Blue Mountains

  

シドニーから電車で2時間のところにあるのが、Blue Mountains(ブルーマウンテンズ国立公園)。ツアーを使って日帰りでもいけるけど、あたしは友だちとなんと9日間も滞在した。ブルーマウンテンズに9日はさすがに長いらしく、山しかないのに何するん?!とよく思われた。日本語教師+ホームステイという日常の忙しさや、心からリラックスできひん状況を思うと、ブルーマウンテンズはまさにもってこいの休息の地。そういうわけで、クリスマスをはさんで9日間も滞在した。

滞在したのは、Katoomba(カトゥーンバ)というところで、初日、晩の11時過ぎに駅に着いて、そこから大荷物を(食料品もシドニーで買っていったため)YHA(ユースホステル)まで運ぶのは、ほんまに大変やった。あほほど重くて、何でスイカなんかこうたんやろう……と後悔も微妙にしつつ。まぁ、そういうところは、持ち前の気合とガッツで乗り切った。このブルーマウンテンズで、山歩きを楽しもうと思ったら、ほんまに必要なのは『気合とガッツ』やと思った。

9日間は、リラックス(本気でなんもせぇへん)と山歩きで過ぎていった。ブルーマウンテンズに行った時、ちょうどクリスマスで、クリスマスの昼間に街をうろうろしていると"FREE LUNCH"という看板を発見。絶対うそや、と怪しみながら公民館のようなところに行くと、ステージでバンドが演奏していて、それをボケーっと眺めていると、いきなり注文を取りにこられて、気が付いたら『Yes, please』とか言うてちゃっかり関に案内されていた。相席したのが面白い人で、韓国人と、その友だちの韓国語と英語がしゃべれる日本人と、日本語がしゃべれるオーストラリア人。すげぇ。しかし、自分だけこんなフリーランチを食べている場合ではない!!と思って、YHAでだらだら過ごしていた友達を『ええから来い』と呼び出して、フリーランチを頂いた。プレゼントももらったし、なんかラッキィやった。食べ終わってからその辺をうろうろしていると、映画館を見つけて、クリスマスプライス7ドルになっていたから観て帰ることにした。そのとき観た映画は、ジムキャリーのLemony Snicker's A Series of Unfortunate Eventsという映画で、ジムキャリーが相変わらずやりたい放題で、すげぇなぁ、あの人は、と思った。エンドロールがとてもよかった。なんか怪しげな雰囲気のカートゥーンで、映画によくあっていた。

全く、山に関係ないことをする日もあれば、もちろん山登りだけをした日もある。はじめこそ、楽なコースを歩いていたんやけど、時間はあるし、同じところばっかり歩くのも面白くないし、ということでだんだん山歩きはエスカレートしていった。最終的には、往復で7〜8時間くらいかかるというRuined Castle(ルーインドキャッスル)へ行くコースも行った。しかも、トレッキングシューズなんかもってへん2人やから、かたやプーマ、かたやコンバースと、山歩きをなめているような出立ちやった。ブルーマウンテンズには、『スリーシスターズ』という岩の伝説があって、三姉妹が魔法使いのおばあさんに一時的に岩に変えられていたけど、そのおばあさんが死んでしまって永遠に人間の姿に戻ることはなく、今も三つの岩として残っている、というもの。ブルーマウンテンズのパンフレットとかには必ず載っているくらいの有名な岩やから、どれだけでかいんか、と思って行ってみたら、結構そうでもなかった。ちょっと期待はずれでがっかり。それに、この岩はエコーポイントというところから見られるんやけど、エコーポイントというのはバスから降りてきた観光者がちょこっと景色を……、感覚で景色を見るところやから、ほんまのきれいな景色を観ようと思ったらそんな楽をしていてはあかんな、と思う。というわけで、歩けや、歩け、です。

  

長い、そしてめっちゃ急な階段を下って、まだ下って、ほんまに下って、下って、下って行くと、Rain Forest(レインフォレスト)と呼ばれるエリアにたどり着く。レインフォレストというのは、日本語では『多雨林』というらしく、地面が湿っていて、歩きやすかった。それに、山の下のほうにあるから、緑がほんまに青々としていて、気温もだいぶん低かった。歩いているだけで気持ちよくて、マイナスイオンと言うやつがでまくりなんやろう、と思った。Leura Forest(ローラフォレスト)というところがほんまに気持ちよかった。レインフォレストを歩いている時は、ええなぁ〜ええなぁ〜、ですむんやけど、それを終わった後の、階段が地獄。下りたらもちろんのぼらな帰られへん、これ常識……。分かってはいるんやけど、ほんまに辛かった。これが最後の階段に違いない!!と思って登りきって、曲がったら、まだあるし!!!とほんまに、ツッコミ倒しの山歩きやった。けど、不思議なもんで、だいぶんその階段も辛かったはずやのに、今となっては、レインフォレストが良かったという印象の方が強い。そして、この山深いレインフォレストウォーキングの時は、ほとんど人にであわへんかった。だから、山の底で、休憩している人たちの声がごにょごにょ聞こえてきた時はびっくりした。

レインフォレストにならんで感動したのが、上でもちょっと書いたけど『ルーインドキャッスル』。はじめは8時間かかるという距離に大丈夫かなー、と思って敬遠していたけど、山歩きを重ねるごとに、行こう行こう〜!!ということになってきて、プーマとコンバースで挑戦状を叩きつけた。キャッスル、というくらいやから、お城があるんかと思いきや、岩で積み上げられた高台みたいなところやった。途中までは全然このウォーキングも人に出会わへんかってんけど、ルーインドキャッスル近くになると結構人がいた。いつも、友だちと、どうでもええことを話ながら山歩きをしていたんやけど、ルーインドキャッスルウォーキングの時は、どうでもええ度がマックスにきて、『岡田あーみん』についてかなり熱く語ったもんです。笑 けど、オーストラリアにおって読みたいなぁ、と思った漫画はだんとつで岡田あーみんやったと思う。そして、だんとつで観たいなぁ、と思った番組はごっつええ感じやった。英語で、『崖』のことを『クリフ』というんやけど、ルーインドキャッスルに向かって歩く時にはこの『クリフ』をめちゃくちゃ見かけた。クリフというだけで、観たこともない映画『クリフハンガー』のタイトルを連呼しまくって歩いた。『クリフハンガーやなぁ、これは。』とか言う感じで。全く意味不明やなぁ。山歩き中の会話はほんま、結構どうでもいいことばっかりしゃべっていたし、思い返しても、何でクリフハンガーやなぁ、とか連呼していたかよくわからへん。まぁ、それだけ景色がすごかったんやろうなぁ。ルーインドキャッスルの道はさすがに険しくて、途中、道を見失ったかと思った。ほんまに足場が悪くなって、これ、崩れるやろ?!みたいな岩の斜面に出くわして、それまであった目印のポールが急に消えた。何とか次のポールを見つけた時は、ほんまほっとした。ルーインドキャッスルから見た景色は、ほんまに絶景で、ここまでがんばって歩いてよかった!!!と思った。ただ、帰りはやばかった。途中までは順調に行っててんけど、後少し、しかし、階段!!!というところで、5段くらい登っては、無理やーーーー!!!いやー!!気合やーーー!!!!と、のろのろのろのろ帰っていった。山道が終って、アスファルトになったところもそうとうきつかった。アスファルトのほうが足に直接疲労がくるから、坂がきつかった。『おなかがすいて力がでないっっ!!!』と、アンパンマン口調で言うていると、友だちに『アンパンマンはそんなこといわへん。アンパンマンが力がでぇへんのは顔が濡れた時』とか言われて、『じゃぁ、おなかがすいて力でぇへんのは誰や?!』という話になって(な〜、ほんまどうでもええ会話やろう〜。)、まぁ、答えは、ドラゴンボールのゴクウか!!!とこの話は解決したんやけど、解決せぇへんのはほんまの空腹。もう少し歩いたら売店があるから、とその売店まで気合を振り絞って歩いた。アイスキャンディーを食べた。ほんまにそれがおいしかって、それがなかったらYHAまでたどり着けてへんかったかもしれへん、というくらい命の源みたいな感じやった。いやぁ、ほんま、おいしかったなぁ〜。

なんか、ブルーマウンテンズ、『山歩きが過酷』みたいな感じになってしまったけど、そんなことは決してないから!!!!静かで、リラックスのできるええところでっせ〜。
  


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