あぶない山陽新幹線が暁光だったりして、神戸からの報告

 中学一年生のホームルームで前期(本校は二期制である)は、中学一年生
 にも歴史がある、というテーマで自分史をやった。そしてわずか12、3年
 の人生を振り返り、自分に影響を与えた人、影響を与えたできごと、という
 テーマで三分間スピーチをさせている。そこで出てくるのはやはり震災のこ
 とだ。彼女達が被災したのは小学校の低学年のときで、それぞれにそれぞれ
 の受け止め方があり、いろいろな形で「今」に影を落としているのがよくわ
 かった。
 
 子どもはかくのごとく震災での経験を心に留めているのに対し、行政はどうで
 しょうか。とまあ、こんなふうに話を展開して、・・・・
 
 さてしつこいようだが神戸空港である。神戸空港はだれが利用する空港なの
 だろう。国際空港ではないのだから、国内線だというのはわかっている。農
 薬散布の飛行機の発着もあるという噂も聞く。神戸空港からどこに農薬を散布
 しに出かけるのか、そんな飛行機が飛ぶ空港にどんなテナントが入るというの
 か、よくわからない。
 
 神戸には新幹線の駅がある。九州や東京に飛行機が飛んだとして、新幹線より
 飛行機を選ぶケースというのはどのくらいの割合なのか。三宮を起点にすれば
 新神戸までタクシーで五分、海上空港まで十五分くらいではないのか。そして
 長崎や鹿児島などについてから、目的の場所に向かうのに二時間くらいもかか
 るとすれば、座っているままの方が楽と考える客もいるかもしれない。
 
 じゃあ、新幹線の走らない北海道はどうか。そりゃまあ、飛行機を選ぶだろう。
 しかし、おそらく伊丹からの方が便数も多いはずだ。その伊丹までわずかリム
 ジンで四十分ほどの距離なのだ。
 
 もう一度尋ねるが、神戸空港はだれが利用するのだろう。
 
 神戸空港にとっての唯一の希望は山陽新幹線の事故の続出かもしれない。山陽
 新幹線よりも、たぶん安全な飛行機が飛ぶ「算用」飛行場、神戸空港として大
 いに宣伝するのがよいかもしれない。神戸の町が、震度6んど夢想だにせずに
 建築したビルのことごとくが崩れたのも忘れ、バブルの時代の手抜き工事で信用
 を失墜した算用新幹線の無様に期待をかけなければならないとは、情けない話だ。
 とまあ、空港建設に納得できない神戸市民の私などは、そんなことを思わずには
 やってられない心境なのであります。
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