H君のリベンジ 2004.4.17(土)



十津川支流のこの谷へは、昨年の5月にもH君と一度釣行している。

エサ、ルアー、テンカラとなんでもやるH君だが、その時彼は久しぶりにテンカラを
選んだ。しかし、H君のこの日は最悪で、竿を二本折る、カメラと共に水没する、魚
は釣れないと散々な一日だった。しかし、その渓相とそれを取り巻く自然の素晴ら
しさが気に入って、もう一度来ようと言っていた。それで、今日はH君のリベンジ釣
行ということになった。

必勝を期して、前夜に車止めに到着して車中泊。朝起きてみると珍しく他に釣り人
の車はなく、今日一日、釣り場は我々の貸切り状態。

7時前に車止めを出て、しばらく歩いてから川へ下りる。



大石をばら撒いたような渓相が続き、
その間を小さな落ち込みを伴って水が流れる

もう太陽は高く上っていて、開けた谷には日が良く差し込んでいる。

早速流れに毛鉤を打ち込むが反応が全然ない。2、3個の落ち込みを釣ってから
回りを良く観察してみると、落ち込みから離れた、ほとんど止水状態になった岸際
の浅場で、小さい羽虫に盛んにジャンプしているアマゴがあちこちに見える。

今度は、それに向って毛鉤を打つが、全く無視。毛鉤が大き過ぎるのだろうか。魚
の前に、横に、後ろに、真上にと打ってみる。魚の向うへ打って真上を引いてくる。
竿をふわりふわりと上下させて誘う。しかし捕食している虫と毛鉤があまりに違うの
か、何をやっても全く反応がない。ではと、竿先を左右に小刻みに震わせ、毛鉤を
ビリビリ振動させると・・・、パクリ。やっと咥えた。

それからしばらく、この岸際のビリビリで数尾を掛けた。



水面は鏡のように滑らか、アプローチは慎重に

やはり天気が良過ぎるせいか、流れの中でようやく魚が出るようになっても毛鉤を
咥えていないことが多い。そのたびに空合わせになって後方の木に頻繁に引っか
かり、今日だけで10本以上の毛鉤をなくしてしまった。



このあたり、さらに大きな石が続き、遡行には体力が必要

所々に現われる水深のある淵では、数回毛鉤を打っただけでは何も起こらない。
普段ならそれで通過してしまうところだが、今日のように魚の出にくいときには粘っ
てもみる。20回、30回と打ち込んでいると、それまで全く魚の気配のなかったとこ
ろでも、反応が出て来ることがある。しかし、出は素早くてUターンも多く、なかなか
鉤に掛からない。



少し減水気味の渓、ノンビリ遊ぶアマゴが数多く見られた

リベンジのH君、やはり出の悪さにはてこずっていたようだが、昼食の時点でツ抜
けの可能性が見えていた。その後、出が少し良くなり納竿の3時には楽勝でツ抜
け。一応リベンジ成って気持ち良く納竿できた。



春の森は明るくて気持ちがいい、道を外れて好きなコースをとる

今日は、夏を思わせるお天気で、渓歩きは気持ち良かったが、釣りの方はかなり
厳しいものとなった。しかし、H君のリベンジも成ったことだし、ビリビリの効果も確
認できて納得の釣行といえるものであった。