out-door
 MTB brevet-BRM-

08.05.17 BRM517泉佐野300


十津川 夕方5時頃

00
今回の300kmは近畿南部の山岳ルート。
事前情報によるとコンビニが少ないので、
補給に注意して進まないとアカンらしい。
出発までに携帯用の補給食と、
ゼリードリンクを購入して、
水不足解消にはハイドレーションバッグ
(水筒・チューブを内臓したバッグ)で対応する事にした。
前日までは仕事でバタバタするので、
輪行バッグには1週間前にパッキング完了。

01
当日。
5時に起きて輪行でスタート地点のりんくうタウンへ向かう。
降りた駅の改札の前にコンビニがあるので、
おにぎり2個とロックアイス・水330ml
・草大福1個・アミノ酸入りウォーターを購入。
バッグの水筒に氷山盛り詰め込み、
水を少々混ぜて、
残りはフレームのボトルに入れておいた。
自転車を組んで集合地点に着いたのがスタート20分前、
申し込みと車検を済ませ、
午前8時出発。

02
最初は10人ぐらいの集団で、
信号の度にくっついたり離れたりして進んでいた。


大阪府内 まだ集団

いつもの雄の山峠を越え、
和歌山の伊太祁曽に入ったところで少しずつバラケて、
気がつくと一人。
すこし前に走っている参加者が見えているので、
とりあえずついて行く。
海南を過ぎ道が細くなったところで前を行く集団が止まってる・・・
何やろう?
と思っていたら引き返してきた!
・・・集団ミスコースやった。
結局追いつきそのまま黒沢高原に突入した。

03
上り勾配がきつくなると、
次第に集団から引き離され、
気がつくとまた一人。
あせっても仕方が無いのでマイペースで登る。
ヘアピンカーブが多くなって来た頃に、
スタッフカーが通過。
「頑張って!」
と声を掛けてもらい少し力が湧く。
エエかげんジグザグの登りが嫌になってきた頃、
目の前に脱輪した軽自動車が・・・
オッちゃんが2人、
ボディの下を覗き込んでいた。
『にぃチャン!悪いけど押してくれへんか?』
周りを見ても自分ひとり・・・
自転車を道端に停め、
手伝う事になった。
しかし車の片側の前後輪共に脱輪しているのでなかなか出ない。
後続の車に乗ってた兄ちゃんが1人合流して、
何とか道に戻す事ができた。
しかし5〜10分のタイムロスや。

04
車を押したすぐ先に、
湧き水を溜めた桶があったので、
頭から水を浴びて再スタート。
気がつくと後続の方々がどんどん追い越していく。
ヨタヨタとようやく黒沢高原に到着。
高原のソフトクリームが美味いそうやけど、
遠回りなのとさっきのロスを考え通過。
ピークにあった自販機で水だけ補給した。
峠を越えれば有田川町までは長い下り。
途中にある道路工事の信号で、
またまた先行したグループに追いついた。

05
峠を折りきったところ、
国道424号線が左に曲がる徳田交差点、
角に果物屋があり、
参加者が休憩していた。
集団はそのまま左折して先に行ってしまったけど、
ここは補給や。
有田はみかんの産地なので、
ミカン(普通の温州みかんやなかった)1個と、
バナナ3本・トマト1個を購入。


バナナは後半戦のために購入

バナナ1本とトマトをその場で食べ、
あとは食料としてザックに入れた。
また少し重くなったが仕方ない。

06
徳田から先は予想より緩やかな登り勾配。
有田川をさかのぼり景色を楽しみながら、
そこそこの速いペースで走ることが出来た。
川が細くなり山間部に入ったところに、
道の駅「しらまの里」があり、
そこに参加者が何人かいたのでトイレ休憩。
店をのぞくと梅ドリンク(和歌山は梅の産地)と、
「じゃばら」ドリンクなるものがあったので購入。


手が邪魔ですね 柑橘って分かります?

柚子やかぼすに似たすっぱい柑橘系の味で、
美味かった。
休憩中にさっき車を一緒に押した兄ちゃんが偶然やってきたので、
少し話す。
「300kmですか? 自分は50kmでフラフラですよ・・・」
と兄ちゃんは呆れ顔で話していたけど、
50km走れれば充分素質があると思うで。

07
道の駅を出ると長いトンネル。
抜けると美山までゆるい下りを軽快に走ることが出来た。
道沿いの川は稜線を越えたのか日高川に変わっていた。
蛇行する川に沿ってしばらく走ると、
PC1の美山温泉愛徳荘の看板、
左折して急坂を登ると12時16分到着。
(80.7km)
カードチェックをして休憩。
自販機でアイスティーを買って、
飲みながらおにぎり1個とミカンを食べ補給。
ブルベにはPCで参加者の方と話をするので、
名前は知らないが会った事がある人が多い。
ここでもそんな方と話すと、
「今日は何でそんな格好なんですか?」
と聞かれた。
長袖の吸湿速乾シャツにトレッキングパンツ、
山に登るような格好に手ぬぐいを頭に巻いてヘルメット。
確かに周りからは浮いているけど、
これいつもの服装やで・・・
愛徳荘のレストランは注文してから時間が掛かるそうなので、
食事はこの先の道の駅の方が良いとスタッフさんに教えてもらい、
ここでの休憩はそこそこに出発した。

08
日高川沿いの道は川幅が広いのか、
雄大な景色を楽しみながら走ることが出来た。
1時間ほど走って13時10分頃、
道の駅水の郷日高川龍游(りゅうゆう)到着。
ここでお好み焼きとお茶を購入して昼食。


ちょうど焼きたてを買うことが出来た

まだ97km、
1/3走ってない事になる。
あせっても仕方が無いので、
次に控える峠に備えてエネルギー補給や。

09
道の駅を出て川沿いにしばらく走ると、
旧龍神村の集落が広がり、
目指す引牛越の分岐に到着した。
旧村役場でスタッフによるチェックがあるはずやのに、
見当たらん。
良く見るとコースから外れた少し先に庁舎らしき建物があった。
名前を伝えてチェックを受ける。
この先50kmは店舗がなく補給が出来ないそうなので、
水を自販機で購入・・・って出てこない?
音がしなかったので店の人を呼ぶ。
もう一度お金を入れてボタンを押すと出てきた・・・
で、
下を見ると2本ある・・・
ひょっとしてさっきちゃんと出ていた?
どうも疲れているんかな。

10
川を渡り峠に向かう。
道は少しずつ細くなっていくが、
所々に集落が点在するのでそれほど寂しく感じない。
次第に勾配がきつくなり、
家も見なくなったら本格的に峠越え。
さすがに漕ぎ続けるのはツライので、
脚を休めるのを兼ねて「押し」で進む事にした。
下りで挽回できるので、
止まらなければ大丈夫。
勾配がゆるくなれば乗り、
キツくなったら押すのを繰り返し、
15時30分引牛越到着。
(128.1km)
先は下りなのでそのまま進むのが普通やけど、
そこで休憩。


引牛越 ちょうど一人到着

一人先客がいて、
やはり途中で押したそうや。
バナナを1本食べて補給。
龍神からの自走スタッフさんが到着して少し話す。
延々下りやから、
1枚上に着た方が良いとアドバイスいただいた。
スタッフさんは後続を待つとの事なので、
ウインドブレーカーを羽織ってスタートした。

11
峠越えの途中、
大阪・神戸ナンバーの車が3台、
多分山菜を取りにきたんやと思うけど、
ずっと追い越すと追い越され、
路上に駐車して何か探し、
また追い越すと追い越され、
しばらく走ると停まってる・・・
下りに入ってもまだ居て、
道一杯に広がって歩くので、
ベルを鳴らしたが全然聞かない。
結局一旦停まってゆっくり通り過ぎた。
滅多に人が来ない道やからって、
片方に寄るなり、
もう少し注意して欲しい・・・

12
和歌山から奈良へ県境を越え、
長い下りがずっと続いたんやけど、
余りの急カーブと、
ガードレールの無い崖と、
たまに通る自動車にビビリ、
スピードは出せなかった。
途中何故か立派な公衆便所があったので利用。
道路の様子からはどう考えても不釣合いやけど、
とにかく助かった。
川に降りていく温泉もあったけど、
日が暮れると大変やから先を急ぐ事にして走る。
十津川観光ホテルが見えると川幅が急に広くなり、
国道425号線に合流してすぐ、
国道168号に出た。
あとは五條までは1本道や。

13
国道168号を走るとすぐに、
十津川温泉郷で、
久々の街。
自動販売機で休憩して行動食を補給した。
ここで自走スタッフさんに追い越される。
「あと10kmでPC!」
と声を掛けてもらいながら視界から消えていった。
十津川沿いに道幅十分な国道を走る。
川幅も広く景色は雄大。
思わず立ち止まって写真を撮る。


十津川沿い 太陽が陰るのは早い

しかし日は傾きもう夕暮れ時やな。
17時27分、
何とか明るいうちにPC2道の駅十津川郷到着。
(162.4km)
まだ明るいのに道の駅は閉まってた。
カードを提出してチェックを受ける。
ここではカップラーメンの支給があり、
おにぎりもスタッフの好意で売って頂けた。
しかも足湯がある!
ラーメンを食べて足湯でゆったり休憩。


足湯 靴を脱いで・・・極楽!

暗くなるのが気になったので、
18時前に出発した。

14
ここからは長い登り基調の行程やから、
フラットなところで距離を稼ぎ、
登りはじっくり走った。
アミノ酸飲料をこまめに補給し、
脚に疲れがたまらないようにした。
で、
20kmほど走ったところでアミノ酸を補給しようと、
自動販売機で200円のペットボトルを購入したら、
違うのが出てきた。
店のオッちゃんに言いに行ったら、
「間違えて買ったんと違うか?」
と言われた。
最初は冗談で言ってるんやと思ったら本気で、
こっちが嘘をついてると思っているらしい。
「間違えたって言って高い商品を騙して持っていくヤツが居るんや」
腹が立ったので、
『500円入れて300円釣りが出て150円の商品が出たんや』
と説明しても聞く耳を持たん。
結局もう1本買ったら間違っている事が分かり、
しぶしぶオッちゃんは正しい商品を渡した。
日も暮れかかるし、
ものすごいタイムロスやで・・・

15
谷瀬の吊橋辺りを過ぎると、
周りは暗くなり始め、
ものの15分ほどで何も見えなくなった。
LEDでは白線しか分からんので、
ハロゲンライトを点灯、
明るさは桁違いや。
この辺りは道路整備が進んでなくて、
道幅が狭くなったり広くなったりで、
対向車にも気を遣うかなりシンドイ区間やった。
途中またPC1のスタッフカーに追い越され、
「頑張って!」と声を掛けられた。
後ろから来た車が横でスピードを落とし、
窓が開いて声が聞こえたから一瞬ビックリしたけど、
後からジワっと元気が湧いてきた。
最後の天辻峠の登りは、
登坂車線のある道で、
迷わず「押し」で進む。
ここで2人に追い越された。
しかし焦ることなくゆっくり進み、
ピークにある道の駅大塔に到着した。
(206.4km)
20時半くらいやったと思う。

16
ここには5・6人休憩していて、
トイレ休憩しながらホットミルクティとバナナで補給。
そろそろ出ようと思ったら、
「引っ張ってもらえませんか?」
という方が一人。
PC2でバテテラーメンを半分残していた人やな。
五條までは下り基調、
2人の方がライトの光量もあるしエエか。
という事で2人で道の駅を出た。
すぐに天辻峠トンネルに入り、
出たらずっと下り。
寒いのでウインドブレーカーを着て一気に下る。
途中で大声で叫ぶ自転車を積んだ乗用車が追い越していった。
こちらも何か大声で叫んで返した。
良く考えたらPC2のスタッフカーやった。
これまでの登った分を一気に返してもらった感じで、
五條の丹原交差点に来た。
もうここからはお馴染みのコース。
丹原からPC3までは往復コースなので、
何人かの参加者とすれ違い、
「がんばれ〜」
「あとちょっと〜」
と声を掛けられながら進んでいった。

17
国道24号の長い登りを走った先に、
おなじみのPC3ローソン五條住川町店がある。
21時50分着で、
クローズ(制限時刻)までの貯金は1時間40分。
(232.8km)
同行した方はやはりバテた様子で、
ここで充分休んでからスタートするとの事。
固形物がのどを通らないのは重症やけど、
ここまで走れるんやからスゴイと思う。
こっちは今日は珍しく食欲が充分にあるので、
サラダスパ・唐揚・ヨーグルトで補給。


PC3 もう夜中

あと約70km、
トラブルが無ければ時間には余裕がある。
(去年はこの時間帯にパンクした)
1時間の貯金を残して出発した。

18
ここからも紀ノ川を河口へ進む下り基調。
普通に走れば貯金は増える。
日が暮れるとノドの乾きも減り、
食料も食べつくしたので荷物も軽い。
さっき充分食べたので脚も大丈夫や。
ただしお尻が痛い・・・
パッドから外れた部分が擦れて痛いんやな。
時々立ち漕ぎしながら進む事にした。
もう深夜に近いので、
この辺りの寄り道ポイントは全て閉まっている。
ただ黙々と眠気を抑えながら走る。
対向車がハイビームのまま走ってくるのが怖い。
斜め左の白線を睨んでひたすら耐えて進んだ。
0時45分、
ようやくローソン和歌山大垣内店に到着。
(284.7km)
カフェオレ・唐揚・ヨーグルトを買い、
通過チェック用のレシートをもらう。
食べていると数組到着。
さっきの同行した方も何とか到着した。
やはりバテてる様子で、
ここでも休憩してから行くそうや。

19
残る難関?は1ヶ所、
和歌山〜大阪県境の雄の山峠。
行きは長いゆるい登りやけど、
帰りは急勾配のヘアピンカーブの登り坂、
ここだけは必ず「押し」で進むけど、
今日は補給バッチリで立ち漕ぎで初めて登り切った。
ここさえ越えれば長い下り、
ハロゲンライトで視界を確保して一気に下る。
府道63号線まで来れば気分はウイニングラン、
真夜中なのでライトアップは無いが、
2時30分、
無事ゴールイン。
(307.5km)
18時間30分は充分な出来や。
どっかで寄り道出来そうな感じやけど、
山の中を走るのに、
最初から脱線はさすがに出来んかったな。
ゴールチェック・メダル申請・次回申し込みを済ませ、
休憩すると、
1時間後に同行した彼がゴール。
バテても最後まで走って帰ってくる、
その姿勢は見習うべきやと思った。

20
PC3からスタッフさんが戻ってきた4時頃、
自走で堺まで走るために出発。
電車が走るまでの時間稼ぎと、
堺で深夜営業の天ぷらを食べるためや。

さすがに眠く途中で意識が飛びそうになったけど、
何とか6時半頃到着。
目当ての店は閉まっていたが、
9時半まで営業している店に滑り込み、
天ぷら4品・貝汁・小ライスでモーニング。
途中もう一方ブルベ参加者が来られて話をした。
スタッフの撤収を手伝ってから来られたそうや。
先に店を出て南海堺駅でパッキング、
途中ウトウトしながら何とか家まで帰ることが出来た。

one point
中盤はコンビニが全然無い。
海南市阪井のローソンがこの時の前半最後のコンビニやった。
道の駅は多いけど、
閉まるのが異様に早かった。
小さな商店なら美山・龍神・十津川にあったので、
ちょっとした買い物は出来るはず。

自販機は比較的多く見かけたけど、
引牛越の道中には何もない。
(川の水・湧き水はあるので最悪はそれ)

エスケープルートも皆無。
引牛越の県道にもバスがあったけど、
1日2本やったと思う。
(通った時にチラッと見ただけでちゃんと調べてません)

引牛越は登りよりも下りに注意。
きついカーブはもちろん、
断崖にガードレールの無い部分がある。
たまに来る自動車も怖い。

PC2十津川道の駅〜天辻峠間は、
道路の未整備区間を含んでいるので走りにくかった。
天辻峠のピークに道の駅大塔があるけど、
その先は長い下りなので、
止まらずに走りながらの休憩もアリ。

PC3以降はお馴染みのコースやけど、
遅い時間に走ると、
単調なために眠くなるのと、
ハイビームで走る対向車に苦しめられます。

走行距離 307km(メーター311km)
所要時間 18時間30分
平均時速 16.59km/h(16.81km/h)

update 080525

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