out-door
 hike 
#008
2000.08.06
大柳生口(奈良県奈良市)〜滝坂の道〜円照寺(奈良県奈良市)

000

8月6日(日曜日)、
何とか休みが取れそうや。
先々週に百名山の1座に登頂したので、
今回は軽く歩くことにした。
現在東海自然歩道は、
京都(嵐山)・奈良(柳生から山の辺)・三重(青山高原)
が到達点やから、
これにつなげるところで一番近い奈良に出発した。

001

とはいえ柳生に向かうバスは極端に少ないので、
(春は臨時増発のバスに救われた)
朝は珍しく早く起きて出かけることにした。
近鉄東大阪線のお陰で簡単に生駒山を越え、
1時間もかからずに9時半奈良駅着。
バスは10時34分発やからその間に、
水分と昼飯とおやつ(バナナ)を買い込み、
ファーストフードで朝飯を食って時間調整。
10時38分、
少し遅れて「邑地(おおじ)中村」行きバス到着、
6割の乗車率で駅前を出発した。
(ちなみに次のバスは12時49分)
奈良公園をかすめ市街をでるまでに大半の人が下車し、
すぐに登り勾配になり山中に入っていく。
どうみても自分と同じく「歩き」に来た人が、
1人1人と降りて行く以外は、
何も変わることなく11時10分、
とうとう自分も「大柳生口」にて下車、
集落の外れやのに何とも人気のないところや。

002

靴のヒモを結び直して出発、
(時計の高度計の読み320m・以下同様に表記)
バス停より1分程で前回の続きに合流できた。
大柳生の農協を過ぎるとすぐに畑の中の畦道風となり、
そして山の中へと道は続く。


緑のトンネル

舗装路の多いこれまでの東海自然歩道に反して、
いきなり土の道やから何かうれしい。
田畑と山中を行き来しながら家が見えてくると、
11時45分そこは忍辱山(にんにくせん)町(370m)。
国道と合流したところにバス停と食堂と保育園があった。
ここでいったん国道を横切り「円成寺」の敷地に入る。
美しい庭園を見ながらたくさんのハイカーが昼食をとっていた。
殆どが同じグループらしく、
オレンジのタオルか何かをみんな身に着けていた。
自分もここで軽く食べておくことにした。
(バスに乗る前に食べたから「軽く」ということ)
おいなりさん3ヶ・バナナ1本とお茶少々、
一息着いて中を見て回る。
拝観料をとるので建物内には入らない。


庭園上空のかえで

庭園は池と浮島の配置や蓮の葉が美しかったが、
人が多いと観光地しすぎて落ち着かない。
12時10分
早々に先に進むことにした。

003

寺を後にすると、
再び国道を渡り、
国道から次第にコースは離れて行く。
国道を渡った所に露店で野菜を売っていた。
かごに入ったトマトがめっちゃうまそうやったが、
4つも持っては行けんので諦めた。
土の快適な道を歩いていると、
やはり反対側から団体さんが次々にやってきた。
1対多数やとこっちが挨拶しっぱなしになるので辛い。
まあまあ道が良いから機嫌も良くなり足も軽い。
舗装路とは足にかかる負担も違う。
しかし幸せは長くは続かず、
とうとう舗装路の県道に出てしまった・・・
静かで狭いくせに結構車が通る。
工事現場まで出現する始末で、
気分がまた重くなった。
日陰を選んでだらだら歩くと前が開けて見事な茶畑が広がった。
誓多林町と思われ(420m)、
何軒かの集落があったが、
静まりかえって無人のようやった。
さらに集落を抜け木々に囲まれ始めた頃、
13時10分石切峠の茶屋(425m)に到着。

004

かなり年代ものの建物の中を覗いて見る。
年配のおっちゃんが3人、
一人はワンカップの酒を持っているので客らしい。
ショウケースの中にビールが見えた・・・
飲みたいが先は急坂の下り、
やはりお茶で辛抱するか・・・
なにか口に入れたいので「わらび餅」を頼む。
後から1人また年配のおっちゃんが登ってきた。
草餅を頼んでお茶を飲む。
さっきのワンカップおやじも草餅を2個食べている。
どうやら名物はその「草餅」のようやった。


「草餅」って書いてあるのに...

(のどの乾きには勝てん・・次に来たら食べよ)
しかしこのかなり年期の入った建物を見ていると、
違う時代に迷い込んだみたいやった。

005

茶屋を出ると舗装路の下りが続く。
皆登ってくるので下る自分は掟破りなのか、
まあ下りが決して楽ではないのは分かってきたから、
楽しているつもりは当然ない。
奈良奥山ドライブウェイに突き当たって舗道は終り、
ドライブウェイは若草山の裏を回る一方通行の有料道路や。
一部砂利の道路でさっきより路面が悪い。
しかし目指す「滝坂の道」が見当たらん。
袖に看板があったので良く見ると少し右に行ったところに、
ひっそりと石畳の道が続いていた。


「滝坂の道」は沢沿いの古道

江戸時代から残るこの古道を黙々と下る。
渓流と巨木に囲まれて別世界に迷い込んだみたいや。
さっきまでの山道とは明らかに雰囲気が違う。
13時35分首切地蔵着(340m)。
広い休憩スペースとトイレ有。
13時53分夕日観音着(250m)。
下に行くほど石畳が荒れて歩きにくい。
杜が切れて辺りが開けると住宅街に入り込む。
ルートが奈良市街と山の辺の道に分岐している・・・
今日はここで終るつもりやったが、
まだ2時過ぎで日も高い、
終点を何処にするか決められんまま先に進む。

006

滝坂の道(柳生街道)を外れると、
「山の辺の道」が始まり、
山の手の住宅街を歩くことになる。
久しぶりに「自動販売機」があったので、
忘れずに補給。
次の目印『白亳(びゃくごう)寺』の裏手を歩いているので、
一時ルートを外れ正面に回り込む。
花と見晴らしの良いことで有名な寺やけど、
14時半に入り口(145m)まで行くと、
拝観料を取るみたいやから引き返す。
高台の寺なので回り込むのが大変や。
元来た道に戻るまでかなり時間をロスした。
舗装路も気が付くと住宅がなくなり貯水池で行き止まり、
標識があったが回りはゴミだらけ、
矢印は山の奥を差しているが道がはっきりしてない。
けもの道状の細い道を薮をかきわけ進む。
当然半信半疑。
少し開けて階段があったので進む。
先に人がいる。
格好がジャージの上下でザックを持ってない、
『歩き』
の人とちゃうな・・・
と向こうから話しかけてきた。
「そっちはいてますか?」
・・・???
木をじっと見ている・・・虫取りか?
「カブト虫ですか?」と聞くと、
「この木にいるって聞いたんですけど・・・奥に道はあります?」
さっきの薮道のことを伝えるとそっちにむかって歩いて行った。
大人一人で虫取りっちゅうのは、
どうも商売の臭いがしていややな。

007

さてこの薮を抜けると2車線の県道を横切る。
一面畑のなかを歩道は続いている。


この後道に迷う

蒲の穂やバラを栽培しているビニールハウスを横目に進む。
畑をぬけ民家の裏を縫って大きな貯水池に出る。
向こうの竹薮が聖地・鹿野園(ろくやえん)やろうか?
池の端に標識。
矢印は右折やが奥に三つ又の道が竹薮に消えていた。
この一番右やろうと思って進んだら道は竹薮のなかで消えていた。
そしたら真ん中か?
・・・結構奥まで進んだら、
「不動さん」を祭ったお堂に着いて終り。
気味が悪いのと訳が判らんのでとにかく分岐に戻る。
標識を良く調べると、
右手に土手を下る細い道が薮のなかにうっすらと見えた。
これしかないと薮のなかを進んだ。
不安が最高点に達した頃に舗装路に出くわし標識もあった。
そこには不法投棄された大量の粗大ごみが散乱し、
これまでの気分をぶち壊しにしてくれた。

008

次第に住宅街に戻ってくると、
団地の間に標識があり、
団地と住宅の間に2m程の歩道があった。
抜けると回りは田んぼと畑だけになり、
遠くにみえる標識を探しながらなんとか車道に出た。
ここから集落の中をひたすら歩く。
崇道天皇陵を過ぎると県道に出る。
ここはかなりの交通量なので注意して進む。
5分も歩かないうちに15時50分、
円照寺(75m)着。
寺は参拝不可で静かな印象や。
ラッキーなことにすぐ前にバス停があり、
しかも奈良駅行きですぐにくる。
対向のバス停へいそいで行き、
次に来るときに乗るバスの行き先を調べておいた。
一つ先が終点の「山村町」らしい。
がら空きのバスに乗り、
16時20分近鉄奈良駅前(85m)に到着した。

■access 2000.08.06現在
 近鉄奈良駅〜大柳生口(奈良交通バス)790円
 ※午前中は7:31・8:25・10:34発のみ
  JR奈良駅からも乗れるが上記時刻の3分前に発
 円照寺〜近鉄奈良駅(奈良交通バス)310円
 ※こちらは1時間に2・3本

■one point 気を付けるとちょっと得
自動販売機を見つけたら忘れずに補給すること。
町中でも郊外には店は少ない。
舗装路は結構暑いので山中より汗をかく。

■map...コースマップ(2000.08.06現在)

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