鋳物について
主な鋳造方法 | |||
1 | 砂型鋳造法 | 生型 | 山砂、人工砂 |
CO2型 | |||
シェルモールド | |||
有機自硬性 | |||
2 | 金型鋳造法 | 重力鋳造 | (グラビティー) |
低圧鋳造 | (LP、ロープレッシャー) | ||
3 | ダイカスト鋳造法 | (ハイプレッシャー) | |
4 | 特殊鋳造法 | ロストワックス、石膏型 |
砂型鋳造法は鋳造ごとに鋳型を造形し鋳込みを行い、鋳型を破壊して鋳物を取り出す。 一方、金型鋳造法は、金属製(FC,FDC,45C等)の鋳型を繰り返し使用する事で造形行程がいらない。このため、一般的に砂型鋳造法は少量生産品、あるいは試作品に使用される。金型鋳造法は中量産品に、比較的高寸法精度で高品質の鋳造品を得られる事を目的として使用される。 砂型鋳造法は鋳造技術の基礎となるものであり、その各鋳造法は鋳型の材料が異なるだけで、注湯方式は重力式(アルミ自身の自重で鋳型に溶湯をまわす方法)が一般的である。 |
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砂型鋳造法の特徴 | |
1.生型鋳造法 | 木型を用いて生砂(山砂)を充填し、突き固めて鋳型を造形する為、鋳 型強度は弱い(指で突いてやると軽くへこむ)。その為、型崩れがおきや すく、砂落ちなどの不良につながる。鋳造方案は自由度が高く、変更が容 易であり、薄肉鋳物にも適している。大きさも小さいものから大きな物ま で幅が広く対応できる。 最近は、人工砂を使用した機械式生型造形法で量産品にも対応できるよ うになっているが、方案に制約があり、アルミ鋳物ではまだまだ普及はし ていない。 |
2.有機自硬性鋳型鋳造法 | 方案や使用範囲はほぼ生型鋳造法と同じであるが、大きな違いは、樹脂 と硬化剤を添加した珪砂を使用するため、鋳型強度が高く、型崩れのない 鋳型ができる。その為、生型鋳造法では難しい複雑な形状やシマの深い鋳物が可能である。特に大物鋳物には適している。 鋳型強度が上がるまでにには10分から20分くらいのロスタイムがあ り、その間効率は落ちるが、数種類の木型を同時に造形できるため、多種 少量品には最適である。鋳型強度が高いため、寸法精度は良い。 |
金型鋳造法 | |
1.グラビティー鋳造法 | 注湯方式は自重による重力式で、LPやダイカストのように外部からの 圧力はない。金属製の鋳型を使うため、方案に制約があり製品によっては できない物もある。また、型修正は木型のように自由がきかず、費用もか さむ。品質面では、溶湯が金型に触れると急冷され、砂型鋳物に比べ内部 組織が密であり機械的性質(強度、硬度など)は良いが薄肉鋳物には湯回 り不良などがおきやすい。寸法精度も一定しておりバラツキは少ない。砂型鋳造は材料を選ばないが、金型鋳造では不向きな材料がある。 生産能力は砂型とダイカストの中間で、中量から大量生産むきである。 大きさは鋳造機のサイズにより異なるが、500mm角までが一般的なサイズであろう。製品によっては1日あたり200個以上鋳造できる。 |
特性 | 砂型 | 自硬性 | グラビティー | ダイカスト | 1 優 劣 5 |
生産値 | 5 | 5 | 2 | 1 | |
大きさの制限 | 1 | 1 | 2 | 5 | |
寸法精度 | 5 | 4 | 3 | 1 | |
形状の複雑さ | 2 | 1 | 3 | 5 | |
薄肉鋳物の容易さ | 3 | 2 | 5 | 1 | |
鋳抜き孔の容易さ | 5 | 4 | 3 | 1 | |
鋳物設計の自由度 | 1 | 1 | 3 | 5 | |
材料の選択 | 1 | 1 | 3 | 5 | |
材料の強度 | 3 | 3 | 1 | 2 | |
鋳物の内部品質 | 2 | 2 | 1 | 4 | |
鋳物の外部品質 | 5 | 4 | 3 | 1 | |
砂中子の使用可否 | 可 | 可 | 可 | 可 | |
鋳物の軽量化 | 4 | 3 | 3 | 1 | |
多量生産の適応化 | 4 | 4 | 2 | 1 | |
型製作費 | 1 | 2 | 3 | 5 | |
鋳造設備費 | 1 | 4 | 3 | 5 |