安野俊丸  そうめん大会(鶏鳴の滝)
そうめん大会(鶏鳴の滝)
H18,6,17
 「明日はおにぎり弁当でいい。」と、妻から声がかかった。
うーん。実はキャンセルしたん。先月も雨で流れた中山寺奥の院からの中山連山縦走で、結構、きついらしい。5時間ぐらいのコースやし。それで、三上山に登ることにしたん。」、「ふぅーん。自信がないの。」、「ちょっと、まだなぁー。 皆さん、健脚やし。行って迷惑をかけたらアカンし。」、
せっかく、雨から晴れにかわったのに。皆さんと行くのは、父さんには無理ちがう。 比良山の時も、皆さん何とも無かったような顔をされていたのに、お父さんだけ、一人疲れ果てた顔して、情けなかったわぁー。 一緒に行かして貰うのは無理違うー。 やめたらー。」、「うー-ん。そりゃ、六甲山の50km縦走を何回もされた人達やし、追いつかれへんけど、歳とったら歩かんとイカンし。 その内、体力もついてくるやろー。」と、歯切れの悪い俊丸であったが、山歩きで夫婦の会話もはずんだひと時であった。
 当日、「三上山に登って、駅前で風呂につかり、ご飯食べて帰ってくるわ。」と、意気揚揚と出かけた。
自宅8:40 チャリダ− 8:50 みかみコミセン歩き8:55表参道登口
猪が民家に降りてこないよう厳重なフェンスが設置してあり、開け放さないよう注意書きが書かれている。
狸や狐の野生動物も生息しているかも知れない。 フェンス扉を開け中に入る。 一歩踏み入れれば、そこは木々の枝が張り出した別天地。先ほどまで、目を細めるほどまぶしかった太陽も届かない樹木の下。 直ぐに一汗かくが、日陰になっているのでひんやりした感じになる。 樹木の中の空気を胸一杯吸い込む。 花粉症なので、春先さならエライ騒ぎになっていただろうと思いながら、もう一息、大きく吸い込む。
 空気が美味しい。 ひたすら階段を登りつめると、妙見堂跡の廃屋辺りにたどり着く。 また、ここから登りばかり、急な個所には地元の方々が作られた手すりが設置してあり、トレーニングがてら登っている者には大変ありがたい。 「どのように登ろうか?」と、思案するような個所を何回か過ぎると二越にたどり着く。
 ここは大変眺望がよく、登って来た実感を味合うのに丁度よい。 一休み。 普段生活している当たりが、眼下に小さく見える。 我が家の屋根は見えるかなぁーと、探すが見当たらない。 山登りって、「んな風に普段の生活を見直(良い、悪い。好き、嫌い。と言い争っている生活基盤は、うんと小さいエリアの中である。)せるから、人は高い処にのぼるのかぁな。」と、いろんな思いがこみ上がってくる。 下の景色を眺めて、「綺麗なぁ!」と、感動する気持ちを大切にしなければと、また、思う。  さぁー、ここから這うように岩を登る事が多くなって来る。 岩が縦割れになったところもある。少し、大きい方は別ルートもありますので、ご安心下さい。 ここの岩は、大半が縦割れになっていて、その上に大きな石が載っている危ない処もある。あともう一歩。「ヨイショ、コラショ。」岩から這い上がると鳥居が見えた。 やったー、頂上である。 お参りを済ませ、大きな石の上で、ひと休み。 すると、背後からガッサ、ガッサ。 振り返ると同年輩ぐらいのご婦人が、希望が丘ルートから登ってこられた。 お連れも無しで一人。 ようやる。狭い頂上でイヤーな感じ。 慌てて下山開始。 山登りをされる方には悪意の第三者はおられないと思いますが、やっぱり、一人での山登りはルール無視やなぁー。
 今度は家内を誘って登ろうと思う俊丸であった。 帰りは、裏参道をひたすら下る。 「足首をぐねらないようにして下さい。」と、話しておられた整骨院の先生の言葉が頭をよぎる。 一歩、一歩、足元を確かめながらの下りである。だんだん、下界の騒音が大きくなってくる。「あっあー、降りてしもた。もう少し、頂上でゆっくりしていたかったのに!!」 健常者で往復、一時間半から40分ぐらいのコースですが、今日は約2時間。
 まぁー、足元を確かめながらの登山でしたので、こんなものかなぁ。 その後、駅前のスパー銭湯で生中片手にトンカツ食べて、お昼にお風呂。 ささやかな贅沢を満喫。 今頃、皆さんはまだ山の中。 「俊丸は極楽の中、フッフフー、良かった。」 露天風呂に入っていたらポツ・ポツと天の涙。 慌てて上がりチャリダーで帰宅。 その時分には大粒の涙に変わっていた。 疲れた体を指定席で癒していたら、ベランダのガラスを叩く音で目が覚めた。 戻って来た家内である。 慌てて起き上がろうとしたとたん、左大腿部に痙攣がはしる。 何とか鍵を開け、足をさすって貰う。 「もっー、情けない。ウロウロせんと、家でゴロゴロしてたら良いのにー。」と、甲高い声が飛んで来る。 「今度は右足や、痛ったた。痛ったた。」、「もう知らん。自分でさすり。」、「動こうとしたら痙攣になりそう。」、「勝手にしー。」と、話が続くが、「今度、一緒に登ろう。」と、言い出せない俊丸でした。やっぱり、「今日はほんと、皆さんとご一緒しなくて良かったー。しばらく、三上山トレーニングを続けよう。」と、思う俊丸であった。
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