喚鐘は「行事鐘(ぎょうじしょう)」ともいい、法要や儀式の開始を知らせる合図として打つそうです。
徳善寺の場合も報恩講等の法要の際、開始の直前に打たれます。
徳善寺の喚鐘は本堂内縁の左側に位置しています。
法要の前、本堂に喚鐘の甲高い音が鳴り響きます。 少し張りつめた雰囲気の中、本堂に集まった人たちの前で仏事が執り行われようとしています。
「少し張り詰めた雰囲気」は、私以外の門徒の方々にとっては安らぎの音に聞こえるかもしれません。
ここは人に緊張を強いる所ではありませんし、ましてや苦行を行う場所でもありません。
仏事は厳かに進行していきます。 法話の際には、本堂に集まった方の笑い声もちらほら、「緊張」をする場面など微塵もありません。
「張り詰めた雰囲気」は、畏敬の念からくるものかもしれませんが、畏れる(おそれる)事など何もないのです。
あるのは「感謝」の2文字だけ。
全ては煩悩のなせる業、喚鐘の音が心地よく聞こえるまで私はここを離れる事はありません。
一門徒より
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