004 大日岳(高鷲スノーパーク) 2006.03.11
駐車場よりひるがの高原を望む
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仕事がひと段落ついた3月始め、
半ば衝動的にバックカントリーツアーを申し込んだ。
3月8日(水)に電話でツアー開催を確認、
翌日振込みで入金を済ませ、
前日身の回りの用意を適当に詰め込んで夜遅く出発、
午前5時に現地に到着したので、
寝袋に入り7時半まで仮眠を取った。
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9時半、
集合場所のクラブハウス2階に向かう。
4人程同行者が待っていたんやけど、
皆かなりの上級者みたいや。
ヘルメット持参の人もおる。
ガイドの「松ちゃん」さんにレンタル品を受け取り、
パッキングを始めた。
参加者は自分を含めて8人+ガイドの総勢9人や。
最初はゲレンデ内を滑降してレベルチェック。
ここで駄目ならゲレンデ居残り。
ザックに食料を詰め込みスノーシューを固定する。
体にビーコン(雪崩時埋没者探査用発信機)を装着、
スノーボードを抱えてゲレンデトップへ向かった。
02
装備を背負うと結構荷物が背中にのしかかって、
滑るのは少し不自由。
4人乗りリフト乗り場まで滑ったら、
リフトに乗りもう一度ゲレンデトップのレストハウスまで上がった。
どうやらレベル的には問題無かったみたいや。
ビーコンのスイッチを入れてハイクアップの装備に変える。
スノーシューとポールを外し、
スノーボードをザックに固定する。
ボード参加は自分を含め3人。
少し不安になる。
他の参加者を見ると、
歩き装備は若干薄着で、
手袋も薄くゴーグルからサングラスに変わっていた。
真似てジャケットを脱ぎフリースを着る。
ゴーグルもサングラスに替えたが手袋は替えが無い。
そのまま上り始めると、
「手袋はインナーだけで薄手にしたほうが良い」
とガイドにアドバイスを受けインナーを取り出して使う事にした。
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スノーシューでの雪面登坂は、
快適やけど、
体の後ろに足を残しすぎるとグリップが弱くなり滑る。
前に踏み出す足をやや強めに雪面に踏み込めば、
グリップが効き面白い様に歩ける。
とはいえスノーボードを担いでの登坂は結構きつい。
天気が良いのでむしろ暑いくらいや。
1列になって歩くので、
後ろの方はガイドの声も聞こえなかった。
04
何度か休憩して12時頃大日岳頂上に到着。
はるかかなたに白山の頂上が見え隠れして、
文句無い良い景色や。
ただ風が強く、
汗ばんだ体は一気に冷え始めた。
周りを見るとジャケットを羽織り、
スノーシューを片付け板を外している。
大日岳山頂 皆準備が早い
ここから滑走や。
ガイドが雪の様子を調べる。
「今日は分水嶺(日本海に流れる川と,太平洋に流れる川をかける山脈)を、
日本海側に下りましょう。」
と、
登ってきた方向に戻らず、
逆に進行方向の斜面に皆滑り始めた。
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雪はやはり晴天のせいでやや溶けて重く、
パウダーランは望めそうも無い。
最悪なことに、
スノーボードやと止まると身動きが取れなくなる。
前傾で滑ると板が潜り悲惨な事になる。
いきなり緊張の中にたたき落とされた様な気分。
先行しているメンバーが止まっている。
前はガケ、
下にガイド。
落ちた?
いや、
ここ滑る!?
雪がやわらかく重いから何とか降りる。
谷筋に集合。
どうやら昼飯や。
なるほどここなら風が無い。
昼食中 もろ雪の上
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湯を沸かしカップラーメンとおにぎり。
やはり旨い。
欲を言えばビールが欲しいが、
気を緩められんところでそれは無理。
ガイドからコーヒーをもらって一服。
天気がよければ何をしても快適や。
ただ足元の雪がやはり冷たかったけど。
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1時間ほどで出発。
下に下ると思いきや、
下ってきた急斜面と反対の斜面を登りだした。
この勾配を?
と思ったけど、
結構いけるでスノーシュー。
滑らないように慎重に一歩を踏み出せば急斜面も登れる。
斜面をひたすら歩く
山頂尾根に再び戻る。
次はゲレンデと平行に谷筋を滑るらしい。
ただ尾根には雪庇が多く、
下手すれば雪崩が起きる。
セッティング中にガイドは弱層試験を行っていた。
雪崩がおきやすい積もり方なので、
ドロップインする位置だけは間違えないようにとの事や。
先に滑ったボーダーが小さい雪崩を起こしたあとがある。
嫌でも緊張が高まる。
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尾根の端でまずガイドがドロップイン。
コースをトレースしようと思ったが、
急すぎて途中で見失う。
最後に行こうととにかく待つ。
最後やと埋もれると皆に迷惑をかけるなぁ・・・
と考えていると先行しているメンバーが一人転倒。
少し気が楽になってとにかく斜面に飛び込んだ。
傾斜は急やけど雪が重くブレーキになっているので、
ターンさえマメに切れば滑ることが出来た。
ただ、
そこから先の林間コースは、
止まると埋もれる、
登りは歩けない、
と考えると緊張して足に力が入る。
重いので木をかわすのが難しく、
体力をかなり削り取られた。
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そしてまた登坂。
ゲレンデの位置が分からないので、
あと何回登坂するのか不安になってくる。
しかも更に急斜面。
滑るスノーシューをジグザグに進める。
高度が出ると今度は滑落の恐怖も手伝って緊張がまた高まる。
とにかく斜面を登り尾根筋を軽く登ったところで休憩。
キツツキが開けた穴が開く木の向こうに、
さっき滑った斜面が目の前に広がっていた。
キツツキの木
後続が遅いので少し待っていたが、
2人ほど垂直に急斜面を登って滑落したらしい。
もう少し尾根を登ると、
ゲレンデトップのレストランが谷筋の向こうに見えた。
このままあそこまで歩くのか?
と思っていたら、
「休憩」
とコーヒーを沸かすガイド。
周りのメンバーは板を外していた。
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コーヒーは格別に旨かったが、
まさかここからドロップインとは・・・
しかもゲレンデに合流するために、
谷に下りずにゲレンデ側の斜面を、
トラバースするように指示があった。
斜面を高度を下げずに滑るのは至難の業やで・・・
ドロップイン。
最後についていくことにして、
出来るだけ斜面の上を狙う。
水平に移動するのに近いから、
スキーは良いがボードには地獄や。
下手に下ると登れないから、
緩い下りをキープして滑るしかない。
重い雪が前に進むことを拒み、
止まれば飛び跳ねて前に進む。
最後に大きく斜面を回りこんだら、
ようやく目の前にゲレンデが広がった。
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やっと戻った・・・
と思ったが、
ゲレンデの雪質はさっきよりもひどく、
何も無いバーンでおしろい様にコケた。
クラブハウスに戻ったところで、
すでにゴンドラに乗ってゲレンデを滑る気力はもはや無かった。
メンバーとレストランで乾杯して、
ガイドの話を聞くと、
参加メンバーのレベルに合わせてコースは変わるらしく、
今日はまだレベルが高い方らしい。
休憩すると疲れがドッと出て、
腹も減る。
朝・昼飯の残りを平らげお土産を買ったら、
高鷲インター近くの温泉へ直行。
スキー客でごった返していたが、
一人なので適当に滑り込んで汗を流した。
日が暮れかかるところで温泉に入ると、
家に帰るのがおっくうになる。
まあ、
のんびり帰るとするか。
info.
ツアーの申し込み(2006年3月現在)
有限会社パワーゾーン
052-788-7575
http://www.powerzone.co.jp
ツアーは1月初旬〜4月中旬開催。
今回参加したのは1dayツアーで、
ガイド料¥10,500.
(ゴンドラリフト代・昼食・保険料別)
スノーシュー・ビーコン等は各自用意。
(レンタル有り)
装備は登坂と滑走で異なる。
登坂は登山装備に近く、
滑走は普通のスキー場の装備に近い。
高鷲スノーパークゲレンデ内SHOP「マジ」
0575-72-2078
岐阜県郡上市高鷲町西洞3086-1