月並みでアレだけど。


 暑いよ。



 なんスかこれ。あっちーよ。路上で蟻が死んでるよ。
 蟻って路上で死ぬっけ。死なないよね多分。路上で
 死んでいいのはミミズとホームレスだけだよ。ごめん
 言い過ぎた。言い過ぎたが、もう脳が回らんのだよ。
 うまいこと言いたさの暴走。時としてそれは人を傷つ
 ける結果になる。そんくらいわかってんだよ!あっち
 −んだよ!脳は回らず、地球は回っている。目も回っ
 ている。
 ・・・ほら、暴走して自分を傷つけた。


 ・・・しかし優しいという糖衣をかぶった小心者で
 あるがゆえに自らの発言に怯え続ける僕にさえ暴力
 的な発言をさせてしまう夏。怖いよー。







 怖いといえば、こないだ心霊現象のようなものを
 体験しました。

 最近引越しをしたのですが、今の部屋で生活しだ
 して二週間ほどたったある夜。
 気持ちよく寝てたはずの僕でした。しかしなにか
 気配というか、急に空気の種類が変わってしまっ
 たような感じがしてボンヤリと目を覚ますと、
 すぐに誰かが僕をまたいで左右に歩き回っている
 ことがわかりました。なぜなら僕が寝てる部屋は
 畳張りなので、歩くと音がするんです。
 「チャッ、チャッ、チャッ」
 とあの独特のイグサ音とでも言いましょうか、
 微かな、それでいて気のせいとは言えない程度の
 音がしばらく続きました。

 (ちょ、ちょっと長いよ。寝る前にGS美神読ん
  だからかな?)
 
 などと思っていたら突然金縛りの予感が僕を襲い
 ました。 


 しかし僕は中学の頃からキッチリ月イチで金縛り
 とそれに伴う不思議な現象を体験してきたヘビー
 カナシバリストであり、金縛りを看破する方法を
 すでに高校の頃あみだしていたのです。


 「鋭(エイ)!」

 まあ気合ですわ。
 「負けないゾ!」でも可。
 「ゲラルヒァ!」でも可。
 「孔雀王!」でも可。
 なんでもいいので気合一閃、上体を無理矢理起こ
 すのです。すると金縛りも不思議な現象も大人し
 くなるんです。今回もやはり気合でなかったこと
 にしました。ZZZZ。



 科学や化学で証明できないことはたくさんあります。
 心霊現象もそうなんですが、僕、見えちゃうんです。
 視力検査のあのマーク。C←こんなやつ。
 僕の視力では絶対に見えないはずのCが気合入れて
 見たら見えるんです。眼鏡屋さんに
 「君は信用できない」
 と言われ、変な検査用の眼鏡をかけたまま外に連れ
 てかれて遠くの看板で視力検査しました。




 バイト中に(なんか具合悪いな)と思いだしたら本
 当にオナカ痛くなったり、インド人見た日の晩御飯
 がカレーだったり、皆さんも経験があることかと思
 います。

 気合や思い込みや精神感応。言葉や化学や常識で説
 明できない感覚を我々は持っているんですよきっと。





 ある音楽を好きになる時も実は同じ感じじゃないか
 と僕は睨んでます。
  

 周囲の環境(流行っている、友達が聞いてる、メデ
 ィアでよく耳にする等)を全て取っ払って、そして
 その音楽に対する先入観(ジャンルやレーベルや見
 た目から作られるイメージ)も排除して、さらには
 その音楽に込められた情念(恋愛や青春、思想や郷
 愁、およそ人の心を動かす「音以外」の要素)をも
 全て無視した上でその音楽と一対一で向き合った時
 に、
 「言葉では説明できないけどなんか好き(または嫌
  い)」
 という判断を下す定規を持っているはずなんです。
 それは言葉や数字で表すことのできない根源的なカ
 タチ。

 「グッドミュージックのイデア」。

 そんな夢の中で見る夢のようなモノに少しでも近づ
 きたい。








 ・・・あ!ダッセエ俺。うんこうんこボーン!ドー
 ン!シルベスタスタスタローン!サイバババババ!
 じゃーねー!
 ねー!



→モドル