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明けそむる光をかはす瑞垣や、久しき神の代代かけて、 常盤の松の色かへぬ。 [合の手] 梢に遊ぶ友鶴の、声も長閑に聞ゆめり、 春霞、霞み初めぬる軒端より、 ほのぼの匂ふ梅が枝の、花に宿りて鶯の。 [合の手] 色香にめぐる世の中を、夢の契りを引きむすぶ。 [手事] 初音のけふの玉箒、心をみがく遣り水の、 影も翠に青柳の、糸によるてふ玉蔓、 [合の手] 千歳をかけて四方の空、ながめは尽きじと、 寿き祝ふ春のあけぼの。 |
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明け始める光を交わす瑞垣や、久しい神の代々かけて、常盤の松の緑の色をかえない梢に、遊ぶ友鶴の声も長閑に聞えるのである。 春霞のかすみ初めた軒端から、ほのぼの匂う梅の枝の花に宿ってなく鶯の、色香にめぐり動く世の中を、夢のような果敢ない契りを結ぶのである。 鶯の初音を聞いた今日の玉箒で心をはき、磨く鑓水にうつる影も翠の青柳の糸を縒って作るという玉蔓で、千年までも変らない四方の空の尽きない眺めとして寿ぎ祝う春の曙の景色であるよ。 |
[他] 手事物で、前歌・マクラ・手事・チラシ・後歌からなる。 マクラが長く、手事は短いのが特徴。 春の風物をうたって曙を祝った歌。 |