#020 murouji-sonikougen...
大野寺(奈良県室生村)〜室生寺〜済浄坊渓谷〜曽爾高原〜太郎生(三重県美杉村)
2001.09.24mon.
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*access... *one point... *map...
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00
4ヶ月ぶりの自然歩道。
山沿いばかりが残りどれも距離がある。
バスの連絡もこの先悪くなるので、
出来るだけ距離を稼いでおきたい。
ブランクが気になるが、
とにかくバス停のあるところで目一杯進める、
三重県美杉村太郎生(たろお)まで行ってみよう。
うまく行けば奈良県制覇やけど、
バスの時間が気になる。
16時6分に乗れなければ、
17時21分が名張行きの最終バスやからな。
01
9時15分。
近鉄室生口大野駅出発。
近鉄の主要駅には、
「てくてくマップ」
なるハイキングマップを各駅に置いているので、
今日のルートに関係ある、
No.13[室生寺・大野寺コース]
No.1[奥香落高原コース]
を改札でもらっておいた。
イラストマップやけどかなり分かりやすく便利やからこれはお勧め。
近鉄の主要駅でほとんどが手に入るらしい。
02
集落をぬけ大野寺と、
川の対岸の崖に彫ってある石仏を見ながら川沿いの県道を歩く。
途中で自然歩道本ルートと合流するが、
室生ダム周辺は土砂崩れのため依然通行止めやった。
さて、
室生寺にむかってしばらく車道を進むと、
車に分かるくらいの大きな看板で、
ハイキングコースの標識があり、
細い道が分かれていた。
ワダチはあるけど車は走ってない静かな山道。
気分一新で歩き始めると、
いきなり足元に「蛇」。
確かこの辺マムシも出るな・・・
いきなり臆病のムシが騒ぎ出す。
03
杉・桧の静かな林間コースで気分は良いけど、
さっきの蛇から足元ばかり見て歩き、
せっかくの森林浴も台無しやった。
やがて道はゴロ石敷きになり、
勾配もややきつくなってきた。
石畳とゴロ石が交互に続き、
おまけに苔が浮いてかなり滑りやすい。
距離は駅から約6kmやけど、
意外と足にくる道や。
1時間ほど歩いた10時17分、
林道が交差する門森峠に到着。
休憩している1人のハイカーがいた。
今日はあまり見かけないのは、
まだ暑いからか。
軽く挨拶を交わし先に進むとそこからは下りで、
すぐに周りが開けて室生の集落が見えた。
04
迷いがちながら必死に標識を探し、
集落の合間を縫って室生寺前に10時40分到着。
さすがに車が一杯で、
参拝客も大勢いた。
3年前の台風で被害を受けた五重塔も、
最近復旧したらしいので、
見たかったが、
室生寺は山沿いに奥へ続く境内で、
外からは見えなかった。
ここまでしか辿り着いていないのにもう腹が減ってきた。
おにぎりは持っていたが、
今日は長丁場でおまけにこの先店はありそうもない、
食料を温存することもあり、
門の前の食堂で「山かけソバ(温)」を頂き、
11時に出発、
先を急いだ。
05
しばらく旅館と駐車場と土産物屋でにぎわっていたが、
室生郵便局を過ぎると静かな舗装路となった。
雨乞いで有名な竜穴神社には、
太陽発電の綺麗な公衆トイレがあったので休憩。
さらに車道を歩く。
やはり車道沿いには標識はない。
ここから曽爾村までは「てくてくマップ」が無い。
情報が少ないが山道は迷いにくいので問題はないはず。
20分ほど歩くと宇野川集落に着き、
ここから車道と分かれ山に入っていく。
集落を良く見ると、
屋根がひどく破損している。
やはり台風の被害やろうか・・・
近くに木材の製材所があったが、
なぜか屋根はテント張り、
しかし膨大な材木が無造作に置かれていた。
06
宇野川沿いに山深く入っていく。
倒木を切ってトラックに積んでいる人たちの横に、
「古代米のうどん」なる看板の店。
さっき食べたソバを悔やみつつそこを通過。
その先の二又路で進路を悩むが、
さっきの作業中のおっちゃんに聞いて確認して進む。
迷うと予定が大幅に狂うから、
気ぃ付けんとな。
川沿いにさらに林道を進むと、
11時54分、
大藪橋の手前にとんでもない方向を指す標識。
近くまで行って周りを良く見ると・・・
草の間にけもの道みたいな細い道が、
かろうじてあった。
07
一人で歩くのに急に心細くなったが、
足元の道を見失わないように進むことにした。
腕にまで絡みつく草をかき分け登る。
岩だらけの悪い足場と依然残る倒木に、
不安が消えないまま進み、
標識を見つけるたびにほっとする。
林道と直行するところに標識発見。
休憩していたら進行方向から一人男性が下りてきた。
道があっていることに安心して進んだが、
倒木と雨で崩れた岩で、
この先のルートは最悪やった。
08
息も絶え絶えで山道を歩いていると、
いきなり前が開けて12時35分、
クマタワ峠休憩所到着。
林道の終点らしく進む方向にしかワダチは見えない。
広場にはなっているが、
ベンチもテーブルも無い。
ただ丸太積みの立派な公衆トイレはあった。
覗いてみたが当然水は流れてなく、
大便器にはハエかアブか知らんけど、
ブンブンと大きな羽音が聞こえたので中には入らんかった。
09
行き止まりの林道やから車も通らない。
真中を堂々と歩くと、
やはり丸太や石が路肩に転がっている。
道をふさぐ木は切り倒されたりしていたが、
切り口が新しく復旧は最近されたみたいやな。
車の通らない舗装路をこのまま曽爾まで行くのかと思っていると、
1台車が停まっていて、
側に標識が・・・
「済浄坊渓谷入口」
ルートはここから階段を下って川に降りるようやな。
10
渓谷によく整備された遊歩道、
立派な鉄骨階段を歩いていると、
岩の上で弁当を広げている人がいた。
13時10分、
せっかくやからここで昼飯にしよう。
少し下って対岸に渡っておにぎりをほおばった。
木漏れ日が眩しい清流を前に良い気分や。
誰も来ないところにこんな場所があったとは・・・
観光地に殺到するのが馬鹿馬鹿しく思えるくらい快適なところやった。
13時30分、
終点のバス停への到着時間が気になるので先に進む。
11
連続した滝に圧倒されながら渓谷を抜けると、
赤目の滝に抜ける林道に出た。
バス停があったが日曜日に2本出てるだけやった。
林道を曽爾に向かって下る。
川の対岸の谷越しに、
柱状節理の美しい岩肌が見える。
あとでガイドブックを見るとそこは兜岳らしかった。
オートキャンプ場の脇を抜けて奥香落山荘の前を通り、
集落を抜けて13時58分、
県道出合いの曽爾横輪に到着。
正面に鎧岳を望む曽爾村の中心地や。
12
どのルートマップも曽爾の「太良路(たろじ)」から出発になっている。
これまで同様集落の中はルートを見失いやすい。
ここでもどうしてもその「太良路」が見つからない。
不運なことに持っていたガイドブックは、
この曽爾周辺の記述が間違っていた。
自分がどこにいるか分からない・・・
よく見ると途中でルートは曲がってたらしい。
コンパスで方向だけ確認してとにかく歩いた。
20分ほど川沿いを歩くと、
前に車道が見え、
自然歩道の標識が見えたので何とか復帰できたみたいやな。
13
14時39分、
道に迷ってうろうろしたのがかなり時間のロスになった。
あと2時間以上かかるので16時6分のバスは無理、
これ以上遅れると最終もヤバいな・・・
早足で進む曽爾高原へ向かう道はやけに新しく、
どう考えても車に乗ってやって来る観光客のために、
最近整備されたみたいや。
むかしの車道と合流するところに、
真新しいレストラン・土産物屋の建物と大きな駐車場があり、
たくさんの人でにぎわっていた。
2年前のガイドブックでは、
山道やったのに・・・
売店に並ぶ行列を横目に、
気分も萎えて休憩もそこそこに立ち去った。
14
施設から先は道路の拡幅工事中で、
車はもちろん歩くのもなかなか困難やったが、
少し先で歩行者ルートが別れていた。
ジグザグに登っていくと前が開けて高原駐車場に到着。
写真でしか見た事の無かった曽爾高原は、
予想以上の大きなすり鉢状の高原やった。
感動も大きかったが、
あのすり鉢の天辺を越えないとアカン・・・
と思うと、
どっと疲れが襲ってくる。
15
原っぱとはいえ背よりも高いススキだらけやから、
歩けるルートは限られているみたいや。
道幅が狭いので、
追い越せないのと、
帰ってくる人が多くすれ違いに苦労した。
やっとのことで15時39分、
何とか亀山山頂に到着。
すり鉢の天辺をぐるりと人が埋めて、
ススキと夕日を写真に収めていた。
当然近くの人にお願いして、
シャッターを押してもらった。
西向きの斜面のせいでススキも金色に輝いてとても明るかった。
16
ここからすり鉢の反対側に降りるんやけど、
表の曽爾高原の緩やかな傾斜に比べ、
裏斜面の急勾配なこと!
おまけに東斜面は薄暗く観光客も誰もおらん・・・
ジグザグに階段を延々下る。
足はもう感覚が無いくらい酷使した。
右の向うずねが限界や。
しかしバスに乗れないとシャレにもならん・・・
勾配がゆるくなったところに「県境」の看板!
長かった奈良県もこれでオサラバ!
三重県に突入や!
17
傾斜は穏やかになったが、
石畳の道に変わり、
イレギュラーな歩き心地が疲れた足にめっちゃこたえる。
眼下に「くろそ山荘」の建物が見えて周りが開けた。
舗装路と石畳の変わり目に大阪ナンバーの車が2台、
路肩に停まっていたが人はいない・・・
こっちから亀山に登っているのか?
・・・どうでもいいか。
この辺り、
池の平高原という名前やけど、
信州なんかのリゾート色は全然なく、
のどかな田園風景のなか、
歩いている人はおばあちゃん一人だけやった。
高原とは程遠い道をとぼとぼ歩いていると、
道端の草むらが動いた・・・
よく見ると蛇や。
心細さがこみ上げ疲れも忘れて足を速める。
里に来たのに国道は依然見えず、
だらだらと坂を下る。
田んぼも増え民家もぽつぽつ見えてきた、
17時過ぎ、
中太郎生集落着。
18
次のコース出発点のなるバス停前に着く。
幸運?にも前は酒屋。
時間つぶしに缶ビールを買ってそこで呑む。
季節柄涼しくなってきたが、
大汗をかいた後の、
ビールは最高やった。
するとさっきの大阪ナンバーが2台入ってきて、
酒屋をのぞいて何を買うでもなく、
しばらくぶらぶらして帰っていった。
年はやや自分より上の男性3人、
山に登った風でもなかったが・・・
どうでもいいか。
19
17時20分を少し遅れてバスが到着、
車が2台すれ違えない所が残っている狭い国道を、
軒先ぎりぎりにバスは進んでいった。
近鉄名張駅に着いたら日も暮れ、
バスを降りようとしたら足がこわばりうまく歩けない。
電車も少なく奮発して特急に乗ったら、
連休の最終日やから、
観光客で一杯・・・
全然落ち着かんかった。
疲れはしばらく抜けなかったのは言うまでも無い。
■室生口大野
近鉄大阪線室生口大野駅まで大阪上本町から約1時間15分。
快速停車駅なので便利。
徒歩10分で大野寺、
さらに10分で東海自然歩道に合流できる。
■中太郎生
近鉄大阪線名張駅(上本町から約1時間30分・特急停車駅)から、
伊勢奥津駅行きバスで約40分。
バスの本数が1時間に1本程度と少なく、
最終が早いので、
長距離プランは注意が必要。
室生寺まではよく整備されたハイキングルートやけど、
途中一部車道歩きがあるので注意。
室生口大野〜室生寺〜宇野川間は、
バスが走っているので、
室生寺をゆっくり見たい人は、
ハイキングコースを歩いた後室生寺拝観、
そこからバスに乗って室生口大野に戻っても良い。
宇野川から先は林道歩きがしばらく続く。
途中に、
「古代米のうどん」
なるものを食べさせてくれる店が、
山中にぽつりとあるのでのぞいてみても良い。
しかしその先で急に細い山道になっているので、
靴・服装には十分注意。
沢伝いのため足元も天候で大きく変わる。
(雨でなくても相当悪い)
倒木も数多く残ってるので上にも気をつけんとな。
済浄坊渓谷には林道から急に下るので、
標識(かなり大きい)を見落とさないこと。
曽爾村集落内には、
標識は少ない。
(実際見落としてルートを見失った)
よく見て歩こう。
高原から池の平に下る道は綴折れの急階段なので、
十分注意すべし。
下りきればあとは舗装路を延々歩く。
名張行きのバスは、
17時20分が最終で、
(2001年9月現在)
しかも本数は、
1時間に1本ペース。
乗り遅れると悲惨。