■ ヘッドライトHID化(35W仕様) ■
言わずと知れたHID!!
HIDの正式名は、『High Intensity Discharge』と言います。
HIDには、色温度と言うものがあり、その単位はK(ケルビン)で、よく聞くのが4100K〜9000Kまでかな?
この色温度と言うのは明るさではなく点灯時の色で、ケルビン数が高くなるほど青っぽくなる。
HIDの特徴としては、長寿命(2000時間)でハロゲンより明るく(ハロゲンの150〜200W相当)低消費電力(35W)なのだ!
がしかし、点灯時には50〜70Wくらいの安定した直流電流が必要となる。
HIDは一般的に、インバーター・イグナイター・バーナーと3つの部品から構成されており、車ではインバーターとイグナイターが一体になったバラストというのもある。
今回はそのバラストとバーナーを使い挑戦してみることにした訳だが、バラストにもメーカーにより色々とあり、タダでさえ取付けスペースの少ないXR650Rだから、出来るだけ小型の物にしないといけなくなるのだ。
また、XR650Rのライト系の電源は交流なので直流にしないといけない…。
最近よく見るサンヨーテクニカ製の二輪用HID(21W)ではスクーターなどの低電力車及び交流対応のものがあるが、35WのHIDには明るさが劣るらしいので、あえて35W仕様に挑戦です!!

●バラスト
バラストは、HELLR社製のもので、写真をよく見ると『12V』と書いてあるのがわかる。
HIDのバラスト等にこういう黄色いステッカーに△印の中にカミナリのようなものが書いたマークがある。
これは、『高電圧なので注意!!』と言う意味である。
その高電圧というのはハンパな電圧ではなく、バーナーを点灯させるのに18000〜20000Vまで昇圧されているのだ!
だから、バラストには防水性が必要となる。
車用でよく出回っているのは、幅がタバコ2個サイズで厚みがタバコよりちょっと薄いのがある。
しかしこれは全然防水されていないので、蓋を開けてシーリングをべた塗りで蓋をする方法をよく見る。
それに比べて、このHELLR社製バラストは、開けてみるとOリングが入っており防水されている。
そして写真であるように、下からコードが出ているのが電源部(直流)で、上側のコードをバーナーへ接続する。
この上側のコードに前述の高電圧が流れるのだ。

●バーナー
バーナーは、BELLOF社製のもので、バラスト共に中古で手に入れた物である。
ケルビン数は、不明だが前所有者によると4100Kだそうな…好みとしては、5000Kくらいが欲しいところ。
基本的にバーナーは、D2SやD2Rという専用形状が一般的で、ここ数年の間にハロゲンのようなH4やH7という形状の物が出回ってきた。
写真を見てもわかるとおり、これはH4タイプのバーナーです。
写真では遮光板という物をバラした状態で撮影しており、この遮光板はただステンレス板を曲げただけの物だったので鏡面加工をしてる途中である。
BELLOF社のバーナーは高いくせにこういうところにもっと手を加えて欲しいものだ…。

鏡面加工
鏡面加工後の遮光板です。
同時に反対側も鏡面にしてライトレンズ内であちこちに反射するようにしました。
この鏡面作業は、『NEVR-DULL』というものを使い、せっせと時間を掛けて磨き上げました。
これで最初にHIDを付けていた時よりも明るくなるはずだ!!

組みあがったバーナー。
いかにも明るそうになったではありませんか!(笑)
これで早速点灯確認してみます。

そしてバーナー本体にも加工を施すことに。
レンズ内に面する箇所にアルミテープを貼っただけである。
少しでも明るくなるかなと思い、やってみました。
効果はどの程度かはわからないが、ノーマルの黒いままよりは効果が期待出来る!!…と思う(笑)

●バラストの設置
バラストの配置には苦労します…。
今の段階ではとりあえずと言うところで写真のようになりました。
ノーマルはハーネスがメーター下部へ横になってメーターステーの結束バンドで固定されていますが、それを縦に配置し、その部分にバラストを持ってきました。
バラスト固定方法は、メーター取付の袋ナットの所にホームセンタなどに売ってある汎用ステーを適度な大きさに曲げて共締めして、バラストを乗せてタイラップで固定しています。
これでも窮屈なのでバラストは斜め(ライトユニット上部)に設置してありますが、まだ検討の余地があると思われる。
バラスト下部はライトユニットの為のスペースなので余り使えない…。
ちなみにバラスト右側の下の方にバイカレントリレー2があります。

●HID点灯
めちゃくちゃ明るくなりました。
夜間に撮影して露出の関係のせいなのもあるでしょうが、写真では眩しすぎてライト廻りが見えません(^^;
右側の写真でも照射範囲では、昼間のような明るさ!
ちょっと青っぽくなっていますが、実際はもう少し白いです。

しかし、安定した直流電源がまだなので、アイドリングでの点灯時にはフラッシングしていて回転を上げると点灯し、安定後はアイドリングでも問題なく点灯しております。
ただいま電源安定化を検討中なのでまだまだ更新が続きます。

●電源対策(その1)
さて、HIDを点灯時からちゃんと点けようということで、こんな物を作ってみました。
バッテリーというのはもともとでかいコンデンサーみたいな物で、ちまたでよくあるバッテリーレスキットというのは電解コンデンサーらしいから、じゃぁ電解コンデンサーを繋いでみてはどうだろう?という発想です。
しかし、すでにXR650RのReg/Recには2200μFの電解コンデンサーが付いている。果たしてうまくいくのか?
やってみないとわからないと言うことで実践!!
今回のこの電解コンデンサーの仕様は、4700/2200/1000/470/100μFの物を使い全て並列に繋いで、これをReg/Recのコンデンサーの配線へ並列に繋いで、さぁ点灯確認!
ダメだった…(^^:
しかし、以前よりはアイドリング状態で点滅しながらも放っておくと段々と点滅の点灯時間が長くなりそのうち点灯するようにはなったので少しは効果があったようである。でもこの程度だとまだまだ…。電解コンデンサーの充放電は早いからか?それともXR650RのReg/Recって半波整流なのか?
その辺は特別な機器がないとわからないのでどうしようもないな…(^^; とりあえず、今後Reg/Recは替える予定なのでそれから!

●電源対策(その2)
前述のコンデンサーでは、期待した効果は得られず結局バッテリーを積むことにした。とは言っても、超小型のバッテリーでライト系チューンで有名なBajaDesigns製の物である。
それと同時に前述で述べたようにReg/RecもBajaDesigns製のものに交換した。
この2つはそのまま接続出来るようになっており、−はアースで、+を各コードに分岐接続すればよいのだ!
設置方法は写真でも何となくわかると思うが、CDIをラバーから外し前方にズラしてマジックテープで固定する。
バッテリーも同じようにマジックテープにて固定するが写真の位置ではそのまま付きません。
それはCDIのラバーを固定する2つのタブが付いている為である。この片方を撤去してしまうのだ。
Reg/Recもすんなりとは付かなく、若干Reg/Recのフィン部とステー部がジェネ強化で紹介しているアース基点に干渉してしまうので少し削り落とす。また、ノーマルのReg/Recを付けていたところの回り止め(?)2つのタブを削ると取り付けやすくなる。
さて、これで設置は完了で配線もジェネ強化で紹介した配線が出来た人には簡単に出来る。
しかし、ただ接続しただけでは、バッテリーが繋がったままの状態なのでエンジン停止やキーをオフにしてもライトやウインカーは付いてしまうので、スイッチを付けないといけない。
そこで目を付けたのがメインキーの回路である。メインキーには、キーをONにするとONとOFFになる2回路(4コード)の配線があるのでこれを利用したのだ!こうすることで、メインキーはバッテリーからの電源スイッチと兼用となり、いかにもバッテリー付車のようになる。
さて、肝心のHIDの点灯だが見事に成功だ!!ライトスイッチオンで問題なく「ブウィーン」とHIDが点灯してくれました。しかもエンジンを掛けずに点灯することも出来ました。
配線図は↓でダウンロード出来ます。
ダウンロード←この配線図にはないが、上の右側の写真にあるようにリレーを設置してみた。
これは、メインキーを介したバッテリーの線をリレーを繋ぐことで、メインキーから返ってきていた線を短くできるので少しでも電圧降下を防ぐことができる。
こうすることで、発電された電気を出来るだけロスなく流しやり、各電装パーツに電気を送ってやることが出来る。
ほんの僅かだけでしょうけどね(笑)

●振動対策
さて、HIDを点灯は成功したが、更なる問題が発生。
それは、上にも書いてあるように、振動対策です。
今回採用したBELLOF社製のバーナーは、バイク用に市販されてはいるが振動対策が全くされておりません。
振動により、バーナーの根元がぐらついてきて、そのうち折れるのではないかと思い、心配になったので外しました。
また、別のHIDを付けようかと検討中で、その時には最初から振動対策をするつもりです。
これから、HIDを付ける方はバーナーだけでも高い物ですから何か対策をしておいた方が無難です。