#017
2001.04.08.sun
長谷寺(奈良県桜井市)〜鳥見山公園(奈良県榛原町)〜室生ダム(奈良県室生村)
00
やはり桜の季節は山に行かないと!
しかしここん所あったかいので、
すでに桜も散り始めている。
まあ山やったらちょうど満開やろ!
01
8時40分出発。
おにぎり2ヶとお茶とウインナーを買って出発。
上本町で朝食を食って9時40分の急行に乗る。
やはりかなりの人。
しかし山に行く格好の中高年がやたらと目につく。
はたして何処まで行くんやろ?
10時18分、
桜井駅で各駅停車に乗り換えのため下車。
待っている間にふと外を見ると、
駅前に中高年ハイカーの大群(100人はおった)!
行き先が違っただけラッキーやった。
02
10分待って乗ること10分。
10時38分長谷寺駅着。
駅の桜がお出迎えやけど、
大方散ってしまっておばちゃんが大変そうに花びらを掃除しとった。
(・・・山には桜がまだ残っとるって・・・)
自分に言い聞かせ観光客に混じって長谷寺へ向かう。
1月に来た時と違い、
活気あふれる観光地そのものや。
歩きながら草もちを食べようと思っていたが、
試食に配っていたのであっさり叶ってしもた。
拍子抜けやったがやっぱり旨いのでおやつに3個別に買った。
先日より寺寄りで買ったせいか前は80円で買えたのが90円やった。
03
11時長谷寺前着。
拝観料をケチッて入らなかったので、
桜が綺麗に咲いている長谷寺の境内は外から眺めるにとどめよう。
が、
ペットボトルのお茶を買うのに、
売り切ればかりで振り回されたのがたたり、
下まで戻ったので出発が10分ばかり遅れた。
観光客で一杯の駐車場を過ぎると、
ウソみたいに静かになる。
10人位の中高年ハイカーを追い越し、
向こうから来る怪しい外人バックパッカーに日本語で挨拶をして、
しばらく歩くと前にでっかいコンクリートの塊の、
初瀬ダムが見えてきた。
重力式ダムのせいか裾が広い割に高さがない。
左をぐるっと回るように上に回りこむ。
バス停の横に数軒家があったのは意外やけど、
奥にはダムサイトお決まりの休憩所と便所があった。
11時28分初瀬ダム到着。
04
ダム湖は「まほろば湖」と名付けられていたが、
歴史的背景はなく、
やはり普通のダム湖やった。
まほろば湖
コースは湖の南を半周する。
ダム湖沿いの道は入江なりに造ってあるからジグザグで距離が長い。
ここも例外でなく、
ダムが遠ざからないのにやたらと歩かされた。
散策を楽しみたいところやけど、
ダム湖は斜面がそのまま湖の中まで続くので、
岸もなく殺風景で不気味な印象がある。
静かなのが救いやった。
奥で車道と合流して山に入っていく。
このまま車道?
と思っていたら急に分岐。
小さな神社を抜けると高度を上げて「口ノ倉」という集落に付く。
さっきのダムが遥か眼下に見える。
民家の庭裏からいきなり山道に入るかのように、
いい感じの道になってきた。
しかし木をロープで引っぱっているのをいくつか見掛けるが、
何やろ?
さらに進むと倒木が道を塞いでいる。
倒木が道をふさぐ
木を引っぱるロープもかなり多い。
見ると引っぱられている木はどれも傾いてる・・・
暴風雨の跡みたいやな。
05
12時25分、
一応ピークの「高束城跡」で昼飯。
天気が良すぎて暑いくらいや。
Tシャツでうっすらと汗をかきながらたいらげた。
城跡らしいけどそれらしいモノは見つけられへんかった。
城跡を過ぎると道は軽く下り、
前が開けると田んぼの向こうに萱森が見えると、
道は舗装路の林道に変わる。
集落を離れ林の間から榛原の中心街が眼下に見えてくると、
鳥見山公園への分岐のY字路に着く。
ここから道は細く登りになるが、
さっきまでの静かな道と違いやたらと車が多くなってきた。
頭上に展望台が見えると前に大きな駐車場と桜の木。
13時15分鳥見山公園着。
周りの静けさと打って変わり、
公園内は花見の人達で一杯や。
ここも桜は散り始めていたが、
本数が多く満開で見れないのが残念やった。
展望台でシャッターを押してもらい、
ベンチで草もちとお茶で休憩。
天気が良く最高の気分や。
06
ルートは公園を時計周りに半周する。
最後は上から公園を見下ろす様に高度を上げるが、
奥の山の斜面に木がほとんどない。
余りに異様な雰囲気やけど良く見ると桜の苗木が植えられている。
「2000年の森」と書かれているプレートを良く見ると、
平成10年の台風で斜面の木が全滅したため、
住民が1本1本にメッセージを付けて植樹したらしい。
するとここまで来る途中に傾いたり倒れたりしていた木は、
この台風のせいやったんか・・・
そういえば室生寺の塔も倒木で屋根が崩壊したもんな。
3年前とはいえもう忘れている自分が恥ずかしいな・・・
木が残った斜面で、
倒木を切り除いてルートを整備している人がいた。
一言声を掛けて通りすぎる。
3年経っても被害に手を付けられないところはまだまだ残っているんやな。
丸太の階段を気分良く5分も下ると林道に出会う。
しかしすぐに休耕田の間の畦道に進路を変更する。
ここの標識が少し分かりにくい。
奈良県の自然歩道の標識は分かりにくいのがあるのは前から気になっていた。
しかし有志の手書き看板があちこちにあるので何とかルートを確保できる。
07
休耕田から田植え前の田んぼに変わると眼下が開けて榛原町玉立集落に到着。
青龍寺を中心に数軒の家があるが、
商店はともかく自動販売機もなかった。
新しい広域農道をくぐり国道369号線に出る。
玉立橋でこの近くにバス停があるはずやけど何もない・・・
標識も国道を差しているので交差点で地図を確認。
どうやら少し国道を歩くみたいや。
進む方向から夫婦らしい2人組みがやってきた。
彼等も鳥見山公園からやってきたらしく、
額井岳方面を登って帰ってきたらしい。
この国道を見て車道歩きは断念したらしく、
榛原駅まで細い道はないか尋ねられた。
直交している広域農道は榛原駅に向かっているが、
やはり歩きつらいやろな。
地図によるとバス停は近くやけど、
さっき通ったのをお互い見ていたので、
待ち時間はかなりや。
それだけを説明してその場を離れたが、
タクシーを拾うかバスを待つか歩くか、
結構もめていたようやな。
08
国道と別れ里山の良い林道になったかと思うと、
さっきの新しい広域農道がルートを寸断したらしく、
何度か横切ることになった。
ガイドブックには載っていないので、
現在位置が分かりにくい。
おまけに榛原町独自の標識がありこれが横向きの矢印のみの表記。
Y字路で矢印が中間に入っていたので道に迷ってしもたのもこの辺り。
集落を離れて林道は高度を上げていく。
榛原の中心地もすでに遠ざかり、
室生が近くなってきた。
三重県の県境も近い。
何もない所に看板が一つ。
見ると向こうに額井岳がはっきりと見えた。
額井岳
「大和富士」と言われるだけあって山容はきれいや。
山頂まで登れるみたいやけどここは辛抱して先に進む。
前が開けて額井集落。
十八(いそは)神社が見下ろすこの集落、
眼下の景色からするとかなり高いところにあるはずや。
神社から額井岳の登山道が出ていた。
農家のおばちゃんが鍬を持って神社でお参りしていた。
はるか前方の下に室生湖が見えた。
14時50分。
日は長くなったとはいえ果たして明るいうちに帰れるか?
09
高度がある以外は普通の田園風景のなかをしばらく歩くと、
万葉の歌人「山辺赤人の墓」に到着。
あずまやのある休憩所には誰もいなかったので、
お茶を沸かして草もちで休憩。
沸いたころに向こうから中高年ハイカーが十数人やってきて、
たちまち囲まれ肩身が狭くなった。
しぶとく隅で茶を飲んでいる間にここから下っていった。
手には道中に摘んだ「つくし」が握られていた・・・
桜があちこちに咲いているなか、
しばらく高度を保ったまま山裾を歩く。
大久保集落の奥の戒長寺で右折して山を下る。
舗装路のカーブを黙々と歩く。
集落は道沿いにとぎれずに続いたので寂しくないが、
自転車が欲しくなるくらい舗装路の下りはキツい。
さっきの広域農道をまたくぐって集落を進むと、
やたら新しい神社の向こうに国道165号線が見えた。
神社は「葛神社」。
再開発か親水事業か、
下を流れる川と親しめるような整備された河原だけがやたら新しく見えた。
10
国道を渡り近鉄の線路をくぐると、
室生ダムは近い。
しかしまたここで標識が分かりにくいので道を間違えた。
標識があるところで地図を広げないとは・・・腹立たしい。
もとに戻り正規ルートを歩くとすぐに室生のダム湖が見えた。
さっきの「まほろば湖」と同じくダム湖は入江に沿ってジグザグに道ができている。
最初は湖を右に見て進む。
急斜面がそのまま水面まで続いているのと、
夕暮れが近づいて人気がなくなっているせいで、
周囲は不気味な雰囲気や。
ジグザグの道のせいか釣帰りの車がたまに通るだけ。
おまけに斎場が途中にある・・・
自然を楽しむにはちょっと気味が悪いな。
遠回りのせいか時間が経つ割に進まない。
しかしかなりの距離を歩いているやろな。
16時55分、
「下山橋」と書かれた細い釣橋に到着。
ほんまに細い橋や
興味本位で渡るが、
手すりが低いのと揺れと木の床がやけに気持ち悪い。
向こう岸にわたって看板を見てびっくり!
積載荷重200kg(3人まで)と書いてある。
帰りはさらにビビッて渡らされた。
11
橋から室生ダムが見えるのですぐ着くと思っていたが、
ダム湖は湖の先でL字に曲がっていたので、
さらに1kmほど遠回りをさせられた。
近い所で橋を架ければ・・・と思ったが、
両方切り立った崖で下は斜面やった。
(電線だけ途中で渡っていた)
せっかく開けた周りの景色もまた山中に逆戻り、
眼下の湖が渓流になる所まで戻され、
その対岸を同じ距離だけ歩く。
17時25分、
室生ダム到着。
室生ダムの桜