Microsoftペイントで描こう! All About ガイド:土屋 徳子 よりコピー

1 素材定番チェック柄を作ろう!

壁紙(背景)の素材は、正確に描かないと、きれいな連続模様にはなりませんので、本来なら「ドローツール」の領分です。ところが「ペイント」のキャンバスのサイズを変更を利用すると、きっちりとしたチェック模様が簡単に作れてしまうのです。

まだCGソフトに触れたことがない方でも、手軽に作成できる手順をご紹介します。

チェック素材とデスクトップ画面


キャンバスの大きさを変えて、色を塗りつぶしてみる

Windowsスタートメニューの「プログラム」>「アクセサリ」>「ペイント」をクリックすると、ペイントのウィンドウが開きます。「変形」メニューの「キャンバスの色とサイズ」で、幅「20」高さ「20」と数値を入れ、「OK」をクリックしますと、20×20ピクセルの小さな正方形のキャンバスができあがります。 キャンバスの色とサイズ
次にツールボックスの「塗りつぶし」を選択しておき、ウィンドウの下にある「カラーボックス」から、好きな色を選び、キャンバスの白い部分をクリックして塗りつぶします。 「塗りつぶしボタン」と「カラーボックス」
再び「キャンバスの色とサイズ」を開き、今度は「幅」を「40ピクセル」に設定します。
キャンバスの幅
すると、20ピクセル分、キャンバスが横に広くなり、白の正方形部分が追加されたように見えます。チェック素材の上半分ができあがりました。
20ピクセル横に追加されたキャンバス

クリップボードにコピーをして、貼り付け、反転させる

「編集」メニューで「すべて選択」をクリックすると、青い点線が、キャンバスの周りを囲みます。これが選択範囲です。
「すべて選択」で囲む
ここで「編集」>「コピー」をしておきます)。オレンジと白の四角が「クリップボード」にコピーされました。
もう一度「キャンバスの色とサイズ」を開き、今度は「高さ」も「40ピクセル」に設定すると、
キャンバスの高さ
さらに下方に20ピクセル分の白いキャンバスが追加されます。
下方に20ピクセル分追加されたキャンバス
次に「変形」メニューの「反転と回転」で、「垂直方向」>「OK」をクリックすると、
垂直方向に反転
正方形が垂直に反転します。
垂直方向に反転したキャンバス
ここに、先ほどコピーしたものを「編集」>「貼り付け」をします。
まだ選択範囲で囲まれたままの状態にしておきます。
「貼り付け」実行後の「選択範囲」

仕上げのワンポイント

まだ選択範囲で囲まれている状態で、
選択範囲で囲まれている
「変形」>「水平方向」>「OK」をクリックすると、
水平方向に反転
市松模様ができあがります。
選択範囲内で反転
このチェック模様で完成でも良いのですが、右下の四角をすこし濃い色で塗りつぶしてアクセントをつけてみます。
これで素材はできあがりました。
右下正方形を濃い色で塗りつぶす



保存してから壁紙に

これを壁紙にするには、とりあえず保存しておかなければなりませんので、「ファイル」>「名前を付けて保存」で、任意のフォルダに保存しましょう。最後に「ファイル」>「壁紙に設定(並べて表示)」を選択すると、
壁紙に設定
デスクトップ一面に、チェックが広がります。
デスクトップ画面

今回私が作ったものは、濃い配色のビビット系になりましたが、もっと淡い色や、お好きなパステルカラーでの塗りつぶしなど、あなたのカラーのバリエーションをお楽しみください。

2 キャラ絵の基本・主線画を描こう

「ペイント」の「曲線」ツールを使えば、初心者の方でも、マウスだけできれいな線画が描けます。その名の通り「ペイントソフト」ではあるけれども、少しだけ「ドローツール」の感覚も、掴んでいただけるかと思います。



今回描く線画の完成図



下絵はラフに描きこもう

カラーボックス」から比較的薄い色を選択して、ツールボックスの「鉛筆」で、キャラクターのイメージを、キャンバスに描き込みます。薄い色を選ぶ意味は、主線(一般的に黒で描画)との区別がしやすいようにするためです。粗い描画で構いません(あとで消してしまいます)。
次にツールボックスの「曲線」を選び、線の太さを決めておきます)。「曲線」を描くコツは、「1・2・3」の3拍子で作成することです。 

「曲線」は「3拍子」でリズミカルに

「曲線」を描くコツは、「1・2・3」の3拍子で作成することです。 

1.

線を始めたいところでクリック、線を終わらせたいところまでドラッグして放します。まず直線が引かれます。
2.

直線の始点に近いライン上でクリックして、曲線をふくらませたいところまでドラッグして、1度目の変形をします。
3.

終点に近いライン上で再びクリックして、曲線を整えます。

重要なのは、2.の時に、必ず「始点に近い方」から変形させることです。「終点に近い方」から変形させると、曲線がひん曲がってしまうので、気をつけましょう。

これを繰り返しながら、部分的に曲線を作っていきます。気に入らない場合は、「編集」メニューの「元に戻す」でやり直せますが、気に入った線が描けたら、こまめに「保存」をしておくことをおすすめします。

「閉鎖領域」を意識して主線画を描く

今回の絵は、「塗りつぶし」で着色することを目的としていますので、基本的に主線は、パーツごとに色が流れ出ない「閉鎖領域」になるようにします。
ツールボックスの「四角形」「多角形」「楕円」「角丸四角形」などのツールも使い、細かい部分などは、「ブラシ」で補いながら、おおまかな主線画を描き上げます。
「編集」メニューの「すべて選択」した後に「コピー」を実行して、キャンバスの絵を「クリップボード」にコピーしておきおきます。

「背景色を透明にする」で貼り付ける

引き続いてWindowsのスタートメニューからもうひとつ「ペイント」を起動します。この新規の「ペイント」のウィンドウ上に、主線画を貼り付けるわけですが、ここで「背景色を透明にする」ことと、「カラーボックスの背景色を下絵のときの色に設定」しておくことがポイントです。

背景色は、パレットの任意の色の上で、右クリックすると選択できます。
この状態で、「貼り付け」をすると、下絵の線(背景色)が消え、黒い主線だけが表示されます。
最後に、背景色を「白」に設定してから「消しゴム」で余分な線を消して、主線画のできあがりです。

3 塗りつぶしでキャラ着色もたのし

 このように「ペイント」にはレイヤーマスクがありませんが、「複数起動できる」ことと、「背景色透明にする」という機能で、似たような効果を得ることができます。

「塗りつぶし」の色作りとコツ

前回作成した主線画を開きます。
着色していく「描画色」はウィンドウの下にある「カラーボックス」の色から選んでも良いですが、もう少し明るさや、鮮やかさを変えたいのでしたら、「色」メニューの「色の編集」>「色の作成」を開きます。
「基本色」から選んだり、大きなカラーボックス内の色を選択したり、右側の「明るさ」のバーを調節して、好みの色を決定します。
ツールボックスの「塗りつぶし」で、カエルの顔、手、足やリボンなどのパーツごとに、色を流し込んでいきます。
ここでの注目点は、白目部分は一見「白」に見えますが、実は「薄い水色」を流し込んでいます。
今回は背景色を白に設定していますので、あとでバックの画像上にカエルを貼り付けたときに、白目からバック画像が透けて表示されるのを防ぐためです。
 *背景色については前回の「ペイントで描こう!2」の「背景色を透明にする」を参照してください。
新たに「ペイント」を起動し、頬の部分を「楕円」ツールの「内側を塗りつぶす(線無し)」使って描きます。
これを「変形」メニューの「伸縮と傾き」>「傾き」>「垂直方向」の値を「−10度」に設定すると、
楕円の傾きが変わります。
この状態でコピーし、カエル本体のキャンバス上に貼り付けます。「背景色を透明にする」と「背景色(ここでは白)」を確認しましょう。
右頬は再度貼り付けして、選択されている状態で、水平方向に反転して、位置を決定します。

目や頬の光部分も「楕円」の「内側を塗りつぶす」で描画します。ここでも「白」ではなく「薄い黄色」を使っているのがポイントです。
これでカエルができあがりました!

4 キャラ絵をデスクトップに飾ろう

「デスクトップ画像」もキャプチャ利用!

デスクトップのチェック地だけの部分が、広く表示されるようにアイコンを整頓します。
キーボードの「Print Screen」キーを押します。これでデスクトップ画像が「クリップボード」にコピーされます。
新たに「ペイント」を起動し、「編集」>「貼り付け」で、デスクトップ画像が表示されます。
例によって、背景色を「白」にしておきます。
 *背景色については「キャラ絵の基本・主線画を描こう 」の「背景色を透明にする」を参照してください。
前回作成したカエル画像を開き、「すべて選択」>「コピー」して、デスクトップ画像のキャンバス上に、貼り付けをします。
カエル画像の周りの「白」が透過されて、チェック地の上にちょこんとカエルが乗っているように表示されます。

デスクトップに飾ろう!

キャンバスの右下角の「画像変更ハンドル」をクリック&ドラッグで、アイコン部分が見えなくなるように、適当な大きさに調整をします。
「テキスト」ツールを使って、名前やタイトルを入れてみるのも良いでしょう。
できあがりましたら、すかさず保存をしてから、「ファイル」>「壁紙に設定(中央に表示)」を選択しますと…、
デスクトップキャラクターの完成です!

5 ショートカットアイコンを作ろう

第3回の「塗りつぶしでキャラ着色もたのし 」で作成したキャラクターを、今度はショートカットアイコンに利用して、デスクトップに飾ってみましょう。とても簡単です!

<ご注意!>
ご紹介している方法は「Windows XP SP2」の環境ではペイントだけで背景を透過することができません。あらかじめご了承ください。


Windows Meでの作成例ですが、Win98、2000でも同様に作れます

ペイントで「.ico」ファイル保存する

まず「ペイント」を起動して、「塗りつぶしでキャラ着色もたのし 」で作成したキャラクターを開きます。
アイコンの形は正方形なので、ここでキャンバスの右下角の「画像サイズ変更ハンドル」をクリック&ドラッグで、正方形にします。
キャンバスの大きさは「変形」メニュー>「キャンバスの色とサイズ」で確認できます。

また、アイコンにしたときに、背景を透明にするための前準備として、カエルに使用していない色(ここでは青色)で背景を「塗りつぶし」しておきます。キャンバスの左上のピクセルの色が、透明になる特性があるからです。
「ファイル」メニュー>「名前を付けて保存」のダイアログボックスの「ファイル名」の欄で、ファイル名の後の拡張子を「.ico」とつけます。
!このアイコンファイルを保存した場所を、覚えておきましょう!

基本的には、もうこれでアイコンファイル(*.ico)ができてしまいました!

オリジナルアイコンをデスクトップに飾ろう!

ここでは、おなじみのゲーム「クラシック ソリティア」のショートカットアイコンを変更してみます。
「スタート」メニュー>「プログラム」>「アクセサリ」>「ゲーム」から、デスクトップ上にドラッグしておきます。
このアイコン上で右クリックして「プロパティ」を選択します。
ダイアログボックスの「ショートカット」タブの「アイコンの変更」をクリックしして、開いたダイアログボックス右下「参照」ボタンをクリックします。
先ほど保存したアイコンファイルを選択して、「開く」をクリックします。
現在のアイコンの欄に、プレビューされますので、「OK」をクリックして、
「適用」をクリックしますと…
デスクトップ上のアイコンが、カエルのアイコンに変更されて、できあがりです! 早速ダブルクリックしてあげましょう。

この要領で、デスクトップアイコンをオリジナルのものにどんどんカスタマイズするのも楽しいですよ。タスクバーにアイコンをドラッグしてもOKです。ただし何のプログラムのショートカットなのか、しっかり覚えておいてくださいね。