out-door
 hike 
#014
2001.01.06.sat
石山寺〜宇治志津川(滋賀県大津市〜京都府宇治市)

001

一昨日慣らしの初瀬街道歩きを終え、
疲れが残らないのをいいことに、
調子に乗って2日後の6日、
また懲りもせずでかけた。
距離が長いのと冬場で日が短いこともあり、
いつもの昼出発ではとても回れないのは明白や。
きばって9時(これでも山行きでは遅いが)に出発。

002

JRで一気に石山まで行くほうが断然早く到着するが、
2月末までの京阪電鉄の400円区間の回数券が、
大量に残っていたので、
京阪で出かけることにした。
これがすべて裏目に出て、
京阪三条でコンビニに寄っている間に浜大津行きが出てしまい、
次が20分後、
しかも当然各駅停車で県境の急カーブをゆっくり進む。
浜大津に着いたのが11時過ぎ、
石山寺駅には11時25分に到着。
結局昼やで。

003

もう当然昼飯食って身軽に行こうって気分になってたので、
寺の手前の食堂で親子丼と名物しじみ汁を食う。
ここのしじみは殻が黒く濃厚な味やった。
店のおばちゃんに、
「重そうな荷物(ザック)やなぁ、
ここにおいてお参りいっといで。」
と親切に行ってくれたが、
目的を説明して丁重に断わる。
「それやったら門を入ったところまででお参りすればええね。」
意味が分からんかったが行って見てなるほどと思った。

004

ここ石山寺でも初詣と思っていたが、
門に入ったところでで『入山料』200円と書いてある。
もう入る気ゼロや。
食堂のおばちゃんの言っていたのは、
ここまでで済ましときっちゅう事やったんや。
寺の前はお土産やがいくつか立ち並び、
ルートを示す看板がなく迷うけど、
門のすぐ左に登り坂の車道があるからそれを登ればよい。
12時にようやく出発。
住宅街を登っていくと京滋バイパスが見えてくる。
その手前の三叉路にいくつか看板がある。

005

そう、
こんな住宅の真ん中に、
「本ルート」と「山の辺ルート」の分岐がある。

 駅からここまで標識なし

左が信楽を目指す「本ルート」、
右が奈良を目指す「山の辺ルート」。
滋賀県内は何処でも友人okaと回れるように、
後の楽しみに取っておきたいので、
右に進路を取る。
どっちにしろここまではまた歩くことになるはず。
・・・しかしどっちを見ても住宅地の中やぞ。

006

分岐を過ぎ左に酒造所を見ながら住宅街を抜ける。
京滋バイパスを潜ると進路を見失うが、
T字路を右に曲がり、
京滋バイパスを右に見ながら車道を進むと石山インターの信号に着く。
角に岩間寺の看板があるからその通りに直進。
バスも通る車道やけど歩道はない。
こういうヤバいところには案内標識は当然ない。
ほんまに合ってるのか分からんけど他に道はなさそうや。
大学を過ぎて下り坂を下り切ると、
岩間寺右折の看板があり、
カラーの標識が建っていた。
どうやら滋賀県のオリジナルみたいや。
古道・自然歩道がいっしょくたに地図で表記されている。

007

上千町を過ぎると住宅はぷっつりとなくなり、
京滋バイパスを再び越えると道は山のなかやった。
石山から約400mの登りは、
登山道やと割と楽やけど、
車道をグルグルとカーブに沿って歩くと、
予想以上の距離と足への負担で汗だくになっていた。

 アスファルトの道を歩く

すぐ上にあるはずやのになかなか高度が上がらんのはじれったい。
13時20分、
ようやく岩間寺に到着。
山頂の静かな寺やけど、
鉄筋コンクリート4階建ての会館が建っていた。
すこし迷ったが本堂の向こうにルートは抜けていた。

008

奥で展望台見たさにわき道にそれたがしっかり迷い、
時間と体力を無駄に使って本線に戻る。
ここから急な山道を下る。
落ち葉が道を覆い、
下の岩を隠していたので走るんやけどスピードが出ん。

 足がかなりはまり込んでいる

約1kmで目の前に棚田が広がり東笠取に到着。
民家は4・5軒棚田の上に見えるが、
倉庫らしき建物におじいちゃんが1人しか見かけなかった。
この先の西笠取でひと区切りや、
そこで半分やな・・・何とか4時半には宇治につくか?
・・・甘かった。

009

東と西の笠取。
隣同士の集落と楽観してたらとんでもない、
間に峠一つはさんどった。
林のなかに車道が消えているのを見てぞっとしたが、
清滝宮とある神社のむこうで開けているのでどうやら峠みたいや。
法面の土木工事現場脇の鉄骨に腰掛けて、
紅茶を沸かしてドーナツで休憩。
バーナーのガスが途中でなくなりヒヤリとしたが、
何とか紅茶は飲むことが出来た。
見下ろすと宇治の町はまだまだ見えない。
もう夕方の雰囲気やで、
帰れるかな・・・

010

下り始めると前から犬がやってくる。
(野犬?)
と内心緊張したが通過。
どこから来たんやろ?
と思うと2軒の民家。
一軒目の家の壁に、
「犬注意」
とあったのでここの犬やろ。
車が1台止まっていて、
家の玄関が開いていたので人は住んでいるんやろ。

011

それっきり家を見かけず山道を延々下る。

 カーブミラーに自分を写す

やがて前が開けて民家とその向こうに学校、
そして出来たばかりの野外活動センターの屋根も見えた。
坂を下り切りセンターラインのある車道に突き当たる。
左が本ルート、
右は醍醐に向かう帰り道。
ここから醍醐まではかなり遠くバスもない。
撤収してまたこの場所から再開するのは、
はなから考えていない。
しかし案内板を見ると、
西笠取〜宇治は12kmはある。
ここまで8kmを2時間で歩いてきたから、
3時間かかる計算や。
今が15時やから・・・18時か・・・真っ暗やんけ。

012

西笠取でじっとしていても帰れないので、
とにかく前に進むことにする。
野外活動センターの向こうを右折。
狭い林道はすぐに高度をあげて集落から遠ざかる。
カーブを繰り返し登り続けると、
鉄砲の音が聞こえる。
猟銃やったら飛んでくるんとちゃうか?
などとビクビクして歩いていると、
国際射撃場の看板。
ほっとすると逆に耳障りになってきたが、
この発砲音は遠くまで聞こえ続けた。

013

山のなかに入るに従い、
路肩に放置されているゴミが気になりだした。
建築残材・電化製品・枯れ草の束・ぼろきれ・・・
見えないと思って好き勝手にしとるわ。
いつまでも続く登り坂とゴミに気分は最悪やった。
やっと下り出すと、
林のなかに道が入りこみ暗い。
すぐ眼下に道が見えるのに階段がないので、
車道をぐるっとまわって高度を下げる。
自転車で下りたいとほんまに思った。

014

塗装工場が見え、
その向こうにテニスコートが見えると、
周りは開けて炭山集落につく。
焼物教室が目に付く。
が、
テニスをしている人以外やはり誰も見かけない。
もう16時10分。
少し空腹を感じたので自動販売機でスープを買って飲む。
宇治まで7kmくらいか。
集落を抜けると外れに看板。
車道沿いみたいやからセンターラインのある車道を歩く。

015

工場が2〜3軒現われ、
その奥に小学校と家が数軒。
歩道はなく交通量はやや多め。
田んぼにいるおっちゃんがじっとこっちを見ていたが、
遠くやからそのまま通過。
林のなかに入った途端急につづら折れの登り坂になった。
必至で登り山のなかを抜けると、
ゴルフ場の入り口に着く。
現在地を確認しようと地図を広げると・・・
ここに自然歩道を示す赤線は通っていない!?
どうもさっきの看板のところから、
脇にもう一本道があったみたいや。
すでに2kmは間違えて進んだ見たいや・・・
合わせて4kmのロス。
それだけやない、
夕闇がもうそこまできていた。

016

とにかく急いで炭山に戻ろう。
さっきより確実に暗い。
さっきの田んぼにおっちゃんがまだおる。
道を間違えたのがまるわかりや。
さっさと通りすぎた。
17時5分に看板に戻る。
脇にいつもの標柱があった。
良く見るとコースを示す矢印は曲がっている。
こいつにはいつも泣かされる。

017

とんでもないロスタイムを食らって、
気持ちはどん底まで落ちたが、
新しい道にさしかかるといくぶん気持ちも切り替わった。
とにかく宇治には向かっているからやろうな。
しかしもう真っ暗や。
街灯なんぞある訳ない。
おまけにこっちの道も車が多い。
ガイドに「ダンプに注意」とあったがこの夕暮れにもう通らんやろ。
しかし今日はヘッドライトをもってきたので、
車に自分を知らせるためにも点灯した。
年末に買った高輝度発光ダイオードランプの威力は強烈やった。
おおげさやけど蛍光灯なみの明るさはあったと思う。

018

左手に山・右手に川の車道を車を交して進む。
車が過ぎると静寂と暗闇がやってくる。
山の方から変な鳴き声が聞こえビビりながら前に進む。
鼻歌を歌ったり、
ライトの光をあっちこっちにまき散らしたりして、
17時40分採石場に到着。
ダンプを恐れていたがもう閉まっていた。
ここを過ぎるとしばらくして民家がちらほら現われる。
眼下に志津川の集落が見えると下からの道路に合流。
18時、
志津川口バス停到着。

019

ここから宇治駅までもうひと歩きあるんやけど、
バスがあと10分程でやってくるのと、
比較的本数があるからここから再開可能と判断、
バスに乗ることにした。
交差点には標識があった。
京都府お決まりの3方向表示やった。
進路は天ヶ瀬ダムの方やから志津川集落の方に向かうのが進路やろう。
寒いなかバスは少し送れてやってきた。
乗客は2人。
・・・今日は疲れた。

map...

data & one point... (2001.01.06現在)

■石山寺までのアクセス
1. 京阪電鉄京橋・天満橋〜三条(特急50分400円)
  三条〜浜大津〜石山寺(地下鉄経由各駅停車45分520円)
2. JR大阪〜石山(新快速45分)
  京阪石山〜石山寺(5分)
後者のほうが圧倒的に早く着く。
遠くて長距離やから早く出発するためにもJR利用が得策。
京滋バイパス沿いの車道歩きのときに、
コンビニが2軒あるので食料は必ずそこで補給すること。
岩間寺を過ぎると西笠取と炭山にしかジュースの自動販売機はない。
(店は当然ない)

■宇治志津川口までのアクセス
京阪電鉄京橋・天満橋〜中書島(特急25分)〜宇治(各停15分以上390円)
京阪宇治〜志津川口(京阪宇治交通10分160円104系統JR黄檗行き)
志津川口のバス停は、
住宅地のはずれやから何もないので宇治駅で補給すること。
バスは通勤時間外は1時間に1本ペース。
宇治駅から仏徳山経由で志津川まで徒歩3km。
仏徳山からは宇治が一望できるので時間があれば寄ってみたい。
ここも駅前で食料調達しといたほうがええやろな。

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