがき
二人のサポート隊にはほんまに感謝!!してます。
前回から中3日で挑戦したせいもあるが、こんなにもアップダウンが
激しいとは思わんかった。
遅れていく行程のなか、お菓子を食べながら車で待機していた二人に
は頭が上がりません。こんなわがままにつきあって頂き、
どうもありがとう!!

update 981124

P.S.2000 あとがき
99年シーズンより晴れて淡路島は、
「県別ルート」に追加された。
しかし恐ろしいことに、
ルートは「8の字」に変更され、
200km走れるように変えられていた・・・
当然ここに紹介したルートはそのままで、
福良〜洲本間を国道で2回通るようやった。
それはさておき淡路島一周をするなら、
今回のように時計回りがおすすめ。
常に海側を走れるからいい景色が楽しめるはず。
しかし天候によっては波が道にも押し寄せるので、
注意が必要や。

そうそう、 福良のグリル「エイト」。
やはり返事はこなかった。 また行ってやる。

top home