日曜日の午後、大型ショッピングセンターなんぞに行きますと、 僕の足元を走り抜けてゆく物の怪の気配が。山道を歩いていると 現れて登山者の足に絡みつき転ばせようとする妖怪の一種です。 その名も「子供」。落ち着いて歩いているぶんには特に害はない のですが、少しちょっかいなどをかけますと、とたんにフロアー 中に響き渡る奇声をあげて泣き叫び、威嚇してきます。その声を 聴いたものは運が悪いと死ぬ。助けて水木しげる先生! 子供が信用できません。あれホントに人になるの?道具は長い 年月が流れると妖怪になる・・っていうのと同じぐらいの信憑性 です僕の中で。しかし記録によれば、僕もほんの十数年前はああ だったワケで、やはり月日は百代の過客にしてというか、信じら んねー是。 こないだ友人とザリガニ釣りに行ったんですが。どこにも見当 たらないんですザリガニの野郎。数時間田んぼ周辺を探し回った んですが、結局一匹も見つけることができませんでした。なぜな んだ。今が旬なのに。カリッと揚げて某濱口のように食べたかっ たのに。 思うに僕らは「大人」になったんです。いろんな意味で目線が 高くなってしまったので、ザリの野郎を見つけることができなく なったんです。得るものがあれば失うものもあるのが世の常とは いえ、自然と同じ高さの目線でふれあっていたあの時代はもう戻 ってこないのでしょうか。そして女性誌の理想の彼氏ランキング で常に上位に食い込んでくる「少年の心を持つ男性」に僕はなれ なかったのでしょうか。あああ。 だけど「少年の心を持つ大人」ってキモチワルくないか? |