#015
2001.02.04.sun
宇治(京都府宇治市)〜宇治田原郷ノ口〜鷲峰山〜原山(京都府和束町)
001
次第にアクセスが困難な場所が残ってきた。
京阪電車の回数券の期限も近いし、
沿線で残っている宇治に向かうことにした。
宇治周辺はルートがいくつもあり分かりにくい。
しかも前回山間部に近い志津川で終ったので、
今回は宇治を散策してそこまで戻ろか。
京都府に入ってからよく迷うので、
事前に2万5千分の1の地形図を入手して、
ルートを着色して確認しておいた。
先の宇治田原町の郷ノ口までが約3時間、
さらにその向こうの鷲峰山(じゅうぶせん)を越えて和束町の原山まで、
さらに3時間の合計6時間。
季節柄早出が必須やけど・・・
002
やはり起床は9時。
出発が9時半やから当然宇治には11時半着。
11時40分のバスにのれば10分ほどで志津川口のスタート地点に着くが、
散策を決め込んでいたので、
無謀ながらこの時間に歩いてそこまで向かうことは変えない。
とりあえず腹ごしらえで、
目に着いた手打ちうどん屋でソバの定食を頼む。
後ろの年配夫婦が「うどん」を絶賛していたので、
今度は絶対うどんやな。
(ソバもうまかったで)
腹も落ち着きさあ行こか・・・
と見ると「松原牛乳」というレトロな牛乳屋。
それに「お茶のパン」のおいているパン屋。
通りすぎたがやっぱり気になったから戻って購入。
駅のコンビニで買った物と合わせると、
この時点での装備(食料)は・・・
カロリーメイト2ブロック(ベジタブル味)
小袋入りのビスケット1袋
水300mlペットボトル
はちみつ100%のアメ
松原牛乳パック
ヨーグルト(クリーム風味)
抹茶デニッシュ(生地もクリームも茶入りのパン)
これをザックに詰め込み12時出発。
(遠足以上のお菓子の量やな)
003
前回ゴールしたときは日も暮れていたので、
分からんかったけど、
やはり観光地らしい雰囲気や。
源氏物語をテーマにしているので、
あちこちに紫を基調にした案内板がたっていた。
宇治上神社を過ぎると斜面をジグザグに登っていくが、
山道ではなくむしろ散歩道を思わせる位、
整備が行き届いた良い道やった。
ハイカーに混じって犬の散歩に来る人が多いのも好印象。
途中から宇治川への眺望が良くなり、
仏徳山(大吉山)の頂上に到着。
こんな近くにこんないい所があるのは何とも羨ましい。
展望台から脇に階段を登ったところに、
三角点がひっそりとあった。
ここから裏手にルートが分かれる。
天気が悪かったせいか道はぬかるんで歩きにくい。
いくつか標識もあったので間違えてはおらんやろう。
石の道標のある2又があるが、
左に「志津川本村 3丁」
右に「志津川・天が瀬 8丁」とあった。
どちらも志津川へ行けそうやけど、
巾の広い左を進む。
眼下に車道が見えて合流。
この前のバス停が見当たらんので、
地図を広げて確認すると、
前回のゴール地点より先やった。
地図にない道をきた事になる。
しかし自然歩道の標識はある。
どういうこと?
004
結論。
1.宇治周辺はコースが複数あり、
ガイドに載っていたコース以外にもいくつか存在する。
志津川口〜もみじ谷入口間は最低3通りのルートがある。
2.前回のゴールからここまでは、
未踏破となるので、
日を改めて歩こう。
3.その時に残りの複数ルートも極めたろ。
4.時間がないから今日は前進や。
ちなみに未踏破区間は400m程や。
車道を黙々と歩く。
車は・・・少ないが速い。
遠巻きにみえる志津川の集落には福祉の建物が多い。
やがて山沿いになったと思うと、
目の前に天が瀬ダムが現われた。
12時55分。
もう1時間経過や。
車道の白虹橋からダムを望みながら対岸を戻る。
ダムからの放水のせいか、
宇治川の流れは早い。
所どころ岸で休憩できるスペースがあるが、
ある団体が廃材を派手に燃やして焼肉をしていた。
その向こうに天が瀬吊り橋が見える。
005
木製の吊り橋やけどしっかりしていて揺れは少ない。
天が瀬吊橋
1往復してトイレ休憩。
公衆トイレがよく整備されていて助かる。
道は旧道らしく路上駐車は多いけど通る車は少ない。
しばらく岸辺を歩くと、
頭上の車道を潜って「もみじ谷」へと入る。
見た感じ両側が切り立っていて、
山にはいるのかと思うと通る車も多く、
前におばあちゃんが1人歩いている。
追い越し際に「寒いね」と声をかけられ、
「そうやね」と答えたものの、
歩き続けて少し暑かった。
しばらくすると前に集落が開けてややせまい普通の車道になった。
地図によると「白川」集落で、
静かなところやけど通る車が多くせわしない。
途中で不意にルートは曲がり門を潜って山沿いに進路をとる。
集会所と公園の向こうに白山神社が見える。
社殿は急な階段の上やから下の公園で休憩。
ベンチでヨーグルトをたいらげる。
13時半。
地図を見るとまだ全行程の5分の1くらいや。
天気は薄曇り。
雨が心配や。
006
舗装路ながらも山間の静かなルートを歩く。
やがて前に茶畑が広がり、
気分も良くなりかけた。
が、
その先にやたら新しい道路が見えた。
やはり次第に近づいてついに合流。
片側1車線ずつの歩道のないアスファルトの道を歩かされる。
ここに建つ「東海自然歩道」の標識にはなぜか腹が立った。
(歩道もない車道が『自然歩道』か?)
どうやら旧ルート上に道が新設されてしまったみたいやな。
通る車が少ないのが救いやけど、
こんなところを歩いているヤツを珍しそうに見ていった。
途中で旧道に戻るが、
それも束の間、
14時12分、
さっきより交通量の多い車道に出くわした。
乗用車も多いがトラックがすぐ横を通る。
あーあ、
何してるんやろ。
007
肥料のような匂いがすると思ったら、
両側に養鶏場が広がっている。
外れに卵を売っている店が出ていたが、
持って帰れないので通過。
京都府民公園を過ぎると前に休憩所がみえた。
くつわ池バス停に到着。
歩道もないのにベンチとあずま屋がある。
大きな看板に自然歩道の案内図があったので、
ハイカーに整備されたものやと分かるが、
先に歩道を作ってくれよ。
なぜか自動販売機もあったので、
コーヒーを買ってさっきのお茶のパンで休憩。
食べ物は欠かせない
14時半。
案内板はここから先の宇治田原町内しか載っていないので、
どうやら市町境界を越えたみたいやな。
とはいえ見えるのは車と車道・・・
先が心配やな。
008
後ろから来る車に気を付けながら、
Y字路を左に分かれる。
さっきより車の通りが少なくなったが、
トラックが凄い勢いで通るので気分は最悪やった。
目の前の国道307号線の交差点を越えて宇治田原町内に入る。
サイレンが鳴って15時。
予定通り到着したから先に進もう。
もう一度国道を横切りお茶屋さんのそばを過ぎる。
茶の名産地だけあって加工場が見える。
・・・見てる暇はない。
先に進まないとまた日が暮れる・・・
今日町長選挙があったらしく、
選挙カーがアナウンスをしながら走っている。
夕方の雰囲気が迫るのに、
だんだん人気がない方へ歩くのはやはり寂しい。
民家がなくなり広い車道が急に狭く暗くなり、
道のコンディションも悪く水が流れている。
どうなるやろ、
この先。
009
さらに「地福谷林道」に入り暗くなる。
ハイカーとは当然出会わない。
「ハンターは発砲注意」なんちゅう看板まである始末。
心細くなったとき前が開けて車が1台。
白谷林道出合16時10分。
5時前にどこを歩いてんねん
地図からは道はやや広くなっている感じやったが、
あまり変化なく、
ここから先は急な登り。
しかも以前の大雨か台風のせいで道端に木が倒れ、
石や砂が浮き水が流れる路面はやる気をマイナスに引っぱる。
おまけにこんな所でも車が通る。
しかも何台も。
さらにゴールのバスの時刻も気になる。
16時35分は当然無理やから、
次の17時58分には絶対のりたい。
しかしこの登りはいつまで続くのか・・・
010
右に渓流を見ながら登った道が左に大きく曲がると、
周りが開けて勾配も緩くなる。
前の高圧線を潜ると休憩所が見える。
16時47分大道寺登山道出合着。
トイレもベンチもある快適な休憩所や。
時間はないけど水とビスケットを腹に溜める。
先はまだ登りや。
見晴らしは良く気分はいいが、
17時になっても登っているのでやはり不安やった。
おまけに道端に雪がちらつきだした。
そういえば先の下りは北斜面やな・・・
脇に「のぼり」のあがる登山道があった。
金胎寺参道で、
もう雪が浮いてるで。
3分ほどで鷲峰山金胎寺到着。
標識は右折を示しているが見ると右は急斜面。
さらに良く見ると階段が雪の間にかろうじてあった。
011
17時12分、
意を決して雪の斜面を下りだす。
凍っていたら終りやったけど、
雪は意外に柔らかかったので加速。
ほんまに雪やで
無謀にも走って下山開始。
もう周りは暗くなり始めたからな。
雪に見とれながらもスピードは緩めなかった。
雪がなくなった所からルートは分かりにくくなった。
暗くなると動物も活動を始めるかもしれんという妄想にかられて、
びびって足も早くなる。
と、
左手が急に開けて茶畑越しに遥か眼下に集落と車道が見えた。
はるか下が目指す原山集落
安心感とともにその距離の遠さに我に返りまた走り出す。
足と腰が限界間際の悲鳴をあげるが、
この寒空で1時間以上もバスは待てん。
転がるように無心で下り続けた。
012
いきなり茶畑の真ん中に出る。
道はコンクリートに変わりもう走れない。
小走りに集落のなかに入っていく。
なかは迷路やから方角を見失わないようにさらに下る。
薪で沸かすお風呂があったり興味深いが時間がない。
バス停の場所も分からんのでとにかく焦る。
17時48分、
やっと一番下の車道にたどり着く。
バス停は幸運にもそこにあった。
店も自動販売機もないバス停に2分遅れて18時、
誰も乗っていない賀茂駅行きのバスがやってきた。
駅までの道中は、
寂しく暗かった。
ああ・・・腹減った。
map...
2万5千分の1
「宇治」
「田辺」(これは宇治田原郊外わずか1km弱しか載ってないからなくてもいけるか?)
「笠置山」
宇治志津川口〜白山神社は複数ルートがある
access...
■宇治
京阪特急または急行で中書島で乗り換え
中書島から宇治線を終点まで
約1時間390円(天満橋から宇治)
駅ビル内にコンビニあり
土産もの屋・食堂は数軒あり
■宇治田原
宇治駅から郷ノ口までバスで20分
コンビニはルートからかなり外れたところにある
雑貨などの商店や食料品店はあるが中は未確認
食堂は見掛けなかった
■原山
加茂駅からJRバスで20分530円
1時間に1本なので注意
加茂駅の北側に大きなショッピングセンターがあるが、
バス乗り場とは逆方向
原山バス停まわりには何もないが
坂の上の集落の中に食料品店が1軒だけあった
手ぶらで行くと痛い目にあうやろな
加茂駅〜大阪環状線内950円