私の本棚へ                   読書会育ち 
     

 何ヶ月もかかってやっと読み終えた"The Two Towers"BOOK3。苦行でしかな
かった『指輪』だったけれども、BOOK4へ来てうんと読みやすくなった。お話
自体はかなり苦しいのだけど、止まらずに読み進んでいけた。なぜだろう。そ
の理由が知りたくて、これまでのことをちょっと振り返ってみた。
 わたしが洋書を読み始めたのは1998年。最初に手にしたのは、中学生の頃か
らの愛読書だった『赤毛のアン』の原書"Anne of Green Gables"。お話自体は
細部まで覚えていたけれど、久しぶりの英語に手こずって何ヶ月もかけてやっ
と読み終わった。あ、読めるんだ、ということで、次に選んだのは"Anne of A
vonlea"と"Daddy-Long-Legs"。
 知っている話ならわかるけど、読んだことがない本だったらどうだろう、何 かないかとさがしていた1999年、BABELで紹介されていたのが "tuesdays with Morrie"と"Hanna's Daughters"。このころは、どんな本を読んだらいいのわ からなかったので、同じ本を何度も読んでいた。
 繰り返し読むのにも飽きたので、違う本にも挑戦してみようと思ったのが20 00年。ルビ訳というのはどういうものだろうかと試してみたのが"Breakfast a t Tiffany's"。  でも、ルビがうるさく感じたので、これ以降ルビ訳は手にしていない。
 なじみのネット古書店で見つけた"Little Women"、"The Wizard of Oz"。大 晦日に夫と息子がマンションの廃品置き場から拾ってきた"Post Mortem"。洋 書読みのおもしろさに目覚めたころだといえるのかもしれない。
 2001年春、小野出版翻訳勉強会の前身である文芸翻訳独習者クラブ入会。ま ず、4月に"Daddy-Long-Legs"。それ以降、英文リーディング倶楽部(ERC)で、 講談社英語文庫を1ヵ月1冊のペースで読んでいった。読書会でのペースに合 わせて読むようになったのが、このころ。"Cheeseburgers""Little House on the Prairie""Winnie-the-Pooh""Mary Poppins""A Bear Called Paddington" 『アガサ・クリスティ短編集』『ポワロの事件簿』と、続けて読んでいった。
 そして、2002年。ネット古書店で"Harry Potter and the Chamber of Secre ts"(ハリポタ2)が出ていたので、読んでみたら夢中になってしまった。続 いてAmazonで"Harry Potter and Sorcerers Stone"(ハリポタ1)、"Harry P otter and the Prisoner of Azkaban"(ハリポタ3)を購入。一気に読んでし まう。ここへ来てやっと、クリフPB倶楽部への入会を真剣に考え始めた。
 「勉強会を卒業してからフォーラムへ」というルールがあると思っていたの で、マイクロテストで四苦八苦していたわたしにとって、クリフははるかに仰 ぐ高い高い山だった。このままでは何年たっても卒業なんかできない、でも、 もっとたくさんの人と、もっといろいろな本を読んでみたい。そう思って、か なり背伸び気分でクリフに入会を申し込んだのが2月。気持ちを一新したくて、 勉強会とは別ハンドルの「如月」で入会した。"Harry Potter and the Goblet of Fire"読了。
 まずは、ネット古書店で購入した"To Dance with the White Dog"。次にぴ かぴかの表紙の"A Painted House"を手にしたとき、遠い存在だったグリシャ ムを原書で読むのだと思うと、胸の高鳴りを押さえられなかった。"Harry Pot ter and Sorcerers Stone"、"Harry Potter and the Chamber of Secrets"は、 読んだばかりだったので、気楽に楽しめた。
 そして、"The Chronicles of Narnia"。にぎやかそうだな、楽しそうだな、
でも、引っ越しもあるし、どうしようかなと迷っているうち、気がついたら、
そこにいた。引っ越しのときも、なくさないように大事に抱えていった、あ
の分厚いクロニクル。2人でも読書会はできるのだなと、話に関係ないとこ
ろでも感心していた。
 大きく流れを変えたのは"Gone with the Wind"。これはクリフではなく、ER Cでの未読本としてあげて、ひっそりと読んでいたのだけれど、ちょうどその とき、この本がわたしの知らないところで話題になっていたらしく、「読了し ました」と報告したら、来年(2003年)のクリフの課題本になってしまった。
 そして、『大地の子エイラ』。1作目の"The Clan of the Cave Bear"は、
さほど何も考えることなく、参加していた。2作目"The Valley of Horses"。
どうしようかと迷ったのだが、"Gone with the Wind"も読了できたことだし、
ここらで少し、自分に課題を与えてみよう、どれぐらいがんばれるか試してみ
ようと思い、読書会のペースに合わせて読もうと決めた。ついていくと決めた
なら、言い訳せずについていこう。それからが大変。夜といわず、朝といわず、
とにかく時間を作って読んだ。読んでいるうち、だんだん慣れてくる。お話が
急展開するところでは、時間を忘れて読んだ。最後、人物像でひっかかってお
くれてしまったけど、予定よりもずっと速いペースで読了。やればできるもの
だと、ちょっと自分をほめてやりたい気分だった。
 ということで、エイラ3巻が始まるまでに気になっていた"The Two Towers"
を読んでみたら、止まらずに読了できた。ちょっとがんばればついていけるぐ
らいのペースを設定してもらって、そのペースだと一人では続かないのでだれ
か一緒に走ってもらえれば、とても力がつくのではないかという気がしている。
2時間ぐらいなら、じっと座って読み続けられるようにもなった。
 こうしてみると、わたしは読書会に育てられたようなものと言っても過言で
はない。だから、今度はわたしから「一緒に読んでみませんか」という気持ち
で、いろいろ提案し、企画している。どこまでできるかわからないけれども、
同じ本を同じときに読むことを通して、ちょっぴりずつでもみんなと楽しい時
間を過ごせたらいいなと思っている。

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