out-door
hike

020 黒部五郎岳 2006.08.26-28



黒部五郎岳とoka親子

00
恒例の夏の100名山。
盆までは立山を目指していたが、
今年は山小屋が雪崩の被害を受けて少ないため、
登山者が殺到して混雑しているらしいので却下。
代わりに南アルプスを目指すはずやった。
8月25日金曜日。
oka邸にて1時間の協議の末、
南アルプスの荒天を確認。
急遽北アルプスに行き先を変更することにした。
場所は・・・立山は諦めていたので、
少し南の薬師岳を狙うことにしてJr.を乗せて出発。
北陸道で富山を目指した。
途中までは立山黒部アルペンルートを目指し、
南にそれて有峰有料林道を目指した。
林道は時間制限があり6時までは通れない。
半分眠りながら3時半にゲートに到着。
他に5〜6台登山者らしき車が停まる駐車場で仮眠することにした。

01
朝、
ゲート前に車の列が出来ているので慌てて並ぶ。
コンクリートのトンネルの部品らしきモノを乗せたトラックも並んでいる。
6時、
ゲートオープン。
一斉に車が流れる。
狭いトンネル・切り立った林道を抜けると広いダム湖の有峰湖が見えた。
晴れた天気に水が美しく光っていた。
更に綴れ織りのヘアピンカーブを上り、
7時前に折立駐車場に到着。
前日からの車を合わせると駐車場は満車寸前やった。
早々に準備をして7時10分出発。(標高1350m)

02
上りはじめから「太郎坂」と呼ばれる木の根がむき出しの急坂が続いた。
樹林帯を抜けるので暑さは控えめ。
8時、
「アラレちゃん」の看板のある大木の下で休憩。
下に「4代目」とある。
そばにいた方の話やと去年ボロボロの「3代目」があったらしい。
当然やけどJr.はアラレちゃんを知らなかった。


アラレちゃんとJr.

03
8時45分、
標高1870mの三角点に到着。
この辺りから広葉樹から針葉樹が多くなってきて、
視界も開けてきた。
先が見渡せ目指す薬師も雲が掛かりながらも見えた。
肩に薬師岳山荘の屋根が光る。
進む先に見える薬師岳山荘と、
手前の稜線沿いに太郎平小屋の2つがある。
薬師にいくなら薬師岳山荘やけど、
定員が60名と少ない。
定員150名の太郎平小屋が快適やけど、
山頂から遠いので、
太郎平で状況を確認して決めることにした。


幅広の快適な道

04
三角点から先は高原状の草原が目に付くようになった。
高山植物を保護するために歩道が整備されている。
こんなに綺麗に整備されている登山道も珍しい。
快適に進みながら10時30分、
標高2220m地点のベンチで昼食。
恒例のラーメンとおにぎり。
天気が良すぎて暑いくらいやけど、
ラーメンはやっぱり旨かった。
薬師岳の山頂だけはずっと雲の中やった。
11時までゆっくり休んでさらに上る。
木道の階段まで整備されていて、
11時30分太郎平小屋着。(標高2325m)


太郎平小屋のある太郎兵衛平

薬師岳山荘は人が多そうやから早々に太郎平小屋に投宿、
強行軍の疲れた体を癒す事にした。
ビールを呑み少しまどろんで夕方、
黒部源流を取り巻く山を見る。
okaが何か考えている・・・
「明日早朝発で往復すれば小屋2泊で黒部五郎岳に登れるで」
恐ろしいことを考えるヤツや・・・
でも秘境の黒部五郎岳に今後いつ登れるか分からん。
『よし 行こう』
先週いためた右足首が気になるが、
とにかく行こう。
そうと決まれば今日は飯をたっぷり食ってビールを呑んで寝るか。
土曜の夜やから宿泊客は多かったが、
3人で2畳(しかもJr.込みで)は十分に広かった。
いつも回りのイビキや窮屈さに山小屋では眠れんけども、
今回は意外にもよく眠れた。
(okaにイビキをかいて寝ていたと後で言われたが・・・)

05
27日日曜日。
曜日の感覚が無い。
ガスが掛かってうす曇やけど、
朝はいつもこんな感じやから心配なし。
朝飯をしっかりとり、
弁当をもらって5時45分出発。
今日は長丁場やから気合を入れて出発した。
太郎山の斜面を登ると先に雪渓が見える。
目指す黒部五郎は3つほどの稜線の先に見えるけども、
片道9km以上もある。
こんな長距離あんまり経験したことが無い。
それどもしばらくは快適な木道が続いて歩きやすかった。
曇り空のまま7時に北ノ俣岳山頂到着。(標高2661m)


北ノ俣岳 寒い

軽く行動食をとるが寒い。
急いで先に進む。
7時30分に赤木岳(2622m)へ着く頃には晴れ間が見え、
雲海の彼方に去年登った笠ヶ岳・乗鞍岳が見えた。


真ん中が笠ヶ岳 右奥が乗鞍岳

ここまで来ると眼前に黒部五郎山頂への急登のジグザグ道がはっきり見える。
ありえないところに道が付いてるのが良く分かった。

06
中俣乗越を過ぎ急登に掛かる。
岩の道をジグザグに進むと、
遠目で見たほどに急さを感じないが、
下を見るとかなりの勾配や。
少し前を進んでいたJr.がイタチを見つけたらしいが、
追いついたときにはどこにもおらず、
見ることが出来なかった。
稜線に取り付き9時25分黒部五郎の肩に到着。
稜線の向こうに黒部五郎小舎が見えた。
頂上はすぐと思ったら結構上まで道は続いていて、
9時35分山頂到着。(標高2840m)


恒例の山頂記念写真

天気が良いうちに速攻で記念写真を撮る。
さすがにここにはJr.以外の子供の姿は無い。
昨日小屋に1人男の子がおっただけや。
当然Jr.は人気者やけど、
昔ほど嬉しそうではなさそうやな。
(ヤツももう小学1年生やからな)
早速軽く食事。
小屋の弁当はチマキ3個とお茶。
まだ早いから、
小屋で買ったカップラーメンとチマキ1個にする。
okaは昨日残ったおにぎりを、
Jr.はミニカップうどんを食べていた。
食事が終わる頃に雲が上がってきて回りが見えなくなった。
(早め早めはokaの計算通りやった)

07
10時半に下山開始。
調子良く下る。
下りは超ハイペース。
12時には赤木岳に戻ってきた。
ここで昼食。
残りのチマキとお茶をいただく。
シイタケたっぷりやったが、
空腹に替えられないので完食。
天気は良かった。
ただ山の上やから回り全部が晴天ということは一度も無かった。
水晶岳・鷲羽岳が見えても薬師が見えない。
富山市街方面が晴れると山側が見えないことも結構あった。
13時、
北ノ俣を過ぎたところで雪渓に立ち寄る。
半分氷になった雪の上を少し歩く。


雪渓とoka親子

御岳での滑落を覚えているのか足が進まない。
思わず転んでしまいJr.に笑われた。
(後で気づいたがこのときパンツが破れたらしい)

08
ここを過ぎたところから、
右足首とそれをかばって左ひざが痛み出した。
okaとJr.は依然ハイペースやけど、
ここは無理せず別行動でゆっくり歩くことにした。
2人はみるみる小さくなったが、
道は1本で分かりやすいから、
焦ることなく歩く。
明日もあるから今無理をすることは出来ない。
鼻歌をを歌いながら歩くと2人は太郎山山頂への分岐で待っていた。
一緒に山頂に行く。
5分も歩かないうちに太郎山頂(2373m)到着。
軽装備の集団がいたのは、
小屋から散歩感覚で来れるところやから。
休憩もそこそこに、
出発。
14時10分太郎平小屋到着。
タイミング良く雨が降り始めた。
よく考えると初の同じ小屋2連泊や。
受付を済ませると前日と同じところやった。
ただ日曜日の夜やから宿泊客は少なく、
一人1畳割り当てられた。
外は雨やから談話室でビールを呑む。
一口目は格別。
でもなぜか山頂で呑むビールはまずい。
変に苦さを感じる。
窓の外は雨。
山小屋は雨水を浄化して飲料水として利用している。
水は貴重品やから雨も降らないとアカンねんや。

09
夕食後、
雨が止み太郎兵衛平キャンプ場を見に行く。
快適な木道を進むと、
急坂の下にテントが4張り程見えた。
思ったより下に見えたので行くのを諦めて戻る。
小屋に戻る途中、
夕日が消えかかり夕焼けがとても綺麗やった。
小屋に戻ると外に人があふれ、
美しさにため息をついていた。


小屋の前にて 人影はoka

天気予報を確認し、
ビールをもう1本呑んで8時には就寝。
何度か目が覚めたが、
良く眠れた。

10
28日(月)。
朝5時に朝食。
雨は降ってない。
ゆっくり用意して6時25分出発。
のんびり帰るはずが7時45分には三角点まで戻ってしまった。
樹林帯の急坂を必死で下って気がつけば9時前に下山。
ここへ来て登山届けを出し忘れていることに気がついた。
(無事帰れたから良しとする)
林道を下る。
今日は月曜日やから対面する工事車両になかなか進まなかった。
立山町内でお土産を買い温泉に入って帰路に着く。
明日からの仕事について、
もうしばらく忘れて余韻に浸っていよう。
薬師岳に登るとき、
また来るまでサラバ・・・

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■折立
名神高速を米原JCTから北陸道に入り、
富山ICから立山黒部アルペンルートを目指し、
県道6号線を進む。
有峰口で亀谷温泉へ分岐、
有峰有料林道(06年現在普通車1800円)で左方向へ進む。
富山ICから約45km。

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