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「さしがね」にこめられた「日本人の知恵」



森川正彦(法則化中学太子サークル)

日本で独自の進化を遂げたさしがねは、現代の我々でも設計が難しい伝統的な日本建築を生み出すこととなった。さしがねに秘められた「日本人の気概」を授業する。


「さしがね」を持った聖徳太子の像を提示。

発問1 聖徳太子です。何を持っていますか。

「さしがねです」
「中国から伝わった5種類の尺の中から聖徳太子が選んだものが今のさしがねの原型になったと言われています」
「さしがねに日本独自の『裏目』をつけたのも聖徳太子である、という言い伝えもあります」

発問2 プリントの基準線に対し、直角な線を書きなさい。

発問3 プリントの基準線に45度の線を書きなさい。

発問4 この三角形を、何三角形と言いますか。


直角二等辺三角形です」「辺の比をいって下さい」「1:1:√2です」

発問5 昔の大工さんはこのような知識を持っていたのでしょうか 。

「方圓順度、江戸時代の大工さんが書いた本です。開いてみましょう。」
「三平方の定理ですね」
「さしがねにも数学的な秘密が隠されています」

さしがねの裏には表の目盛りを√2倍した目盛りが刻まれている=(裏目)という

「このような屋根には2種類の勾配が使われています。」

「裏目」はこのような勾配を作る時に使われます。

「丸太の直径を裏目で測ります。実際には√2だったとします」
裏目で測ると1という長さとなります。この長さはこの丸太から取れる角材の大きさを表しています。

「さしがねを裏返すと、2種類の勾配ができます」
「平勾配と返し勾配といいます」
「これを使えば、このような部材が簡単に出来ます」


「日本建築は屋根が命だといわれます。日本の大工はさしがね1本を使い、工夫し、腕を磨きこのような美しい建物をたくさんたくさん作ったのです」

 

  《参   考》 建築大工 さしがね術図解 、大塚常雄 著
          実用図解 大工さしがね術(尺寸法併記) 工博 玉置豊次郎 監修 中原靖夫 著
          明解和洋 さしがねの使い方尺寸法併記 編集: 理工学社      

         


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