セルフディスカバリー・クロスマウンテンバイク 42km in王滝村
2005.9.18

 焼酎と私  最高の気分です

 とにかく完走しました。 
9月18日朝7時スタートのクロスマウンテンバイク42Kmレースは、総勢600名の大集団でした。
王滝村中心部から約10km上手の滝越を起点に、村の皆様方の応援を受けながら出発しました。
先頭と最後尾が200m以上の、林道を埋め尽くす細長い車列です。
これほど多くのバイクの列を初めて目にしました。
 我々のメンバーは4人、角野さん、イク、エリちゃん、ダイ(私)です。 
スタート地点に近いキャンプ場で野営した我々は、スタート5分前のギリギリに列の最後尾に着けました。
定刻7時に遥か前方の集団がゆっくり動き始めました。 石橋を渡り真っ暗なトンネルをくぐって、
しばらくはアスファルトの緩やかな上りです。
左側を下る渓谷とその向こうの緑や鳥の声が興奮を抑えてくれる様な快晴の朝でした。

 7kmくらいの地点からでしょうか、上りガレ道に突入です。 ガレ道のカーブと登りが延々と続きます。
周りの景色やメンバーの消息など殆んど思い浮かびません。 ナンセ、追い上げられるように、
       ---唯、---ペダルを踏むだけです。 唯、「まわす、回す」です。 (@_@;)
石がゴロつく坂の途中でたまらず一服です。 この時点ではもう、角野さんの後姿はどこにもありませんでした。
あれマァ---と思ったその時、はるか坂下のカーブからイクとエリのお二人が並んで登って来ました。
これ幸いと休みのポーズを送りました。 寝袋から這い出して以来着込んだままのヤッケを脱いでシャツ一に
なったのはこの時です。 折りたためば10*5センチくらいの小さな袋に収納できる赤いヤッケに、
防水スプレーをブッかけた雨天冷温対策品です。 水を飲み、アメをしゃぶり写真を撮りあいました。

 マァなんと云う空気の美味いこと、空の深いこと。
切れ込んだ谷筋を取り囲む緑の綺麗なこと。
昔むかしに、観音岳(鳳凰三山)や槍ケ岳に挑戦した時のことを思い浮かべていました。
真っ白な尾根道と緑の這い松、紺碧の空に浮かぶ観音像がこの瞬間も浮かびました。
霊峰木曽の御岳さんが青空の中に浮かんだいたのも、この辺りからです。
ホット一息つくたびに、いつもガンバレがんばれと選手達を励ましているようでした。

 起点から14、5kmくらいの地点だったでしょう、「峠の広場」で再び休息です。
舞い上がった息を整え、ピクつくふくらはぎを周りの景色で宥めすかしながら、
完走後の美酒とバーベキューに舌なめずりです。 ここからチェックポイントの27km地点までの、
コレマタ永いこと! 団塊の世代のダイ君、ここがキバリどころです。
 またもや「まわす、回す」「マワセ、まわせ」でした。 チェックポイントまで残り数キロの下りは圧巻です。
日ごろ鍛えたダウンヒルの腕前の見せ所でした。 そう想えました。 ・・・ 現実は ーーー
ペダルで支えようとする足はガレ場でもないのにガクガク、ブレーキレバーを握り締める指は
急坂でもないのにレバーを緩めようとしません。 脳裏には「宝山」の、あのまろやかな味が浮かびました。

 27キロ地点は救いの神でした。 ヘルメット、手袋、リュックや靴を放り出して暫し放心。
どこまでも深い紺碧の空が、道端に寝転ぶボクの上に覆いかぶさっていました。 「宝山」ならぬ
天下一品の湧水を味わったのもこの時です。 久方ぶりの「山の水」でした。
しかし、この永過ぎる休息がこれまでの絶好調(?)を変調してしまいました。
  ハーフタイムは10分が相場やのに。

 レースの作戦会議  この人、いつも飲んでるわ

 
  チェックポイント通過後の登りはバリはーど。 「永過ぎた春」のダラーリ感をそのまま持続。
エリちゃん一人がゲンキ元気dot-Com。
 イクは専ら写真係。
  ボクはタダひたすら「まわす、回す」。
幾つのカーブを曲がったのやら、どなたと抜きつ抜かれつ(抜かれつ抜かれつ?)したのやら。
ホットした下り坂も「鵯越の逆落とし」。 よくもマァ自転車でこんな処を・・・
 3人で目出度くゴールしたのは、スタートから4時間五十数分後。
1時間半以上も前にゴールインした角野さんや、マガジン記者君はじめ大勢の人々のお出迎え(?)を受け
ポーズ。いやマァ実に楽しいRunでした。

 キャンプ地に戻りしばしの休憩後、「王滝温泉」へ。
この温泉がまた圧巻。
御嶽さんを正面にしてユーッタリ。
 王滝温泉は、村の中央交差点から十数キロ林道を辿った林の中にあります。
木造戸建の静かな村営の温泉です。 何の飾り気もない湯舟は木曽ヒノキづくりでしょうか。
マッタリとした味のする湯は40度を少し越えて3人を迎えてくれ、朝からの過酷なレースを全く
忘れさせてくれました。
 エリちゃんも板壁の向こうで「木曽のなーーーァなかの〜りさー〜ーん・きィ↑そのー・・・」
   湯上りのホテリを、夕暮れの林を吹きぬける夕風で冷ましながら、再びキャンプ地へ。

 ナオちゃんとツクネの大きな慰問袋を担いでの登場は、まさに、このタイミングでした。
これからが「42キロin王滝村」の第二ステージです。 ツクネは正式な氏を「津国」と称する、
今回のイベントのサポータです。故あってレースには参加せず、
イベントのエピローグにのみ参加したがるDH'erでイクのダチです。

 さて、キャンプ地でのその夜の催し(正確には夕暮れからの催しです)は、それはソレワ
すばらしいステージでした。
満月の下(もと)での完走の宴は夜遅くまで続きました。 が、
あまりにもプライベートにすぎるため、当グループの個人情報保護規定(?)に基づき
公開を遠慮させていただきましょう。
 ただ、牛ロースとツクネは最高の慰問品であったことだけを申し添えます。
  ほんまにオオキニ。(*^_^*)

 キャンプ場2泊、貸しきり温泉、バーベキューパーティー付きのその上に、
往復ハイエース・ドライバー・お飲み物付き、そしてそして山岳悪路の併走つきであれば、
来年の「SDA in 王滝」も完走まちがいなしです。(せめて、4時間以内で走ってや!・・・かげの声)
 
 王滝村の皆様はじめ多くのサポータのみなさま、ほんまにありがとうございました。
王滝村HP
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