歌手という道に足を踏み入れ、本当に多くのことを経験し学びました。サラリーマンの経験しかない私にとって歌謡界はとてつもなく未知の世界であり、そこに飛び込むという大きな冒険でした。この年齢になってからの、米突きバッタのように頭をさげまわる営業は大変辛いものがありました。キャンペーンに回ったときには知らない新曲をリクエストされ、「知らない」と言うと「歌手のくせに・・・」となじられることもありました。ステージでは、歌詞を忘れてしまったり、間違えて歌ったり、泣きたくなることもたびたびでした。そんな中での心の救いは、たくさんのファンの方々が出来、心から応援していただける皆様に巡り合うことが出来たことです。歌謡界の先輩の方々にも温かい言葉をかけていただいたり、少しずつですが仕事のオファーもいただけるようになりました。ラジオやテレビへ出演することも出来、大変ラッキーな経験ができたと感謝しています。会社の仕事も歌手の仕事も基本は同じで、人と人との心のつながりを大切にすることだと思います。相手の方(お客様であったり、歌謡関係者であったり、興業関係の方であったり・・・)を信頼し誠意を尽くすことから始まります。今年も声の続く限り、相手の方の心を思いやりながら、心に響く歌を歌っていきたいと思っています。