あの後、アイリスはあの家に住みだした。

みんなが成長すると、女の子のアイリスは次第に勝てなくなった。

そういえば、僕の力が強くなったのも……これを予想してたからだった。

アイリスを守れるように、必死に鍛えたっけ……。

そういえば、今こんな事をしてるのも……あの約束。

心のどこかで覚えてたのかもしれない。

『どうしたレグルス。楽しげに見えるが?』

「昔のことを思い出してたんだ。

今やってるのって、……昔から決まってたんだよ」

あの約束、そして体を鍛えた。きっと昔の僕は、こうする事が分かっていたんだ。

こんなひどい事も、約束を守るためと言えば少しはましに聞こえる。気分的には、だいぶ楽になる。

『どういうことだ!』

「古い約束だよ………一番大事な……忘れても、忘れきれない。

それだけだよ」

『よく分からぬが。忘れていたのに、覚えているのか?我には経験が無いな』

そんな事もあるんだよ。深く、心に刻まれた思いはね

「思い出したから、いいんだ。約束を果たすのも後一歩だから」

明日、最後に……村人全員の召喚の道具を奪う。

それで、僕の計画はすべて。村人全員が、僕に逆らえなくなる。

これで………ようやく終わる………。人を傷付ける日々が………。

「ヴリトラ、明日の作戦だけど……少し頑張ってもらうよ」

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