夏待ち

 もうすぐ夏がやってまいります。

 六月十九日現在、兵庫県南部は近付く台風に怯えるように湿気を含んだ風が僕らに
まとわりつくとかそんなような感じです。肌がなんだかべっとりして、同じく湿気を
含んだMY布団に入ろうもんなら5分ともたずに発狂してしまいそうな、そんな午後
です。

 しかし、僕はこの季節そんなに嫌いではない。先日誕生日を迎えて、ハッピバース
デー梅ー雨ーだからか。まてそんなギャグですましてしまうのか。

 「夏待ち」の季節。日本的な湿気と暗さを感じさせ、しかし夏へのなげやりな希望
も内包したその言葉の雰囲気がたまらなくエロい。―薄暗い部屋で男女が肌を絡めて
離れようとすると糸を引いて溶け合ってしまう向こう側には風鈴がやはり湿ってにぶ
い音をならす―みたいな妄想が進んでいきそうで恐ろしくなってきたので、やはりこ
の季節、嫌いです。おやつすぐ湿気るし。

 もうすぐ夏がやってまいります。

→モドル