小塩山〜大暑山
                             2024年12月06日(金)

阪急東向日7:58=(阪急バス)=8:18南春日町−道標−北西へ―正法寺―
8:36大原野神社125m8:46―春日トンネル―
9:02花の寺―<141>―9:19車止めゲート―9:40山道入口290m―
10:00舗道交差380m 10:06―10:45舗道交差548m―N谷―
11:05ドコモ電波塔―11:12淳和天皇陵639m―
11:17天皇陵参拝道外(昼食)11:50―12:02舗道―
12:09大暑山分岐527m―12:25 Ca598―12:36大暑山△567.6m
12:38―13:00西山団地分岐410m―13:36西山山荘175m―
14:01西境谷4丁目14:20バス停=(市バス)=14:47阪急桂

自然保護委員4名と紅葉観察に小塩山に登った。
小塩山(おしおやま)は、標高642mで
西山山地第2の高峰。
大原山と呼ばれたこともあった。
山名の由来は岩塩を産したためとか、
在原業平が楽しんだ塩焼の風情に由来
しているとも言われている。

南春日町大原野神社に向かって
すぐ歩き始めた。
突き当りに、「正法寺580m、大原野神社680m、
勝持寺(花の寺)1.1km 」の表示がある。

村落を抜けると左に見える極楽橋の赤い橋と
奥に遍照塔の赤い塔頭を過ぎて、
正面に秋の装いの小塩山が構えている。


「紫式部 氏神のやしろ 大原神社」の
紫の幟が靡き、赤い紅葉に包まれた
大原神社の鳥居を潜って表参道の
紅葉の並木を進む。

大原神社(小塩明神)は藤原氏の氏神
である春日大社の神々を勧請したもので、
藤原氏ゆかりの社。
現在「京春日」と呼ばれ、親しまれている。

二条の后・藤原高子(清和天皇の后)は、
氏神が鎮座するこの地に行啓した。
このとき近衛府の官人として御供したの
が在原業平だった。
能楽「小塩」では業平と二条の后の
恋物語がモチーフになっている。


右手の鯉沢池に来ると、そば切りこごろ、
春日乃茶屋がある。

左手の瀬和井戸は清和天皇産湯の清水と
伝えられ
「大原や小塩の山も今日こそは 
神代のことも思ひ出づらめ 在原業平」
が古今集歌枕に詠まれている。



また紫式部の和歌に小塩山の名が
あることが紹介されている。


「ここにかく日野の杉むら埋む雪 
小塩の松に今日やまがへる」
越前の守として赴任する父親に従って、
現在の福井県越前市に行った紫式部が
日野山(越前富士)の雪を見て
京都の小塩山を想い読んだ和歌とか。

仁王門を潜ると花の寺(勝持寺)の
境内である。
ここに有る石塁と石垣は鎌倉から
室町時代の小院(本寺に付属する小寺院)
跡のものとか。

白壁に囲まれた道に被い重なるような
モミジのグラデェーションが映える。


願徳寺には国宝の如意輪観音菩薩(平安時代)
があるが拝観は有料。

車止めゲートを過ぎて舗道を歩くと
アベマキが多く見られカゴノキもある。
センダンにはたくさんの実が
なっている。
舗道の曲がり口から山道に入る。


斜面を登ると標高380m地点で
カーブミラーのある舗道に
接した。
ここで見事な紅葉を堪能した。


傾斜角21°の尾根を喘ぎ登ると、
黄葉、紅葉が美しいモミジの林に
入ってきた。

深い谷にはモミジが密集している。
多くはイロハモミジで
葉の切れ込みが深いのが特徴。
ナラガシワ、アベマキも優勢。

深くえぐれたザレ道は落ち葉で隠れ、
足元を確認しながら慎重に登った。
やっと平坦になった標高490mの地点で
一息入れさらに登る。
舗道を横断して広場にでる。

「西山自然保護ネットワーク」の
掲示板が現れた。
カタクリやギフチョウの
案内の他「熊鐘」があった。
今年は熊がよく出没した。
歩いている山道に熊がいる
写真があったのには驚かされた。

ここで見事なキノコのナメコを見つける。
サルノコシカケもある。

カタクリ群生地(Nの谷)には防鹿柵を
めぐらし、アセビなど常緑樹が
繁茂するため森林の手入れを
おこなっている。


カタクリの種子は下に落ちるだけで、
移動は年に数pである。
カタクリの種子にはアリの大好きな
エライオソーム(種冠)があって、
アリが種子を自分の巣に運ぶので
遠くまで種子が散布される。

ドコモ電波塔を過ぎて淳和天皇陵に着いた。
ここは淳和天皇の遺灰を散骨した場所
とされる。



戻って日の当たる所で昼食。

舗道に出て大暑山に向かう。

「近郊緑地保全地区」の石柱に
もたれかかった「大原野市有林」の
壊れかかった看板のある地点から
大暑山に分岐する道にはいる。




車が通れる道で道場のような建物の
前を通り過ぎると山道になり
ネジキが多く、カナクギノキ、
ヤマコウバシ(山香ばし)は枯れた
葉をいつまでもつけている。

Ca598を左に進むと送電線の
鉄塔があり、その先が大暑山である。



三角点があるが展望は効かない。


急坂の尾根道を降りて行く。
表土が流された固い岩肌に
深く積もった落葉は裏に
白い菌糸をまとっている。
なんと立派なヒラタケがあった。

西山団地分岐を過ぎて鉄塔に着くと
展望が開け洛西のタウンや京都市内や遠く
東山から比叡山まで一望出来る。

小屋が見えて、見張り塔が
立つ竹林に出た。
西山山荘の坂を降りれば住宅街である。






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