このページは、5分で解る「のまネコ」問題様のページをインスパイヤさせて頂きました。多謝!
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かつて、「ヴィッセル神戸」と呼ばれていたチームは、もうこの世のどこにも存在しません。
現在、「ヴィッセル神戸」の名を騙っているチームは、「ヴィッセル楽天」、もしくは「ヴィッセル三木谷」です。 それゆえ、彼等を応援することは、同時に「神戸の街」の名を貶めることになります。 *はじめにまずは、この写真をご覧下さい。どこのサッカーチームの選手だと思われますか?
ローマ? アーセナル? マンU? 浦和レッズ? 違います。 これは、「ヴィッセル神戸」という名の兵庫県神戸市を本拠地にしているJリーグチームの写真です。 ……え? 「ヴィッセル神戸は、白と黒の縞々ユニフォームじゃなかったのか」って? その通り。 2004年までは、白と黒と水色の三色がチームカラーだったのです。
似ても似つかぬ両チーム。 共通点は、ストッキングの色と胸スポンサーだけ。 毎年のようにユニフォームを変えるサッカーチームでも、ここまで劇的な変化は例がありません。 一体、このチームに何が起こったのでしょう。 そう。2005年シーズンから、ヴィッセル神戸は、チームカラーを白黒からクリムゾンレッド(深紅)に変更したのです。 しかし、ただ変更しただけではありません。 その裏側には、非常に重要な問題が数多く秘められています。 何が問題なのか、それを判断するためには事の成り立ち、経緯を知る必要がありますね。 それでは、一緒にその経緯を見ていきましょう。 *クリムゾンFC(楽天)「Vヴィッセル」問題 - 経緯2003年末、神戸市を活動地域とするJリーグチーム「ヴィッセル神戸」は、累積赤字約42億円を抱えて経営が破綻し、民事再生法の手続き申請を行いました。事実上の倒産です。 経営破綻した理由は多々ありますが、やはり一番の原因は、市の運営というお役所的な経営体質のせいで、J1に昇格してもチームの成績が一向に上がらず、スタジアムにお客さん(サポーター)が来てくれなかったから、それに尽きるでしょう。 そして、2004年2月1日、チームは、株式会社「楽天」社長「三木谷浩史」氏が個人的に所有する「クリムゾングループ」に譲渡されました。
この時点では、ヴィッセル神戸のサポーターの反応は、概ね好意的な物でした。 三木谷氏は神戸市の出身ですし、何より、チームを存亡の危機から救ってくれたという感謝の気持ちがあったからです。 また、氏の経営するインターネットモール「楽天市場」が業績好調だったため、その潤沢な資金でチームが強化されるのではないかという甘い期待もありました。 それからすぐ、彼は、経営会社の名称を「クリムゾンフットボールクラブ」(以下、クリムゾンFC)に変更し、具体的な経営に乗り出しました。 豊富な資金力をバックに、次々と新しい改革プランを掲げ、弱小チームだったヴィッセル神戸を世界に通用する強豪チームに育て上げようとしたのです。 サポーターとの最初の意見交換会では、「積極的な先行投資を行い、数年以内に常勝チームを作り上げる」とはっきり宣言しました。 その最たるものが、元・トルコ代表「イルハン・マンスズ」選手の獲得です。
彼を獲得することで、ヴィッセル神戸はメディアに取り上げられる回数も増え、本気で上を目指しているというイメージを内外に与えることになりました。(なお、イルハン選手は、三試合に出場しただけで自らの希望により退団) 「もっと地域に密着した小ぢんまりとしたチームがいい」という意見のサポーターもいましたが、大体は好意的に受け止められていたのです。 ところが! ある日、事態は大きく動きました。 開幕戦を一週間後に控えた2004年3月10日、「来シーズンから白黒チームカラーを廃止し、クリムゾンレッドに変更する」という記事が新聞紙上を飾ったのです。 彼等の言い分は、「従来のヴィジュアルでは、我々の目指す先を十分に表現できない」でした。 しかし、クリムゾンレッドは、楽天市場の企業カラーであり、三木谷氏の出身校であるハーバード大学のスクールカラーでもあります。 そのカラーを、神戸市民みんなの物(公共物)であるクラブチームに与えるということは、チームを私物化して、その街を間接支配するという行為以外の何物でもありません。 そんな強引極まりない施策は、長いサッカーの歴史から見ても、前代未聞のことでした。 この瞬間、サポーターの意見は真っ二つに分かれました。 チームカラーは不可侵の物、どんな理由があろうと絶対に変えてはならないとする人々と、これでチームが強くなるなら、命の恩人の言うことを聞くのは当然の理屈だと言う人々。 彼等は、チームカラー変更反対派・容認派として、掲示板上などで激しく議論を交わしました。 そんな中、反対派のサポーター団体は、チームカラー変更を凍結するための嘆願署名を開始しました。
しかし、それは、神戸サポーターより他チームサポーターの署名数の方が多いという散々な結果に終わり、クリムゾンFCにもJリーグにもあえなく却下されました。 そうなった原因として、中心となったサポーター団体の指導力が低かったからというのもありますが、何より、「なぜチームカラーを変更してはいけないか」という意見を一本に集約できなかったことが最大の要因でしょう。 それゆえ、「手に入れた物をどうしようとこちらの自由」と主張するクリムゾンFCと、「チームさえ存続すれば、他はどうでもいい」と言う大多数の日和見ファンの心を動かすことができなかったのです。 そして、最早、チームカラー変更は避けきれないという雰囲気の中、2004年のリーグ戦は開幕し、粛々と日程が消化されていきました。 その最中、二つの事件が起こりました。 一つは楽天のプロ野球新規参入、もう一つは新エンブレムの発表です。 「プロ野球には参入しない」と明言していた三木谷社長の突然の前言撤回により、神戸サポーターの多くは、「裏切られた」という想いと、「所詮、彼にはサッカーに対する愛情などない」という失望感を同時に味わいました。 また、後に東北楽天ゴールデンイーグルスのユニフォームとフラッグが発表され、それが新生ヴィッセル神戸の物と酷似していたことで、ヴィッセル神戸も楽天の子会社に過ぎないという事実が目の当たりになったのです。 (注:クリムゾンFCは、「楽天はスポンサーの一つ」と主張)
さらに追い討ちをかけるように、2004年12月22日、予定より6ヵ月も遅れてヴィッセル神戸の新エンブレムが発表されました。
驚くべきことに、なぜか、新エンブレムには「KOBE」の文字がありませんでした。 神戸の土地に地域密着を果たそうとしているはずのチームが、エンブレムからKOBEの文字を取り外したのです。 特に、ロゴマークに至っては、どうやっても「Vヴィッセル」としか読めない代物です。 また、エンブレムから地域名を外したため、選手の着るユニフォームのどこにも神戸の文字がないという非常事態に陥りました。 そのため、このような広告文を新聞に掲載しても、非常に説得力に欠ける物となっております。
以上の結果、クリムゾンFCの真なる経営方針が明らかになりました。 つまり、経営優先、理念無視が彼等の考えだったのです。 まだ、創設して10年にもなっていないクラブチームが、エンブレムから地域名を外すことは、自滅行為としか言いようがありません。 このチームの正式名称は、一体何なのでしょうか? 「KOBE」よりも「VISSEL」の方に価値があるという考えは、神戸の街を馬鹿にしているということではないでしょうか? ちなみに、2005年より、シーズンパスの値段が1万円近くアップしています。 #FC入会金込みで18000円 → パスのみで25000円。 (注:ゴール裏席。2005年は2試合増) そして、様々な人々の想いが交錯する中、クリムゾンレッドの初陣となる2005年シーズンが始まりました。 すると、「Vヴィッセル」は、シーズン当初から記録的な大敗を続け、神戸市時代にもなかったJ2降格を迎えることとなったのです。 2004年初頭に言っていたことは何だったのか? 積極的な先行投資で、チームを抜本的に改革するのではなかったのか? これが、エンブレムから「KOBE」の文字を外してまでしたかったことなのか? そして、何のためにチームカラーを変更したのか? クリムゾンFCは、今でも(2005年11月20日現在)それらの問いに答えていません。 *クリムゾンFC(楽天)「Vヴィッセル」の問題点・チームカラーを親会社の企業カラーに変更。→Jリーグの理念に反する疑いがある。 ・また、それは三木谷オーナーの出身校のスクールカラーである。 →市民球団を私物化。 ・エンブレムとロゴマークを変更し、 地域名である「KOBE」の文字を取り外した。 →地域密着に真っ向から反する行為。 ・実現不可能なプランを立てて客を囲い入れておきながら、 経営を放置し、チームをJ2へ落とした。 →詐欺罪に抵触? ・最もチームへの貢献度の高かったDFの放出、知名度優先の補強、 監督人事の失敗など、スポーツチーム経営に対する能力の欠如。 →プロ野球でも同様の結果をもたらす。 ・サポーターを自分達の部下のように扱い、運営に利用しようとした。 →マルチ商法的経営手段。 *よくある質問と回答Q: そんなに嫌なら放っておいてくれ。お前等には関係ないだろ。A: そういうわけにはいきません。 なぜなら、このチームは、地域密着をスローガンに掲げているからです。 地域に密着するということは、その街に住んでいる全ての人が、 チーム経営に対して主体的に関与するということではないでしょうか? 事実、クリムゾンFCは、ポスター等で「神戸人ならスタジアムへ行こう」と呼びかけています。
神戸人であることを応援の条件に掲げているのでしたら、 「嫌なら係わるな」という論理は矛盾しているのではないでしょうか? Q: 現場とフロントは別物じゃないの? だから、スタジアムへ行って選手を応援してもいいよね? A: 確かに、仰る通りです。 フロントへの批判は、直接、フロントに対して言うべきです。 ただし、クリムゾンFCの経営方針は、 「古参のサポーターを切り捨ててでも、新しいサポーターを獲得する」 だったはずです。 ならば、スタジアムへ行って選手を応援することは、 すなわち、クリムゾンFCを応援することに等しいのではないでしょうか? Q: 海外には、地域名の入っていないエンブレムも多数ありますが? A: もちろん、地域名を入れることは必須ではありません。 ただ、今回の問題で一番大事なのは、 「元々入っていたものを、自らの意思で取り外した」 という事実(歴史)にあると思います。 その歴史的事実だけは、どんなに体裁を取り繕っても、消えることはありません。 Q: ヴィッセル神戸の親会社の「クリムゾンFC」と「楽天」は別法人ですが? A: 「楽天イーグルス」と「楽天市場」も別法人です。 しかし、野球協約に反しているという理由で、TBS買収に際しての問題となっています。 なお、ヴィッセル神戸のクラブハウスと楽天本社は、専用回線で繋がれています。 Q: チーム名に神戸と入っているんだから、それでいいんじゃない? A: ダメです。 なぜなら、関西には阪神タイガースがあります。 この老舗人気プロ野球チームの存在を無視して、 関西でプロクラブチームを経営することはできません。 タイガースに対抗するためには、 全てのJリーグチームが一つの理念の下で団結し、 地域に密着したクラブチーム化を推し進める必要があります。 しかし、今回の施策がそれと完全に相反する行為なのは、言うまでもありません。 また、ヴィッセル神戸は、「神戸にある唯一のプロサッカーチーム」ではなくなりつつあります。 (「神戸 JFL昇格」で検索してみて下さい) Q: 自分に何かできることはない? A: たくさんあります。 ・自分のホームページ/blogでこの事をとりあげる。 ・このページを人に教える、見せてあげる。 ・ヴィッセル神戸にメールや電話をする。 ・新聞に投書する。 ・応援をやめる。 *もっと詳しく知りたい人はこの問題に関して、「もっと詳しい情報が知りたい」という方は、こちらをご参照下さい。当ページの「PDF版」(393KB)もご用意しました。 印刷用途などにご利用下さいませ。 当ページはリンクフリーです。
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