私の本棚へ                             わたしのこの1冊

 この1冊と言われれば、村岡花子訳「赤毛のアン」である。中学生の頃に出
会い、高校生で邦訳全10巻を読了、アンは当時の私にとって心の友だった。
ちっぽけな町に住んでいた私にとって、アンは広い世界へつながる扉だった。
髪を三つ編みにしてみたり、教会へ通ったりしていた私は、子どもっぽい憧れ
の中にいたのかもしれない。その後、様々な曲折を経て、3児の母としてアン
に再会した。英語の勉強を再開していた私は、今度は原書でアンと出会った。
村岡訳でなじんだ明るく夢見がちなアンとはまた違う雰囲気と文体に、目のく
らむ思いであった。その頃出版された新訳やモンゴメリの日記にも手を伸ばし
た。モンゴメリの苦悩の中に、現代に生きる私たちとの共通点を見出したよう
な気がする。アンの中にモンゴメリが透けて見えてくる。そして今、架け橋に
なりたいと願う私の原点はやはり、アンであると実感している。

 

仲間と読む
慌ただしい暮らしの中で好きな本を手に取るのは何よりも心安らぐ時間。一人
で読むのもいいけれど、誰かと読むともっと楽しい。そんな仲間との場所がこ
こにあります。わたしに洋書を読むことの楽しさを教えてくれた仲間たちのい
る場所を紹介します。
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