大学院生・研究生の受入・指導方針について


研究生志望の方へ

        当研究室では、現在のところ、キャパシティ的に余裕がなく、研究生を受け入れておりません。

 

一般大学院生志望の方へ

        正規の大学院生として入学され、当研究室を希望される場合は、当然ながら受け入れをいたします。
ただし、次の点に注意してください。

Ø        当研究室では、研究者を志望される方を対象とした指導を行います。修士2年で就職を最初から考えている方は、別の指導教官を探されることをお勧めいたします。弊学では、私とは逆に、就職志望の大学院生のみを受け入れている教官もおられます。そちらに行かれる方が、教育効果は高いと思います。

Ø        中国のデータを収集して研究を実施したいという院生については、弊学の中国人教官である黄先生につかれることを強くお勧めします。黄先生は、中国研究の権威であり、利用可能なデータやその収集方法についても有益なアドバイスが期待できます。もちろん、日本でのデータを利用した研究を志向される場合は、当研究室で問題ありません。

        指導方針

Ø        将来的にアカデミックな領域で国際的に活躍できる人材の育成を目的としています。具体的には、海外の学術誌に論文を投稿し、掲載することができる研究者を養成したいと思っています。

Ø        研究領域としては、戦略論、マクロ組織論、技術マネジメントをターゲットとしています。

Ø        方法論としては、定量的アプローチをとることを主眼としています。もちろん、事例分析や定性的方法論も 許容範囲ですし、そのような方法論を学び実践することも強く勧めています。ただし、修士論文、博士論文のなかで、メイン・チャプターとなる箇所については、厳格な定量的方法を採用していることが望ましいと考えています。

Ø        ただし、アンケート調査で得たデータを駆使して多変量解析や項目反応理論を活用したいと考えている場合には、弊学にもミクロ組織論や項目反応理論の専門家がいますので、そちらのゼミを受講されることをお勧めします。私が指導したい定量的方法論とは、客観的データ(non-reactive measure)を用いた多変量解析です。

Ø        ゼミは、授業の場ではありませんので、基礎知識や専門知識は、弊学のコースワークで習得することを前提としています。コースワークでは、定量的方法論は必修としたいと思います。また、数学的方法論も選択することが望ましいですが、どうしても数学に抵抗がある方は、その限りではありません。

Ø        私自身は、現在、経済学的なモデル分析を中心に研究を行っていますが、それを院生に強要するつもりはありません。むしろ、モデル分析を中途半端にやるのではなく、まずは経営学の領域で定量的な分析をキチンと行うことの方が重要だと考えています。数学的方法論の受講を勧めるのは、それを活用するためではなく、自分の研究に関連する経済学の先行研究を理解することが目的です。経営学といえども、経済学の影響は強く、そこでの議論とどのように差別化するのかは、重要な課題だと考えています。そのためには、経済学の文献を正確に理解することが大切です。

Ø        ゼミの指導は、論文作成に焦点を絞っています。どのような問題を設定するのか、データセットはいかにして構築するのか、データ分析の手法はどのようにするのか、いかなる仮説を定式化するのか、といった点について院生の立場に立って、できるだけ具体的な指導・助言を行いたいと思っています。

Ø        私自身が大学院生だった頃は、ゼミで何を提案してもすべて言下に「違うね」と(建設的助言なく)否定されることが多く、何度やめようと思ったか数え切れません。あの苦しさは、いま思うととても懐かしく、非常に鍛えられたと感謝しています。院生の時代は、苦しみと向き合い、そこから逃げずに努力すれば、いつかは活路が開けると思います。私は、できるだけ具体的な提案をして指導することを心がけています。苦しくても途中であきらめずに頑張ってチャレンジしてきて下さい。そうすれば、必ず成長することができると確信しています。

 

MBA院生の方へ

        MBAでの指導方針は、学術的貢献と自社への実務的貢献の両立ができるような論文の作成です。ここでは必ずしも定量的方法論を採用することを勧めるわけではなく、事例分析を中心とするのでもよいと思います。ただし、自社のことを分析したいのだが、会社の許可が下りず論文の公表はできない、という方については、まずは定量的な分析をして、そのアウトプットを上司に見せて許可してもらうようにはたらきかけることを勧めています。事例分析だと生々しい話になりがちで、許可が下りないことの方が多いのですが、統計分析の場合は、個別データは現れませんので、比較的許可が下りやすいというのがいままでの経験です。

        レベル的には、国内の学術誌に投稿できる水準の論文作成を目的としています。