#02
1999.08.13
富永橋(三重県大山田村)〜霊山〜柘植(三重県伊賀町)
000
お盆である。
実家に帰ってちょっとのんびりするか、
と思ったが、
実家(三重県阿山郡大山田村・当時)にも、
なんと東海自然歩道(山の辺コース)がある。
帰省を兼ねていざ征服。
8月12日、
仕事も午前中に終わり、
夜には実家に着く。
今回送り迎えを父親にしてもらうために、
今日のうちに説明。
最初はこんな所で山登りか?と、
いろいろいわれるが了承。
晩酌も程々に就寝。
001
朝9時起床。
朝食をとり準備。
といっても、
□昨日のうちに凍らせておいたペットボトルの茶
□タオル2本
□カメラ
□傘
□ガイドブック
□替えのシャツ
□非常食(カロリーメイト・バナナチップ・あめ)
くらいだ。
車にのり約20分、
スタート地点の大山田村富永バス停に着く。
父とここで別れ北に少し歩くと、
橋が見える。
見慣れた「東海自然歩道」の標識。
この『富永橋』が今日のスタート。
10時5分天気晴れ時々曇り。
002
橋を渡って集落のなかを進む。
富永集落のなかはルートは何とおりもある。
新大仏寺を通るルートとまっすぐ新しい林道から山に入るルート。
新大仏寺内にもいくつかルートがあるらしいが、
とりあえず林道へまっすぐ向かった。
(新大仏寺には去年車で行ったことがある)
田んぼ沿いを奥に進むと、
片側1車線づつの林道に出る。
脇に看板、
去年の台風のために新大仏寺の1ルートが通行不可。
他のルートに迂回する旨が書かれていた。
しばらく林道を歩く。
この林道は最近湧きだした温泉のために出来たようなものだ。
「大山田温泉」にアクセスしやすくなっている。
右手に薮のなかから新大仏寺ルートが現われる。
左手に登りの舗装路、
進むべき自然歩道だ。
車1台分の道を山のなかに進む。
脇にごみが多い。
不法投棄禁止の看板がいくつもかかっている。
こんなところにも・・・
そういえば前の箕面コースの林道にも、
不法投棄されている場所があった・・・
見る度がっかりさせられる。
003
途中軽トラックが通る。
肥料なのか落ち葉と枝を積んでいて、
先で木の根元に蒔いていた。
軽く挨拶を交して進む。
舗装路から枝分かれしてさらに細くなる。
土の道になり川沿いに下る。
降りたところで川を渡る???
良く見ると踏石がある・・・
しかし増水のため少し沈んでいた。
ハイカットの登山靴を履いていて良かった。
転ばないように跳んで渡る。
もうすっかり深緑のなか、
さらに奥へ進む。
道は水を含みやや歩きにくい。
と、
顔に何か当たる、
うわっ、
蜘蛛の巣だ・・・
ってそれ・・・
誰も歩いてないってことやん・・・
急に心細くなってきた。
004
倒木と増水の渓流のなか、
何度も川を横切り先を進む。
当然蜘蛛の巣も何度も浴び、
足元のゴソッという音にもびくつく始末。
早く開けたところに行きたい・・・
川が源流を過ぎたせいかなくなり、
道は上へと向かう。
と両側が草むらになると今度は、
「蛇」の恐怖に神経質になる。
足元から蝉が飛び出すだけでもうドキドキものだ。
遠くに青山高原が見え始めると、
少し心も落ち着いてきた。
登り切ったかやや周りが明るくなってきた、
と目の前に工事現場。
道路を造っている。
自然歩道の手前で止っているが、
どうもここを切り下げて道路を横切らせるみたいだ。
橋でこの道路(予定)を渡るような線引きがされ、
道は迂回していた。
(迂回路はとても「路」とは言えなかった。
斜面にロープが渡してあるだけだ。)
少し進むと眼前に田代湖がひらけ、
向こうに道路と、
「伊賀青少年野外活動センター」の入り口が見えた。
田代湖を右から巻く様に下り、
湖をせき止めている様な堤に出た。
ここで久しぶりに人を見た。
11時30分田代湖着。
005
田代湖のそばに活動センターのゲートと、
そこまで来る車道が見える。
自然歩道は車道を通らず、
さらに田代湖畔を進む。
と言っても活動センターの敷地内同然なので、
切り株のベンチやキャンプ場、
訪れた学校の生徒の書いたプレートなど、
これまでのコースと違って人の気配が多い。
しかし道はぬかるんでいて最悪。
しばらく歩くと右手に大きな建物、
活動センターの体育館だ。
近づいて中を覗く、
自動販売機がある。
1本買って体育館の前で休憩。
12時前、
カロリーメイトを食べて小休止。
ここ青少年野外活動センターには、
今を遡ること20年前、
小学生の時に一泊移住(林間学校)で来たことがあった。
しかし当時の記憶はほとんどなく、
ただただ人工建造物になぜかほっとするだけだった。
006
休養充分、
さて出発。
自然歩道は活動センターの宿泊棟
(これは見覚えがあった)
の横から登り階段となって山のなかに延びていた。
ガイドブックにはこの辺り、
「マムシに注意」とあった。
うぅん・・・
そういえば小学時代にもそんなことを言われたな。
マムシは頭がさんかくで赤い斑点がある・・・
やったかな。
とにかく怖いな・・・
気ぃつけていこう。
どんどん階段を登り、
宿泊棟も消え道も細くなってきた。
両方笹が生い茂りいかにも出そう・・・
下ばかり見ながらさらに登る。
周りが明るくなり開けてきたかな・・・
と思ったら前に4人の先客がいた。
さっきの活動センターからスタートしたらしい。
2回りほど上の男性2名女性2名だ。
すこし話ながら進むと伊賀盆地に向かって開けた場所に出る。
標識に「9合目」とある。
もうすぐ霊山山頂だ。
歩いているといきなり携帯電話が鳴る。
見ると父からだ。
アンテナ3本すごい良好。
へんな登山だ。
007
12時45分。
左に階段、
右に自然歩道の分岐。
階段を登ると山頂の平地。
10人ほどの人が昼飯を食べていた。
一番高い所にいく。
すごい景色。
360°とはいかないが、
270°くらいのパノラマ!!
眼下に名阪国道を中心に甲賀・伊賀が一望だ。
風が強いが暑さといいバランスで気持ちいい。
さっきのおっちゃんに写真をとってもらう。
ガイドブックによればここで、
ハングライダーが横切るとあったが、
今日はなかった。
008
おっちゃんおばちゃん4人組はここで昼食なので分かれ、
先に進む。
山頂の奥に電波塔があった。
(携帯入るのこれのせい?)
そこからは舗装道路の下りだ。
ここまで管理のために車で上がってこれるのだろうが、
ハンパな勾配じゃない。
4駆でもしんどいんとちゃうか?
しかもここも雨のせいか路面はウエット。
苔の浮いているところもあり、
注意しないと滑って転ぶ。
(何とか転ばなかったが、
何度か滑った。
急勾配だと滑り落ちる。)
道路の状態もまちまちで、
ものすごく新しいところがあると思えば、
崩れて応急処置されているところもある。
ここも台風の影響か、
倒木がかなり多かった。
大雨の後は気をつけないと、
通行不可なんてあってっもおかしくないな・・・
頂上から延々下ること約1時間、
13時50分名阪国道下着。
ここで家に携帯で連絡、
JR柘植駅を目指して進む。
国道25号線を渡り北東に進む。
この辺看板が少ないので少々不安になるが、
集落のなかをすすむので、
分からないときは人に聞くこと。
駅に向かう途中、
父の車に追い付かれる。
駅で待ってもらうことにして、
ひたすら歩く。
そして14時19分、
JR柘植駅着。
ガイドブックの4時間をオーバーするペースだった。
009
帰りに「モクモク」で地ビールと出来たて焼豚を、
そのあと「大山田温泉」で一汗流して、
疲れを癒したのであった。
■access...アクセスデータ(今回自動車利用のためガイドブックを流用)
□行き 上本町(近鉄大阪線)伊賀神戸(近鉄伊賀線)上野市
上野産業会館前(三重交通バス汁付行)富永
□帰り 柘植(JR関西本線)天王寺
■map...地図データ
とにかく山中を歩き続けるので、
特に夏は水分を忘れずに持って行く。
富永で補給を忘れると、
野外活動センター施設内にしか自動販売機はない。
富永〜田代湖間は人の行き来が殆どない区間。
霊山山頂から先は、
急な舗装路の下りが延々続く。
道が濡れていると滑るので注意。
名阪国道のガードをくぐると、
集落のなかに入り標識を見失うが、
北東に進めば駅に向かう。
それと伊賀山中には、
「マムシ」
が出るので露出の多い服は避けよう。