低水温と雪に泣いた十津川 2004.3.6(土)



  今シーズンもいよいよ解禁。とはいっても、魚体の回復はまだ十分ではなく、本当はもう少しそっとしておきたいところだが、そこは悲しい釣師の性か、解禁の声を聞くと自然と足が川に向いてしまう。

  今回はテンカラ二度目のKさんを誘っての釣行。目的地は奈良県の十津川。雪代もなく魚体の回復は比較的早い。

  前夜出発して猿谷ダムのダムサイトで車中泊。外では雷を伴った強い雨が降り、水温の低下が懸念された。

  目がさめると、雨は止んでいた。途中で年券を購入し、風屋ダムでへ移動。ここで朝食とトイレを済ませる。この時期は、早朝から釣るよりも、すこし気温が上昇してからの方がテンカラには良いので、日が照り出すのを待ちながらゆっくりと準備をする。そのうちに青空が広がって日も照ってきたので、9時ごろに目的の支流に移動した。

  出来るだけ日の良く当りそうな、開けた渓相の場所を選んで川へ下りる。早速水温を計ってみると、なんとこれがたったの3℃。やはり前夜の雨が影響したのか、これでは釣れる気がしないが、他にすることもないので、とりあえず釣り始める。しかし、それまで晴れていた空が、この頃から曇り始め、白いものがちらつきだした。

  やはりなんの反応も無いまま30分ほど竿を振っていると、上流からエサ釣り師が一人降りてきた。話を聞いてみると、反応は全く無いとのこと。我々も釣りを止めて車へ戻り、少し上流に移動する。


  ここでも開けた渓相の場所を選んで入る。しかし日が
照るどころか、雪はひどくなるばかり、河原や木が見る
見る白くなってきた。30分ほど釣って、きりの良いところ
で林道へ上がる。このまま続けていても釣れる気配は無
いし、体が冷えるばかりだ。Kさんと相談し、とりあえず
温泉に浸かって天候の回復を待つことにした。







  時間はまだ11時前。さすがにこの時間から温泉へ来ている人はなく、2人で温泉を独占してノンビリとくつろぐことができた。その後、付近の駐車場へ移動して、昼食のうどんを作ったりしていると、太陽が照り出し少し暖かくなってきた。温泉にも入り、日だまりで温かいうどんをすする。ほんまにノンビリ出来ました。






  天気も良くなってきたので、再度釣りをする事にする。今度は先ほどよりさらに上流、車止めから歩いて20分ほどのところへ入った。ポイントに着いて、早速温度計を流れに浸けてみると、期待していた水温は4℃。朝より1℃の上昇で、少し期待して釣り始めると、早速反転する魚が見えた。軽く合わせるとうまく針掛かりした。13センチほどのチビアマゴで、針は尻に掛かっていたが、とりあえずは今シーズンの初アマゴ。写真を撮って流れに返してやった。




  その後しばらくしてまた一匹掛けたところで、Kさんと別れて別々に釣ることにした。Kさんから少し上流へ歩いて竿を出し始めると、また断続的にひどい雪が降り始めた。雪が降り出すと、毛鉤はおろかラインさえも見えない。どこを流しているのかも分からない状態になり、当然魚が出ても見えないので、適当なタイミングで毛鉤打ち返して行く。そんな状況でも納竿するまでの2時間ほどで、数匹のアマゴが毛鉤をくわえてくれた。

  別れて釣っていたKさんのほうは、残念ながら坊主であった。この状況でテンカラ二度目ではちょっとしんどかったようだ。

  今回は低水温と雪に泣かされたが、数匹のアマゴを掛けることができた。この悪コンディションでの釣行としてはまずまずの結果と満足しよう。